「ドロ刑」は、刑事である斑目勉(まだらめつとむ)が、高級な宝石だけを狙う泥棒の煙鴉(けむりがらす)とタッグを組み、窃盗犯を逮捕していく新感覚のデカ漫画です。 窃盗、ひったくりを追う捜査第三課、通称ドロ刑を舞台にくり広げられる緻密なストーリー、高い画力で描き出される魅力的なキャラクターたちが魅力の作品です。2018年には、SexyZone中島健人と遠藤憲一でドラマ化され、話題を呼びました。 この記事ではそんな本作の見所をご紹介!下のボタンのアプリから読むこともできるので、そちらもどうぞ。
窃盗事件を扱う部署である、刑事部・捜査第三課。花形ではないものの、最も高い検挙率を誇ります。通称はドロ刑。
ドロ刑に配属されたの斑目勉(まだらめつとむ)は、タバコの残り香だけを証拠に残していく泥棒、煙鴉(けむりがらす)を捜査しています。彼は侵入経路不明、手口不明の、警察の頭を悩ませる窃盗犯でした。
そんなある日、斑目は偶然バーで煙鴉と出会いますが、気づくと彼はいなくなっており、取り逃がしてしまいます。
- 著者
- 福田 秀
- 出版日
- 2018-05-18
その後突然、煙鴉が警察署まで、斑目に会いにやってきます。何をしに来たのか班目が困惑するなか、彼は取り調べ中の容疑者が自白する糸口を残して去っていくのでした……。
『ドロ刑』は、斑目と彼に目を付けた煙鴉が時には敵対し時には協力し合う、若手熱血刑事と泥棒紳士のバディによるクライムドラマです。
操作第三課には、殺人などを扱う捜査第一課のような派手さはありません。しかし、熟練の職業泥棒たちの犯罪手口や、それぞれの犯罪者たちの持つドラマは読みごたえ十分。殺人事件の衝撃や、派手なアクションに勝るとも劣らない魅力に溢れています。
『ドロ刑』は2018年の秋に『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』としてドラマ化されました。ダブル主演で、SexyZone中島健人が斑目勉、遠藤憲一が煙鴉を演じています。
ドラマ内に登場する泥棒たちの犯罪手口やエピソードは原作と同じものも多いのですが、主人公2人のキャラクター設定が大きく異なり話題となりました。
- 著者
- 福田 秀
- 出版日
- 2018-09-19
原作の斑目は、ドロ刑であることに誇りを持つ192センチの体躯の熱血漢。それに対しドラマ版の班目は、安定を求めて警察官を選んだものの、プライベートの充実のために、当初は刑事になることを拒否するような人物。しかし命令されてしぶしぶこの職業に就きました。外見も線が細く小柄です。
また煙鴉も、原作では、きれい目なカジュアルファッションに身を包んだ、物腰の柔らかい上品な中年紳士。しかしドラマ版では鴉をイメージした全身黒づくめのスーツ姿をしています。原作とは違う男くさい印象を受けた人が多いのではないでしょうか?
どちらもそれぞれのキャラのストーリーならではの見所があるので、ぜひご覧ください。
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『ドロ刑』の魅力は刑事と大泥棒という異色のタッグにあります。ストーリー重視の作品ですが、2人のキャラクターはしっかりと練られていて、とても魅力的です。
主人公の斑目勉は、作者の高い画力で表情豊かにいきいきと描かれます。背が高く筋肉質で若々しく、コンビの「動」を担っているキャラでしょう。彼がストーリーのの中心にいることで、ページが華やかになります。純粋で、努力家。裏表のない性格は、読む人誰もが好感を持つのではないでしょうか?
- 著者
- 福田 秀
- 出版日
- 2018-10-19
そして、相棒として描かれる大泥棒の煙鴉。飄々とした佇まいの中年紳士で、作中では本人がもうすぐ50歳と述べています。ある時はショートトレンチを小粋に着こなし、ある時は首元にストールをあしらいもします。
上品なコンサバカジュアルに身を包んだ、物腰も柔らかなジェントルマンで、コンビの「静」を担っているキャラです。女性向け漫画のヒロインと恋に落ちる紳士のような佇まいで、青年漫画にしては珍しく、新鮮です。
そんな正反対の2人が、刑事と泥棒という立場でありながら協力し合います。敵か味方かわからない、微妙な均衡を保ちながら、タッグを組む2人の空気感や相性、掛け合いは絶妙です。
刑事漫画といえば、やはり殺人事件を扱う捜査第一課や、詐欺や汚職などを扱う捜査第二課を取り上げたものが多いのではないでしょうか。そんななか本作は捜査第三課という、窃盗事件を扱う刑事を主役にした作品になっています。
- 著者
- 福田 秀
- 出版日
- 2019-01-18
一見地味に感じるかもしれない題材ですが、窃盗犯たちの職人気質やこだわりが意外にもアツい内容なのです。
たとえば窃盗犯との取り調べシーン。熟練の窃盗犯と取り調べをする班目が心理戦の攻防をくり広げる様子を丁寧に描写しています。そして煙鴉からのヒントをもとに、窃盗犯たちの自白を引き出すため、泥棒の心理を理解していくなかで、斑目はドロ刑として成長していくのです。
確かに派手なカーチェイスや銃撃戦はありませんが、言外に行われる静かな戦いや、地道な捜査をつづける主人公の努力にどんどん引き込まれていきます。
『ドロ刑』のメインストーリーは、主人公の斑目と煙鴉のコンビが事件を解決し、斑目が窃盗犯との取り調べを通して、刑事として一人前になっていく成長していくというもの。しかし、そんな成長ストーリーだけでなく、ちょっとしたミステリー要素も本作の見所です。
- 著者
- 福田 秀
- 出版日
- 2019-04-19
それは、煙鴉の正体について。ストーリーに巧妙に張り巡らされた伏線によって、彼は一体何者なのか、なぜ泥棒として働くのかなど、謎多き大泥棒の存在が、少しずつ解き明かされていくのです。
最終巻で明らかになる煙鴉の過去は、この作品のクライマックス。まさに煙のようにつかみどころのなかった彼をひとりの人間として見られた時、ミステリーが解けたかのような爽快感を感じるはずです。
反社会的勢力の千家組の組長に足を銃撃された斑目。さらに檻に閉じ込められて海に沈められてしまいます。そんな絶体絶命のピンチを救い出したのは煙鴉でした。彼らはタッグを組み、千家組から逃げ切ります。
共闘した後、斑目は煙鴉を逮捕しようとしますが、鮮やかに逃走されてしまいます。その後、彼が千家組のコレクションも盗んでいたことが判明しました。そして逮捕された千家組の組長を取り調べたことで、斑目も千家組も、煙鴉がコレクションを盗むために仕掛けた罠にはめられたことがわかるのでした。
最終話では、車上荒らしを逮捕する斑目のもとに煙鴉からの着信があり……。
- 著者
- 福田 秀
- 出版日
- 2019-07-19
「事件が起きなくなったからって
もう僕の捜査は止めちゃったのかな?」
(『ドロ刑』7巻より引用)
煙鴉の電話越しの言葉に、斑目はどう返事をするのでしょうか?
これからも2人の奇妙な関係が続いていくことを予感させる小気味好いエンディングは、爽やかな読後感を与えてくれます。
また、『ドロ刑』の最終巻となるコミックス7巻では、煙鴉ことハルトの壮絶な過去が明らかになります。煙鴉とあすかとの関係とは?どうして煙鴉はコレクションを盗むのか?今までの謎がいっきに明らかになり、想像を絶する生い立ちに衝撃を受けること間違いなしです。