中川ひろたかが文、田中六大がイラストを担当している絵本「おとのさま」シリーズ。普段はお城に住んでいるおとのさまが、家来を連れて町へ下り、さまざまなことに挑戦していく物語です。この記事ではシリーズ全巻の魅力と見どころをご紹介していきます。
いつもお城に住んでいるおとのさま。双眼鏡で町の様子を見ていると、なんだか不思議な乗り物を発見します。「わしはあれにのりたい」と言い出したおとのさまは、さっそく町に出て、自転車を買いに行くことにしました。
- 著者
- 中川 ひろたか
- 出版日
- 2012-11-30
2012年に刊行された「おとのさま」シリーズの1作目です。ちょんまげを結ったおとのさまはお城に住んでいるのですが、外の世界は現代で、自転車に乗った人々が通り過ぎていきます。
「かご」よりも早く走れる乗り物だと聞いてピカピカの赤い自転車を購入したおとのさまは、さっそく公園で練習を始めました。
たくさん転んだり、補助輪をつけてみたり、家来のさんだゆうに後ろを持ってもらったり……昔ながらの格好で自転車に乗る姿が滑稽で楽しい作品です。何でも怖がらずに挑戦する姿勢は、子どもたちのよいお手本にもなるでしょう。
文量は少なめで、愉快なイラストが盛りだくさん。すべての漢字にルビがついているので、絵本から児童書へ移行する時期にもぴったりです。
お城の天守閣から町の様子を眺めていたおとのさま。またもや不思議な乗り物を発見します。家来のさんだゆうに聞いてみると、「一度にたくさんの人をのせることのできるのりもの」とのこと。
「わしはあれにのりたい」と言い出したおとのさま。さっそく町に出て、駅へと向かいます。
- 著者
- 作・中川 ひろたか
- 出版日
- 2013-11-22
2013年に刊行された「おとのさま」シリーズの2作目です。
見るものすべてが新鮮で、気になって仕方がないおとのさま。初めて見る電車にも興味津々ですが、切符の買い方も、乗車マナーもまったく知らないのです。改札で引っかかっていると、後ろには大行列ができていて……。
切符を券売機で買うこと、順番に並んで乗車すること、車内では迷惑にならないよう静かにしていることなど徐々に学んでいくおとのさまの姿を見ながら、小さな読者もマナーを学べる一冊。乗り物好きの子どもにもおすすめです。
お城の天守閣から空を見上げていたおとのさま。不思議な乗り物を発見します。
それは、空を一直線に横切っていく飛行機でした。さっそく家来のさんだゆうを連れて、空港へと向かいます。
- 著者
- 中川 ひろたか
- 出版日
- 2014-11-01
2014年に刊行された「おとのさま」シリーズの3作目です。
子どものように何でも楽しんでしまうおとのさまですが、家来のさんだゆうはどうやら飛行機が怖い様子。2人と一緒に、初めて飛行機に乗るときのドキドキを味わってみましょう。
またおとのさまとさんだゆうの掛け合いも見逃せません。手荷物はないけれど、「このさんだゆうはね、たまに『おにもつ』って言われることがあるよ」などシュールな笑いも盛り込まれています。
乗客に紛れて、文を担当している中川ひろたかとイラストを担当している田中六大も登場。ぜひ探してみてください。
おとのさまが住むお城の近くに、遊園地がオープンしました。さっそく家来のさんだゆうを連れて、遊びに行ってみます。
尻込みするさんだゆうをよそに、アトラクションを満喫するおとのさま。観覧車やジェットコースター、メリーゴーランドと楽しんで、お化け屋敷に入ってみると……。
- 著者
- 中川 ひろたか
- 出版日
- 2015-12-01
2015年に刊行された「おとのさま」シリーズの4作目です。何でも楽しんでしまうおとのさまと、乗り物が苦手なさんだゆうとのやりとりを楽しめます。
実は高所恐怖症のさんだゆう。観覧車の順番を待っていると、何やら震えている様子です。しかし心配したおとのさまに対しては「いえ、武者震いでございます」と冷や汗をたらたら流しながら答えていました。初めての体験にドキドキしたり、少し強がってみたりする様子が子どもたちの共感を誘うでしょう。
観覧車では隣のカップルにちょっかいを出したりと、相変わらず自由なおとのさま。また臆病なさんだゆうもおばけ屋敷だけは得意なようで、平気な顔をしてどんどん進んでいきますが……。どんな結末になるのか、実際に読んでみてくださいね。
スキーツアーへ行くバスが、お城の前に停まりました。家来のさんだゆうが、スキーの説明をすると、やっぱり興味が湧いてきたおとのさま。さっそく道具をそろえて、スキー場へと出発します。
- 著者
- ["中川ひろたか", "田中六大"]
- 出版日
- 2016-12-10
2016年に出版された「おとのさま」シリーズの5作目です。スキー用具を買いに行ったり、バスツアーに参加したりする様子から、おとのさまのワクワクする気持ちが伝わってきて楽しい作品。準備をしただけで、もう滑れる気になっているところも愉快です。
初めて見る一面の雪景色に感動するおとのさまですが、肝心のスキーはなかなかうまくできず……スキーの後の温泉を満喫したようでした。
また本作には、おとのさまの奥さんが初登場。泣きぼくろが色っぽい、きれいな奥さんにも注目です。
ランドセルを背負った子どもたちを見て、どうしても小学校に行きたくなったおとのさま。校長先生にお願いをして、1日だけ授業に参加できることになりました。
文房具をそろえて、はりきって登校します。
- 著者
- 中川 ひろたか
- 出版日
- 2017-12-08
2017年に出版された「おとのさま」シリーズの6作目。
算数、国語、図工……はりきって参加したおとのさまですが、いざ授業が始まるといたずら心がムクムクと湧いてきてしまいました。クラスのみんなと仲良くできるのでしょうか。
本作では、なぞなぞになった算数の問題や、国語の穴埋め問題などが出題されます。おとのさまたちと一緒に問題を解きながら物語を楽しめるのが魅力です。
いつものように、おとのさまがお城の天守閣にいると、お散歩をしている保育園児たちの姿が見えました。
どうしても保育士をやってみたくなったおとのさま。1日だけ保育士を体験をすることになります。やんちゃな子どもたちを前に最初はたじろいでしまいますが、だんだんと調子が出てきて……。
- 著者
- ["中川 ひろたか", "田中 六大"]
- 出版日
- 2018-12-16
2018年に出版された「おとのさま」シリーズの7作目。今回はおとのさまが保育士になって、子どもたちのお世話をします。
実は、作者の中川ひろたかは元保育士です。自身の体験をいかしたリアルなエピソードが満載で、大人が読んでも楽しめる内容になっています。
いつもは周りを困らせてばかりのおとのさまが、子どもたちに振りまわされる姿がとっても新鮮。でも、彼自身が子どもの心をもっているからでしょうか、ばっちり保育園児たちになつかれていました。