『チョコレートコスモス』は、少女漫画雑誌「りぼん」で連載されていた、春田ななの作品です。ドラマチックな恋に憧れる女子高生と、高校教師の叶わない恋……そして三角関係も。高校生たちのほろ苦く、甘酸っぱい青春ストーリーが丁寧に描かれます。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
主人公・桜井紗雪(さくらいさゆき)は、少女漫画のような恋愛に憧れる16歳の女子高生。入学して数ヶ月経ってもロマンチックな出来事はなく、不満な日々を送っていました。
そんな状況のなか迎えた夏休みのある日、友人の誘いで海に行くことになりましたがナンパ男には興味が持てず……。
暇を持て余していたところ、売店で働いていた萩原克弥(はぎわらかつや)という青年と出会います。紗雪は克弥と劇的な出会いをしたうえに、彼が同じ高校ということを知って運命を感じます。
- 著者
- 春田 なな
- 出版日
- 2007-12-14
夏休み明けに校内で再会!しかし克弥は同じ高校の生徒ではなく、なんと家庭科の教師だったのです。教師嫌いの紗雪にとって、彼は恋愛対象にはほど遠い存在。
そうは言っても、一度感じたトキメキを抑えることはできず、紗雪は少しずつ彼に惹かれていきます。こうして、生徒と教師の「禁断の恋」が始まることに……。
ここから先は、「教師と生徒」という関係性ならではの見所や、胸キュンエピソードの一部を紹介します!ネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
すでに『チョコレートコスモス』が気になった方は、まずはスマホの漫画アプリで読むことをおすすめしています。下のボタンから簡単にインストールできるので、ぜひ利用してみてください。
- 著者
- 春田 なな
- 出版日
- 2018-10-25
作者・春田ななは、1985年6月30日生まれの34歳、新潟県出身の女性漫画家です。
中学3年生の春に投稿した『愛の♥愛のしるし』でデビュー。2000年12月号の「リボンオリジナル」に掲載され、翌2001年には、高校生漫画家として活動を開始しました。代表作は『サボテンの秘密』『つばさとホタル』など。
『つばさとホタル』は、世話好き主人公が男子バスケ部のマネージャーになる部活内での恋愛漫画で、アニメ化もされました。『サボテンの秘密』は、普通の女子高生と元不良の恋愛を描いたラブコメです。連載中の最新作は『6月のラブレター』。学生漫画家だったことから、読者とほぼ同じ目線で乙女心のツボを押さえた作風が特徴です。
近年は作画が変化して、柔らかく儚げなものとなり、ヒロインもツンツンしたタイプから、明るい素直な女の子が多くなっています。
本作の甘酸っぱいストーリーを支える、主役級の登場人物は3人。
主人公にしてヒロインの桜井紗雪。ショートボブの髪型で、活発的な印象の少女です。甘酸っぱい恋愛に憧れる乙女ですが、生来の目つきの悪さと、高すぎる理想のせいで交際経験はありません。
そんな紗雪の恋する相手が、眼鏡をかけた高校で家庭科を教える萩原克弥。少年といっても通じるほどの童顔で、背丈はともかく、教師の格好でなければ紗雪と同年代にしか見えません。柔かな物腰と奔放な性格から、女子生徒の人気がとても高いです。
最後のひとりは、武藤悠士(むとうゆうし)。見た目はややチャラいですが、かなりの美少年。紗雪とは幼馴染みで、軽口を叩き合う「性別を超えた友人関係」ですが、じつは密かに紗雪へ片想いをしています。
本作は「紗雪は克弥が好き」「悠士は紗雪が好き」と、克弥だけが態度をはっきりさせていない歪な三角形。克弥は彼女に好意はあるようですが、教師の立場もあり自重しています。
また、紗雪は克哉に一途ではあるのですが、親しさゆえに抑えている「悠士への淡い気持ち」も……。
じつはこの三角形以外にも、恋愛に発展しそうな描写がちらほら出てくるのも見所。紗雪への態度が不鮮明な克哉に対して、あやしげなモーションをかける女性キャラが現れるのです。
たとえば、同僚教師の香住和華(かすみわか)。クールで付き合いにくい女教師で、はじめは紗雪の立ち上げた同好会と、その顧問となる克弥と対立していました。しかし、対立解消後はお笑い好きの一面が出てきて、克弥に対して独特なボケをかますようになります。
そして大人っぽい3年生の先輩、小村由佳子(こむらゆかこ)。克弥へは何か思うところがあるらしく、紗雪とは違った形でアプローチしていきます。こうした恋愛模様がどう発展するのかを、ハラハラしながら見守るのも本作の楽しみ方のひとつでしょう。
ヒロインや読者が読んだときに「胸キュンする展開」が多いのも本作のポイントです。紗雪がドラマチックな恋を理想としていることもあり、そういった描写が多くあります。
まず、紗雪と克哉の劇的な出会い。紗雪がしつこいナンパ男に困っていたところを克哉が追い払い、その後彼女を誘います。彼はところどころで大人の余裕を感じさせ、年下の紗雪を翻弄したり、フォローする姿が魅力的です。
一方、紗雪と幼馴染の悠士も負けていません。ふだんは、紗雪に同性相手のようにぶっきらぼうですが、いざ彼女がピンチとなれば、颯爽と王子様ムーブを発揮します。紗雪が雪山で遭難しかけたときに見せた、誰よりも心配する姿が印象的です。
克哉は、知的な眼鏡男子で意外とSっ気があります。反対に悠士は、ツンデレな癖に忠誠心が高く、まとわりつく仔犬のようなところがあります。
それぞれ恋愛の相手としては正反対のタイプなので、彼らの行動や紗雪との関係性の変化、そしてさまざまな恋愛シチュエーションに胸キュン間違いなしです。
紗雪はバレンタインで克弥に気持ちを伝えましたが、応えてもらうことはできませんでした。しかし明確にフラれてないことを前向きにとらえて、決してめげません。
それから数ヶ月が経過したある日。克弥は紗雪と交わした同好会活動の約束を破って、小村由佳子を優先するという事件が起こります。いても立ってもいられなくなった紗雪は、飛び出してしまい……。
- 著者
- 春田 なな
- 出版日
- 2008-11-14
一度告白して紗雪が撃沈したのは、教師と生徒という身分違いによるもの。裏を返せば、身分違いがクリアになれば問題はないはず……彼女はそう考えてアタックを続けました。
そんななか先約の紗雪ではなく、由佳子を優先したのは不可解です。紗雪は克也に受け入れられ、恋を実らせることができるのでしょうか?もしくは紗雪を想い続ける悠士が報われるのでしょうか?
本作のタイトルになっている「チョコレートコスモス」は実在する花の名です。花言葉の意味は「恋の終わり」。読み進めると、あえてこのタイトルになっている理由が判明します。きっと最初からこうなる恋だったのだろうと納得できるはず。
禁断の恋の終着点、その行方はぜひ実際にご覧ください。
読者が思わず胸キュンしてしまう要素がてんこ盛りです。ぜひ実際に読んで、キラキラした青春を追体験してみてください。