介護士を目指す女子大生が借金を返しながら学費や生活費を稼ぐためにデリヘル嬢として働くストーリー『デリバリーシンデレラ』。 これだけ聞くと可愛そうなストーリーに感じられるかもしれませんが、本作はお金のためだけでなく、自ら楽しんでこの仕事をやっているという主人公の姿に考えさせられる内容です。 この記事ではそんな本作の見所を最終回までご紹介。下のボタンからダウンロードできる、スマホアプリで読むこともできます。
山田雅美で、介護士を目指している、一見地味な女子大生。しかし夜になると「ミヤビ」というナンバーワンデリヘル嬢になります。
昼間は大きな眼鏡に、おさげという目立たない見た目。まさに田舎から出てきました!という雰囲気ですが、ミヤビになるとグラビアアイドル顔負けの可愛くてセクシーな女性に変身します。
- 著者
- NON
- 出版日
- 2010-05-19
もともとは学校へ行くお金を稼ぐためと勉強する時間を効率よく確保するためにと、高時給の仕事を探した結果、デリヘル嬢という職に就きました。しかしもともとの一生懸命な性格でお客さんに喜んでもらえるようにと考えはじめ、この仕事にやりがいを感じていきます。
一般的に、デリヘル嬢という、お金のために仕方なく働くイメージがあるのではないでしょうか。しかしミヤビは楽しんでデリヘル嬢をしています。お金をもらうだけじゃなくて、お客さんに癒やしを与えてそして自身も嬉しくなる、そんな仕事のよい面をこの作品から感じることができます。
デリヘル嬢の仕事をそんな面から見てみたいという方におすすめの作品です。
この作品の作者はNONです。1987年生まれ、佐賀県出身の既婚者で、女性です。本作品が賞を受賞し、デビューに繋がりました。
その後、読み切りなどを経てデビュー作である『デリバリーシンデレラ』が連載化となりました。漫画家になる前は、アイドルとして活動していた時期もあります。
- 著者
- NON
- 出版日
- 2014-11-06
本作品や『ハレ婚。』が代表作であり、いずれも女性の視点から描かれているのが特徴。青年漫画というジャンルなので女の子がいっぱい出てくる、ちょっとエロが入ったストーリーではありますが、女性が読みやすいストーリー展開です。
『デリバリーシンデレラ』も設定は青年漫画らしいですが、ストーリーの内容や結末などは女性に好まれそうなもの。ただ女の子がたくさん出てきて可愛い、という内容にならず、心理描写などを丁寧に描いた奥深いストーリーを手がける漫画家です。
本作ではデリヘル嬢はエロいだけの職業ではないことを考えさせられます。
デリヘル嬢というと、高時給だからと仕事をはじめる方が多いでしょう。お金が必要だから仕方なくやっている、汚れている仕事という偏見を持たれるものでもあるかもしれません。
しかし、ミヤビはお客さんの気持ちを考えて仕事をまっとうし、やりがいを感じています。
- 著者
- NON
- 出版日
- 2010-08-19
本作ではデリヘル嬢はエロいだけの職業ではないことを考えさせられます。
デリヘル嬢というと、高時給だからと仕事をはじめる方が多いでしょう。お金が必要だから仕方なくやっている、汚れている仕事という偏見を持たれるものでもあるかもしれません。
しかし、ミヤビはお客さんの気持ちを考えて仕事をまっとうし、やりがいを感じています。エッチなことをして気持ちよくなってもらうだけではなくて、心も癒やせるようにという思いやりを持って仕事をしているのです。
癒やされたお客さんに感謝され、また頑張ろうと生きがいを感じながら日々を過ごしている様子は、この職業のイメージについて再考させられます。
デリヘル嬢の仕事について考えさせられるものの、やはり仕事を始めるきっかけはみなお金のことが多いです。この漫画ではそれぞれの女性の生き方の多様さが見られるのも魅力です。
ミヤビは大学入学当初、学費、生活費、父への仕送り、育ててもらった叔母さんへの借金返済と、月40万円ほど大学へ行きながら稼がなくてはいけない状況でした。そして稼げる仕事としてデリヘル嬢を始めます。
はじめは葛藤もあり、また街ゆく人に避難の目で見られているような錯覚に陥ったこともありました。しかしこの仕事のやりがいに気づき、前を向いて頑張るようになるのです。
- 著者
- NON
- 出版日
- 2010-09-17
サクラは元看護士で、年上のデリヘル嬢です。夫とはセックスレス気味で会話もなく、寂しさからホストに貢いでしまいました。そしてホスト狂いになってしまい、お金を稼ぐために仕事を始めます。
しかし夫にこの仕事をしていることがバレて……。
ミチルは今どきのギャルという見た目で、仕事に対してもやる気が見えません。またデリヘルは挿入を指す「本番行為」が禁止にもかかわらず、お金をもらって内緒でしていました。
しかしAVに出てみればと言われるなど、だんだんとお客になめられるようになり……。
そのほか、さまざまな事情を抱えたキャラクターがいます。皆、それぞれの悩みを抱えてこの仕事をはじめ、そこで得た経験をとおして変化していきます。その姿がリアルで、考えさせられるのです。
また、本作は名言も多いのが魅力。ここでいくつかご紹介しましょう。
「アタシ…絶対しません」
(『デリバリーシンデレラ』2巻より引用)
本番を要求するお客さんに、はっきりと断ったミヤビのセリフです。デリヘルは、相手と1対1の商売。力では勝てない相手と密室にいるところでハッキリと断わるのは、どれほど勇気のいることでしょうか。
彼女の勇気と、デリヘル嬢としての誇りが感じられる名言です。
- 著者
- NON
- 出版日
- 2010-12-17
つづいてはこちら。
「楽しみなさい。
そこで得られるあなただけの喜びを探すのよ」
(『デリバリーシンデレラ』8巻より引用)
仕事を始めた当初、仕事ができないとトイレにこもってしまったミヤビに、雫が声をかけたときのセリフです。雫はミヤビをデリヘルの仕事へと導いた、いわば彼女の姉のような存在。この展開をきっかけに仕事にやりがいを見出すようになった大事な転機での言葉です。
そして最後はこちら。
「その人が望む女の子に、
その時間だけなってあげたいんです」
(『デリバリーシンデレラ』3巻より引用)
ミヤビがお客に対してどれほど真摯に向き合っているのかがわかるセリフです。呼ばれている間だけのわずかな時間ですが、大切にしていることがわかります。
理想の彼女として、癒やしの存在として、お客さんの想いに応えてあげるというプロ精神が伺えます。
叔母さんへの借金返済も終わり、これだけの貯金があれば十分に暮らしていけるようになった雅美。今までの最大の目的だったお金の問題が解決され、これからどうしようか将来に悩んでいました。
そんななか雅美はお客として知り合ったものの体の関係がまったくなかった黒木という男性に告白されます。しかし、彼には雫と関係の深い「マリア」という女性とのある過去があり……。
- 著者
- NON
- 出版日
- 2012-07-19
そんななか、雫は風俗のイメージを変えるために、健全で、かつ高級なお店を開いていました。堂々とメディアの前でその夢を語る姿は凛々しいものでしたが、同時に目をつけられることになり、愛人バンク疑惑が発生し強制捜査に入られます。そしてなんとそのまま彼女は逮捕されてしまい……。
最終回は、ミヤビが自分の人生の区切りをつける内容です。しかしこれまでの時間、真面目に仕事に向き合ってきた彼女は、この区切りがついても自分に残った財産に気づくのです。
果たして、彼女が気づいたこととは?ほろりとなけてしまうような結末は、ぜひご自身でご覧ください。
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