小説『M 愛すべき人がいて』ネタバレ解説!浜崎あゆみの自伝?【ドラマ化】

更新:2021.12.3

小説『M 愛すべき人がいて』は、歌手・浜崎あゆみの私小説的なフィクション作品として、発売当時から高い注目を集めました。あゆと、彼女の成功を支えた元エイベックス専務。2人の仕事を超えた関係が、華やかな生活の裏に隠された「あゆのさまざまな葛藤」とともに描かれます。今回は、2020年4月からドラマ化も予定されている本作の魅力を、あらすじとともに紹介していきます。

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ドラマ『M 愛すべき人がいて』の公開日は2020年4月18日。キャストは誰?

 

『M 愛すべき人がいて』は、平成の歌姫こと浜崎あゆみ(通称・あゆ)と、エイベックスの元専務・松浦勝人(まつうらまさと)との大恋愛を描いた小説で、2020年4月18日にはドラマ化もされます。

この記事では原作の見所をご紹介しますが、まずはやっぱり話題になっているドラマ作品のキャストが気になりますよね。ここでまず、その注目の俳優陣をご紹介します。

ちなみにこれ以降はあらすじや浜崎あゆみについて紹介したあと、見所の解説となるので、目次からご自身の好きな内容をご覧ください。

さて、キャストの紹介に戻りましょう。

歌手としてトップを目指す「アユ」は、安斎かれん、彼女と恋仲となるレコード会社の「マサ」は三浦翔平がキャストを務めます。

このほかにも、マサの側近・流川翔に白濱亜嵐、マサの秘書・姫野礼香に田中みな実、アユの事務所の社長・中谷に高橋克実、アユとマサのライバル役・大浜に高嶋政伸など、豪華な面々がキャスティングされています。

また、脚本を人気放送作家の鈴木おさむが務めるということで、さらに期待が高まる作品です。これ以外にも情報が気になる方ドラマの動画をご覧になるのもいいかもしれません。

 

 

 

 

このあとから、原作小説のあらすじ、見所をご紹介していきます。浜崎あゆみと松浦勝人のインタビューをもとにした原作は、生々しく、ドラマチックです。ドラマといっしょに楽しむのがおすすめですよ!

 

小説『M 愛すべき人がいて』のあらすじを紹介!賛否両論の感想がたくさん!

私小説的な作品ですが、その大部分は2人へのインタビューをもとにしているため、事実をもとにしたフィクションです。しかし作中のアユとマサの物語は、本当にあったことのようにも感じられます。
 

特に浜崎あゆみのこれまでの活動や、一連の騒動を知っているファンにとっては、ノンフィクションと錯覚する内容なので、不思議な感覚になるでしょう。

アユは、歌手としてデビューする前後に作中のマサという男性と出会います。二人三脚で、芸能界の成功を目指して頑張る2人の話から始まり、そのなかで彼女は、既婚者であるマサへの想いを募らせていくのです。

その後想いが伝わり両想いになるものの、彼女の芸能界での成功と引き換えに、少しずつその関係は壊れていきます……。随所にポエムのような文章があり、浜崎あゆみの曲とともに描かれます。

そんな本作は、賛否両論の感想がたくさんあります。より深く曲に入り込むことができる、当時の苦労について知ったことでより浜崎あゆみのファンになったという声や、裏事情は知りたくなかった、今さら感があり、後出しのコンテンツだ、という声などなど。

どちらにせよ、読者の心を大きく動かしたことには違いないようです。あなたは実際に読んでどんな感想を抱くでしょうか。

今でもそれほどに読者の心を動かす浜崎あゆみ。彼女についても少しご紹介しましょう。

著者
小松 成美
出版日
2019-08-01

小説のモデルである、平成の歌姫・浜崎あゆみとは?

 

「あゆ」の愛称で親しまれている浜崎あゆみは、日本を代表する歌手です(この記事では現実にいる人物を浜崎あゆみ、あゆと呼び、作中のキャラクターをアユと呼びます)。その名前を知らなくても、歌を聴いたことがあるという人はいるのではないでしょうか。

彼女は、若くして女子高生のカリスマと呼ばれるようになり、あっという間にスターダムにのし上がりました。華やかな世界の成功者でもありますが、その一方で、波乱万丈な人生を送っていることでも知られています。

あまりの忙しさに難聴を発症し、後に片耳の聴力を失ってしまったり、転落事故で大怪我を負ってしまったり……ファンのみならず、多くの人が心配する出来事もありました。

また、本作のマサのモデルである松浦勝人との事務所の決別による「お家騒動」や、ゲリラライブによる騒動、そして数々の男性との恋愛遍歴など、さまざまな形で世の中を騒がせたこともあります。

昨今では、歌手活動よりもどちらかというとゴシップが目立つ彼女。そんな状況のなかで、あえて自身のゴシップを発表するような作品『M 愛すべき人がいて』が発売され、あゆのファンに再び衝撃を与えました。

とはいえ、これだけ世の中を騒がせるのも、あゆがそれだけ影響力のあるカリスマ的存在だからといえます。

これまでも『浜崎あゆみの秘密』など、第3者からの情報をまとめた書籍はありましたが、本人の情報をもとにして、特に私生活にきわどく攻めるような書籍は、『M 愛すべき人がいて』が初です。これ以降は、いよいよ作品の見所について解説していきます!

 

著者
あゆ報道班
出版日
2005-11-01

小説『M 愛すべき人がいて』の面白さを解説:往年の名曲が生まれた秘密がわかる⁉

本作の魅力のひとつとして挙げられるのは、浜崎あゆみの往年の名曲が、作中に多く登場することです。

『Boys & Girls』をはじめ、『eternal』『TO BE』『poker face』『For My Dear…』といった名曲が、どんな状況のなかで生まれてきたのかを、ストーリーを通して知ることができます。

何度も書きますが、本作はフィクションなので、書かれていることがどこまで本当なのかはわかりません。しかし、本作のなかのあゆの気持ちは、歌詞に密接につながっているので、「あの曲はこんな風に生まれたのか……」と、感じられずにはいられないでしょう。

読後は、これまでとはまた違った気持ちで、曲を聴くことができるかもしれません。

小説『M 愛すべき人がいて』の面白さを解説:あゆのいろいろなことを思い出せる!

本作は、浜崎あゆみと松浦勝人、2人へのインタビューをもとにした作品です。

とはいえ、浜崎あゆみがデビューし、そして大ブレイクしたときのことを知っているファンにとっては、当時のことをありありと思い出せる内容となっています。ポエムのような語り口調からは、彼女らしさを感じられるでしょう。

また、Mが実在したという衝撃の内容はもちろんですが、全盛期のころの彼女が、あまりの忙しさに失踪したことなど、ファンの間では有名な事柄も描かれています。

そのため、まるで現実にあったことを書いてあるような気もして、読んでいるうちに嘘か本当かわからなくなってしまう、なんてこともあるかもしれません。

デビュー前後のさまざまな挫折やMとの関係、そして大恋愛と大失恋の話など、あゆのファンにとっては、ついのめりこんで読んでしまうものもあるでしょう。

小説『M 愛すべき人がいて』の面白さを解説:物語の結末は?ビターなラスト【ネタバレ注意】

浜崎あゆみには、さまざまな芸能人や外国人との恋愛といった、多くの恋愛遍歴がありました。しかし、本作に登場するのは、基本的には松浦勝人がモデルのマサのみです。そのため、物語の始まりから終わりまで、1人の男性とのラブストーリーとなります。

デビュー前から自分のことを認めてくれた彼に、片思いをしていたアユ。

紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、交際・同棲と進んでいくわけですが、そうなるといきつく先は、その恋愛がうまくいくのか、それとも終わってしまうのか、ということです。どちらになるかは、ぜひ本編を手に取って確認してみてください。

本作のラストは、あゆのファンでも、そうでなくても感動できるものとなっていることは間違いありません。浜崎あゆみといえば、若くして成功をおさめ、華やかな世界で生きている「カリスマ的存在」として知られていますが、その裏にはさまざまな葛藤や喪失が……。

当時、まだ若い彼女にとっては、大きすぎるそれらを抱えながら、どのような覚悟を決めたのか、そんなところにきっと心が動かされるでしょう。

このあとは最後に、本作をまとめあげた作者・小松成美についてご紹介します。

著者
小松 成美
出版日
2019-08-01

作者・小松成美とは?

本作の著者・小松成美(こまつなるみ)は、1962年2月25日生まれの57歳、神奈川県出身です。

もとは広告会社に勤務していましたが、その後に自身の経験を活かして、作家となりました。ノンフィクションやインタビュー、またエッセイやコラムなどを中心に執筆しています。

代表作のなかには、イチローや中田英寿などのアスリートを取材したものが多く、また作家活動以外にも、テレビ番組でコメンテーターをするなど、幅広い活動をしています。

本作は、事実をもとにしたフィクションという位置づけではありますが、その大部分は、2人へのインタビューによるもの。ノンフィクションやインタビューを得意としている、作者だからこそ描けた作品なのです。

『M 愛すべきひとがいて』が面白かったら、ぜひ他の作品もご覧になってみてはいかがでしょうか。

著者
小松 成美
出版日
2008-07-29

『M 愛すべきひとがいて』には、あゆの曲や過去の出来事などが、フィクションを織り交ぜながら描かれています。曲や出来事を知らなくても、小説として面白く読むことはできますが、知っているとより感慨深く読むことができるでしょう。当時のあゆのファンも、今のあゆのファンも、もちろんそうでない人も、この機会にぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

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