物語の舞台は、「バスケ部員」と「部活のマネージャー」という、学生のころに一度は憧れたシチュエーション。好感度100%の王道恋愛漫画です。一方で、主人公・つばさは、好きな人に好かれたい気持ちが強すぎて、「ストーカー」と言われてしまい……。それでも捻(ひね)くれず、まっすぐ人を想う彼女の姿が見所のひとつです。今回は、アニメ化や実写版ショートムービーも制作された『つばさとホタル』のあらすじや見所を、最終話までネタバレ紹介します。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
本作は、イケメンぞろいのバスケ部でくり広げられる、青春ラブストーリー。テレビ東京系「おはスタ!」内で、アニメ放送もされていました。
高校1年生の園川つばさ(そのかわつばさ)は、入学してすぐに駅で貧血を起こしてしまい、同じ高校の杉山先輩に助けられました。それに運命を感じた彼女は、杉山先輩に猛アタック。しかし彼女のまっすぐすぎる想いはストーカー化し、「重い」と言われ振られてしまいます……。
つばさのよき理解者であり、幼なじみで1つ年上の蝶野友梨(ちょうのゆり)は、振られて落ち込むつばさを励まします。そんな時、友梨がケガをしていることに気づいたつばさは、友梨が所属しているバスケ部を手伝うことにしました。
- 著者
- 春田 なな
- 出版日
- 2014-02-14
ルールすらわからないつばさですが、懸命に部員たちの役に立とうと頑張ります。そして彼女は、臨時の手伝いから正式なマネージャーに……そんな風に、失恋から立ち直り始めた時、「ある事実」が発覚します。
じつは駅でつばさを助けたのは、杉山先輩ではなく、同学年のバスケ部員・飛鷹顕(ひだかあき)でした。運命の相手が飛鷹だと判明したつばさ。果たして彼女は、飛鷹と結ばれるのか、それとも……?
ここから先は、本作の胸キュンエピソードや名言の一部を紹介します!ネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
すでに『つばさとホタル』が気になった方は、まずはスマホの漫画アプリで読むことをおすすめしています。下のボタンから簡単にインストールできるので、ぜひ利用してみてください。
作者・春田ななは、1985年生まれの新潟県出身の漫画家。2000年に『愛の♥愛のしるし』デビューし、これまでに『サボテンの秘密』『チョコレートコスモス』など、多数の人気作品を連載しています。 デビュー当時は中学3年生で、学生漫画家としても注目されました。
- 著者
- 春田 なな
- 出版日
- 2015-12-18
春田ななが描く作品は学園ラブコメが中心です。学生のころにしか経験できない、甘酸っぱい恋愛模様が魅力的です。
誰もが一度は経験したことのある胸の高鳴りや、学生だからこそ経験できる青春。学生漫画家としてデビューした作者だからこそ、描ける作品でしょう。
また、物語には複数のイケメンが登場するので、ヒロインが誰と結ばれるのか……?そんな部分も楽しみのひとつです。
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飛鷹が運命の相手だと知って喜ぶつばさでしたが、友梨に止められて一旦冷静に考えます。
まずはマネージャーとして、仕事を頑張ることにしたつばさ。それでも飛鷹の言動に、胸がぎゅーっと締め付けられます。今まで感じたことのない感情に、彼女は戸惑いを隠せません。
彼に迷惑をかけないためにも、部員とマネージャーの関係でいたほうがいい……。でも、もうつばさの気持ちは止められません。ここで、溢れ出して止まらない飛鷹への「好き」という感情を、ようやく自覚します。
互いに両想いなのに、なかなか恋に発展していかない、つばさと飛鷹。彼女は一度告白をしますが、ある理由により、そこでは恋人になりません。その後も部員とマネージャーという関係のまま、2人はじれったい期間が続いていきます。
彼らの進みそうで進まない「微妙な距離間」が、読者にはたまらないでしょう。
両想いのつばさと飛鷹の関係は、はじめから周囲にはバレバレ。気づいていないのは、当の本人と一部の部員のみという状況です。
そこへライバルとして名乗り出たのが、鳥羽結真(とばゆうま)。最初は馬鹿正直なつばさの性格をからかっていた彼も、つばさのまっすぐな性格にどんどん惹かれていきます。
そして、つばさに告白。
なかなか彼女の想いに応えようとしない飛鷹とは正反対に、ガンガン攻めていきます。鳥羽の容赦ない行動に、飛鷹もようやく自分の気持ちを自覚し始め……。
どう思っているのかわからない飛鷹と、自分のことを好きで、困ったときにはいつも助けてくれる鳥羽。「好きな人・飛鷹」と「自分に好意を寄せてくれる鳥羽」の間で揺れ動く、彼女の恋模様から目が離せません。
夏休みに入ると、つばさが楽しみにしていた「バスケ部の合宿」が始まります。そこで友梨と蜂谷が付き合っていることを知り、部内恋愛は禁止されているわけではないと教えられます。
友梨から飛鷹と付き合わないの?と聞かれ、部活を頑張っている飛鷹の邪魔をしたくないので、マネージャーとして頑張ると打ち明けます。そんなつばさに、友梨はこう教えてくれます。
「好きな人ががんばってたら応援したくなるし、自分もがんばろうって思うでしょ?
お互いがそうゆう存在になれればいいんじゃない。」
(『つばさとホタル』2巻より引用)
ちゃんと恋をしたことがなかったつばさですが、この言葉のおかげで、彼の頑張りを応援したいと考え始めるのです。これから恋愛する人は、しっかりと覚えておきたい名言といえるでしょう。
次にご紹介するのは、文化祭でのつばさの一言。
文化祭の準備中、手伝いに来てくれた飛鷹に「ちゃんと自分の想いを伝えたい」と考えたつばさは、彼に告白します。つばさ自身も、今が告白すべき時ではないことはわかっていましたが、想いは止められませんでした。そんな彼女の行動を見て、鳥羽は「損得を計算しないでなぜ告白するのか」と問いました。そしてつばさはこう答えます。
「計算できない気持ちってあるでしょ?」
(『つばさとホタル』4巻より引用)
その言葉は鳥羽の心にも響いたようで、「たしかにあるね」と納得してしまうのです。純粋なつばさらしい返事です。自分の気持ちを止められないくらい、大好きだという証なのかもしれません。
つばさたちも2年生になり、バスケ部に新入部員がやってきます。新しく入ってきたマネージャーの相馬ひなも、飛鷹が気になるようで積極的にアピール。ひなの想いを知っているからこそ、つばさはこれからどうするか悩みます。
そんなつばさに、鳥羽は「周りを気遣うところは好きだけど、時と場合がある。ライバルには気を遣わなくていい」と心配します。いつもはからかってばかりなのに、時々心配してくれる鳥羽。彼に感謝し、ひなとちゃんと話すことを決めます。
最後は、ひなと話し合うつばさのセリフの一部を紹介します。
「損とか得とかじゃなくて、これからもひなちゃんと一緒にマネージャーやっていきたいから。」 (『つばさとホタル』7巻より引用)
つばさの真面目さが伝わる名言です。そんな彼女だからこそ、飛鷹も鳥羽も惹かれていったのでしょう。
ライバル登場に焦り戸惑うつばさ。そんなとき、突然ひなから「飛鷹と付き合っている」と衝撃な事実を伝えられたり……可愛い後輩のひなと、大好きな飛鷹、そんな彼らとどう接していけばいいのかわからなくなってしまいます。
そんな状況でも、変わらずつばさを気にかけてくれる飛鷹の様子に、気持ちは募るばかり……。そしてある日、飛鷹からこう告げられます。
「俺
園川のことが好きだ」
(『つばさとホタル』9巻より引用)
じつは「付き合っている」というのはひなが焦りから口に出してしまった嘘でした。やっと思いの通じた2人ですが、初めての彼氏につばさは戸惑うばかりで……!?
- 著者
- 春田なな
- 出版日
- 2017-12-25
片思いの時の積極性はどこへやら、つばさは飛鷹と手が触れるだけで顔が真っ赤に。そんなうぶさを見せつつ、修学旅行などのイベントを通じながら、お互いがどんどん大切な存在に……。
両思いになってからのつばさと飛鷹は必見です。やっと両思いになった彼らの甘々な雰囲気に、読んでいると思わず口元が緩んでしまいます。
しかしそこで気になるのは、つばさを想っていた鳥羽の存在。大会が間近にも関わらず、鳥羽は2週間も部活を休んでしまいました。心配になったつばさは彼の家へ事情を聞きにいくのですが……。
最後はどんな結末になるのか?登場人物全員が純粋で、いい人なため、全てのキャラクターに幸せになってほしいと願うと、少し胸が苦しくなる展開が待ち受けています。
恋愛感情に関わらず、お互いを好きだからこそ、傷つけたくないし、困らせたくない……。学生のころに体験したかった青春と、憧れるようなシチュエーションの恋愛が、たっぷり詰まったラストは必見です。
部活に恋に一生懸命なつばさが、空回りをしながらも、最後はみんなに愛される存在に成長していくストーリー。「重い」と振られた主人公が、最後には「みんなつばさにお世話になってる」と感謝を伝えるシーンは、胸にくるものがあるでしょう。心が疲れた時におすすめな、優しい物語です。