小さな村で巻き起こる、鬼への供え物……。本作は、和風ホラーの本格的な面白さがありながら、そこに織り込まれたエロティックさが魅力です。当たり前の日常から、鬼のいる場所に迷い込んでしまう、独特の世界観。気づいたら物語に引き込まれているかも……⁉今回は、エロくて怖い和風ホラー『鬼獄の夜』の魅力を、ネタバレしながら解説します。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
『鬼獄の夜』は大学生である立花牡丹たちが山のなかでバーベキューをしようとしているシーンから話が始まります。その最中に彼女はある看板を目にしました。それには「鬼出没立ち入り禁止」と書かれているもの。
それを見て幼なじみである赤坂春馬は、この山にちょっとした噂があることを思い出しました。ここにある村では、江戸時代に女性たちを儀式の生贄に捧げていたというのです。
それというのも、村を荒らす鬼の心を鎮めるためでした。おそらくその看板はそのころの名残だったのでしょう。当然ながら牡丹たちは鬼が今もこのあたりにいるなんて可能性は考えていません。
バーベキューを終えた牡丹たちは車で帰路につくことにしました。しかし、途中で道に迷い、気づくと「鬼出没立ち入り禁止」の看板が立ち並ぶ区域にいました。そしてどこからかうなり声のような音が聞こえてきたかと思うと、車のフロントガラスに得体のしれない化け物が張り付いてきて……。
このように『鬼獄の夜』は日常から一瞬にして窮地に陥る場面に変わり、読者も一緒になってハラハラしながらその様子を見守ることになります。
また、一気に押し寄せてくるホラー展開だけではなく、本作ではエロティックな描写が盛り込まれていることも見逃せません。といっても下品な描写が描かれているというわけではなく、綺麗な絵柄でのエロスが盛り込まれているので、女性も安心して読めるでしょう。
ここから先は、本作のホラーシーンやエロティックな展開の一部を紹介します!ネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
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ここからは本作の魅力をご紹介していきましょう。まず本作本作の怖さは、単純な異形の恐ろしさだけに止まりません。
多くのホラー漫画では異形のものに捕まった場合、そのまま殺されてしまうことが多いでしょう。
しかし『鬼獄の夜』は捕まってからが地獄なのです。
この漫画に出てくる鬼は女性に対して強い執着を抱く存在として描かれています。それゆえ、女性が一度捕まってしまったら死ぬよりもつらい目に遭うのです。それはなんと、ひたすら犯され続け、死ぬまで辱められてしまうというもの。
実際に牡丹の友人である茜は早々と鬼に捕まってしまい犯されてしまいます。真に迫り、リアルな描写には、恐ろしいながらもついつい見入ってしまいまます。単純な恐ろしさだけでなく、エロティックな要素も盛り込んでいるのが『鬼獄の夜』の持ち味なのです。
また、主役カップルの絆、恋愛展開も見逃せません。
主人公である牡丹には幼なじみにして恋人である鷹介という男性がいます。ストーリーの冒頭で2人が仲むつまじく過ごしている様子が描かれますが、そんなひと時はあっという間に壊されてしまいます。
牡丹たちが村に足を踏み入れた瞬間に鷹介が姿を消してしまうのです。
牡丹は襲い掛かってくる鬼たちから逃げながら、同時に鷹介のことを考えます。いったい彼はどこに行ってしまったのか、そんなことを思う彼女の前に息をつくひまもなく鬼が現れます。
すぐに逃げようとする牡丹ですが、その声が鷹介に似ていることに気づきました。「これはどういうことなのか」と逃げるのも忘れて立ち止まってしまい……。
女性向けの『鬼獄の夜』では、やはり恋愛要素は欠かせません。ストーリーの途中では牡丹と鷹介が愛し合うシーンも描写されもします。
ホラー作品でありながら、2人の恋愛展開やドキドキするシーンも盛り込まれており、怖いだけでない不思議な妖艶な魅力をますます仕上げています。
また、本作ではミステリー要素に関わるある男の存在も見逃せません。
鬼にやられっぱなしで窮地に陥っていた牡丹たちのもとにメガネをかけた若い男が現れます。その男の名は柴太一。
久しぶりに人間と出会えたことで安心した牡丹たちでしたが、彼は彼女たちの味方をしてはくれません。それどころか、茜が鬼に襲われているのを黙って見ていたり、鷹介にたいして猟銃を向けたりするのです。
挙句の果てに牡丹を鬼に差し出すような真似までするのです。いったい柴の目的は何なのでしょうか。
鬼だけでなく人間さえも敵となる状況に読者はいっときも目が離せません。柴はこ牡丹たちを苦しめる存在としてストーリーにかかわり続ける重要人物なので、その動向が展開の鍵を握っています。
また、本作は二部構成で少し異なる視点から物語が描かれるのも面白いポイント。
牡丹たちは鬼を追い払う能力を全く持っていません。それゆえ一方的に襲われるだけで窮地に陥るばかりです。さらには先ほども述べた通り柴という男まで現れ絶体絶命の状況に陥ります。
しかし、そうした窮地を助ける救出部隊が現れます。晴馬の姉である赤坂美空はオカルトライターとして働く女性で、先天的に霊感が強い人物。彼女は晴馬がバーベキューから帰ってこないのを心配し、何者かに教われたと察知します。
そして友人である男性2人と弟を助けるために山へと向かうのです。助けは本当にくるのか、また、きたとしても間に合うのか。彼女たちの視点での物語も進むのが唯一の希望の光ともいえるかもしれません。
鬼たちに苦戦しつつ、どうにかして牡丹たちの行方を探ろうとする美空たち。そして、やはりその前に柴が立ちはだかることとなるのです。
さらに美空たちの前には新たな人間の敵が現れ、物語はどんどん混迷を深めることとなります。ただ単に牡丹たちが鬼たちと戦うだけでなく、さまざまな登場人物が渡り合う複雑な物語を展開しているのも『鬼獄の夜』の魅力といえるでしょう。
気になった方は無料で読めるので、まずは簡単にご覧になってみてはいかがでしょうか?