1度苦手意識をもってしまうとなかなか克服できないのがスポーツ。絵本で運動をすることの面白さや、スポーツから学べる心意気を感じてみませんか?この記事では、野球をはじめ、サッカーや水泳、オリンピックを描いたおすすめの絵本をご紹介します。
2対4で西坂トゥエニシクスは2点のビハインド。6回表、1アウト、ランナー1・3塁。ここで打てれば逆転という局面で、ここまで2三振の「ぼく」がバッターボックスに立ちました。
「思い切ってバット振ってみろ。自信を持て、君なら出来る」(『ホームランを打ったことのない君に』より引用)
そう監督に言われ、力の限りバットを振ってみたけれど、結果はボテボテのセカンドゴロ。試合も負けてしまいました。
失意のなかでコンビニにおつかいに行ったぼくが1年ぶりに出会ったのは、出島商業野球部レギュラーの仙ちゃん。仙ちゃんは今朝の試合を見ていたと言うのです。
- 著者
- 長谷川 集平
- 出版日
- 2006-01-01
「打ちてえなあ、ホームラン!」(『ホームランを打ったことのない君に』より引用)
野球少年たちの永遠のあこがれ、ホームラン。仙ちゃんは大けがをしてしまいましたが、いつかホームランを打つという夢のためリハビリに励んでいます。逆境に屈せず、前進し続ける仙ちゃんに勇気づけられたぼくは、諦めずに野球を続けようと誓うのです。
夢を語る少年たちの健気な姿に、思わず心が揺さぶられる作品。読者の背中を押し、前向きにさせてくれるパワーにあふれています。
野球に興味があるお子さんはもちろんですが、そうでなくても胸がじんと熱くなる名作です。
ブラジルの貧しい家庭に産まれたロベルトは、サッカーが大好きな男の子。素晴らしいテクニックをもっていますが、家族の生活を助けるために仕事をし、学校にも行っていたので、なかなかサッカーをすることができません。
それに加えてロベルトを悩ませていたのは、同じ年齢の少年と比べて身体がとても小さいことでした。
神様は不公平だ、なんでぼくを小さく作ったの?(『ちいさくても大丈夫』より引用)
しかしロベルトは、逆風が吹き荒れるなかでも大好きなサッカーを諦めなかったのです。
- 著者
- 中谷綾子・アレキサンダー
- 出版日
- 2007-12-20
世界最強のサイドバックと呼ばれた、サッカー元ブラジル代表ロベルト・カルロス選手の生い立ちを描いた絵本です。
貧しい家庭に産まれたうえ、タイトルのとおり他の子どもと比べて小柄だったロベルト。決して恵まれた環境ではありませんが、努力を怠ることなくサッカーの練習を続けます。そんな彼のひたむきな姿は周りの人々を動かし、若干19歳で見事サッカーブラジル代表までのぼりつめるのです。
どんな逆境でも努力し続ければ願いは叶うことや、頑張りを認めてくれる人が必ずいるということを読者に教えてくれる作品。心に響く印象的なメッセージがたくさん盛り込まれているので、悩みやコンプレックスを抱えているお子さんにおすすめです。
犬や猫、ゾウに馬にライオン……「犬かき」という言葉があるように、動物たちは泳ぎがとても上手です。でも、なぜ彼らは泳げるのでしょうか。
それは、身体が水に浮くから。動物も人間も身体の中に「肺」という浮袋をもっています。空気を吸い込んだ肺は、ふくらんだ風船のように水にぷかぷか浮かぶのです。
さあ、身体が浮く仕組みがわかったら、さっそくプールで泳ぐ練習をはじめましょう。
- 著者
- なかの ひろたか
- 出版日
- 1981-02-02
まずは身体が水に浮く仕組みを学び、理解ができたら次は次はプールに入って、水に慣れる練習です。顔をつけたり潜ったりできるようになったらもう大丈夫。あっというまに泳げてしまいます。
水しぶきまで丁寧に描きつつもダイナミックなイラストは、臨場感たっぷり。読んでいるだけで泳ぎの自信がわいてきます。
初めて水泳に挑戦する前や、水に苦手意識をもっているお子さんにおすすめ。絵本版「泳ぎの入門書」として活用してみてください。
待ったなし、優勝を決める大一番が始まります。小結の明の海が挑むのは、最強の横綱、武留道山(ぶるどうざん)。
両者はじっと睨みあい、見合って見合って……はっきょい……どーん!
- 著者
- やまもと ななこ
- 出版日
- 2015-09-02
絵本作家やまもとななこのデビュー作。あふれんばかりの相撲愛がぎゅっと詰め込まれた一冊です。
いざ勝負がはじまると、その迫力と臨場感は圧倒的。ページいっぱいに描かれる本気のぶつかり合いに、手に汗握ってしまいます。
こんなにも読者を興奮させる秘密は、効果的な色彩。戦いの間は白黒、勝敗が決まったとたんカラフルに色づかせることで、試合中の緊迫感をさらに際立たせているのです。絶対に負けないという気迫が伝わってくるでしょう。
相撲への興味がより強くなる、表紙裏に描かれた「決まり手」の一覧も必見です。
ねこの国で、マラソン大会が開催されることになりました。11ぴきのねこたちも参加します。
しかし道中は山あり谷ありトラブルあり。たくさんのねこたちが、寄り道しながらえっちらおっちら、ゴールを目指します。
- 著者
- 馬場 のぼる
- 出版日
- 1992-07-01
1967年に1作目の『11ぴきのねこ』が刊行されて以来、世代を超えて親しまれている人気シリーズ。本作はなかでも珍しい、広げると全長約3mにもなる絵巻絵本です。
ねこたちのマラソン大会が描かれているのですが、文章は一切ありません。本作の醍醐味は、細部にまで描きこまれたイラストをじっくり堪能し、自分だけの物語を想像することなのです。
はちまきをして一生懸命走るねこ、日傘をさしながら応援するねこ……おもちゃ箱をひっくり返したような世界で、個性豊かなねこたちと一緒にマラソン大会を楽しんでみましょう。家族やお友達と一緒に読むのもおすすめです。
オリンピックに出場することになった、ぞう。
重量挙げに円盤投げ、野球、サッカー、バスケ、水泳、100メートル走……さまざまな競技で大活躍です。
- 著者
- 斉藤 洋
- 出版日
- 2004-07-01
大人気の絵本作家、斎藤洋と高畠那生がタッグを組み、話題となった作品。オリンピックに出場したぞうが、次々と金メダルを獲得していくお話です。ユーモアたっぷりの文章と、クセのあるイラストが融合した魅力にとりこになってしまう人が多いのではないでしょうか。
ただ楽しくオリンピックに参加するぞうの姿がすがすがしく、スポーツの楽しさを実感できるはず。オリンピックでおこなわれるいろんな競技が描かれているので、めったに見れないスポーツを知ることもできます。