『ジョジョの奇妙な冒険』第4部「ダイヤモンドは砕けない」は、日常に潜む恐怖をテーマとした能力バトル漫画です。吉良吉影は本編のラスボスで、悪役でありながら平穏な生活を願う不気味なキャラ。独特な人間性とファッションセンスのおかげで敵とは思えないほど人気です。この記事では、吉良吉影の選りすぐった名言をご紹介します。 本作は、スマホの無料アプリで読むこともできます。気になった方は、ぜひ下のボタンからダウンロードしてみてください!
吉良吉影(きらよしかげ)は杜王町に在住する平凡なサラリーマン。
しかしその実態は、手の綺麗な女性を狙うシリアルキラーです。生まれながらに殺人衝動を持つ異常者である一方、厄介事を嫌い、平穏な生活が信条という二面性を持っています。心身ともに健康的な敵という希有な悪役。
スタンド能力は物体を爆発させる「キラークイーン」。
吉良吉影については<吉良吉影の19の魅力!「ジョジョ」4部の手フェチ殺人鬼は、なぜ人気?>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1994-05-01
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1995-10-04
主人公側との1度目の戦いで重傷を負った吉良は、他人を犠牲にし、まったく無関係の男性・川尻浩作(かわじりこうさく)の外見と身分を手に入れました。
吉良は追っ手から逃れるために潜伏していましたが、殺人衝動を抑えられずにあるカップルを襲います。そして女性に名前を尋ねた吉良は、混乱して聞き返してきた彼女にこう返しました。
「質問を質問で返すなあーっ!!
わたしが『名前』はと聞いているんだッ!
疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?」
(『ジョジョの奇妙な冒険』44巻より引用)
台詞からは吉良の神経質さが窺える内容となっています。それと同時に、こんな状況でなければ一定の説得力があるのも面白いセリフです。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1996-01-01
「激しい『喜び』はいらない…」
「そのかわり深い『絶望』もない………
『植物の心』のような人生を……」
「そんな『平穏な人生』こそ、わたしの目標だったのに…………」
(『ジョジョの奇妙な冒険』45巻より引用)
これこそ吉良の人生哲学といえる名言です。
川尻浩作になりすまして生活していた吉良は、僅かな異変に勘付いた浩作の息子・早人によって絶体絶命のピンチに陥ります。絶望的な状況にもかかわらず、彼はこの台詞で覚悟を新たにするのでした。
最終決戦に臨むラスボスとは思えない内容が、ある意味で衝撃です。平穏ではない行為を続けたことに端を発する因果応報の結果ではあるものの、心の平安を求める姿勢だけは見習えます。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
- 1995-01-01
「わたしには
勝ち負けは問題ではない…
わたしは『生きのびる』……
平和に『生きのびて』みせる
わたしは人を殺さずにはいられないという『サガ』を背負ってはいるが……………
『幸福に生きてみせるぞ!』」
(『ジョジョの奇妙な冒険』40巻より引用)
吉良が広瀬康一と空条承太郎との戦いで重傷を受け、ついに長年謎だった正体が露見した場面です。吉良が逆境に立ち向かうところは見所です。ここで吉良は逃亡のために大胆な行動を見せるのですが、ラスボスというより「ジョジョ」主人公のような思い切りの良さに驚かされます。
争いごと(自ら撒いた種ですが)を避け、幸福に生きたいと願う発言はまるで平和論者のようです。このラスボスらしからぬ意外性が吉良の魅力。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
彼の感性は一般的に到底受け入れられませんが、生まれ持った性質を肯定し、前向きに生きようとする姿勢にはどこか共感を覚えます。そこが吉良を特異な悪役にしている部分で、ファンに愛されている所以でしょう。
作者の荒木飛呂彦もお気に入りのようで、死後の吉良を主人公としたスピンオフ『デッドマンズQ』や、第8部「ジョジョリオン」で同姓同名のキャラを登場させています。
平凡な日常とは相容れないサイコパスにも関わらず、どこか共感できる感性が魅力的です。彼の活躍ぶりはぜひ本編でお楽しみください。