両親の都合で、一人暮らしをすることになった主人公・菜緒。そんな彼女は、突然イケメン同級生と同棲生活を送ることに……⁉1997年から月刊誌「りぼん」で約5年間の連載、その後は続編『グッドモーニング・キス』が始まり、2019年12月現在も連載されています。今回は、ドラマ化もされたドタバタラブコメディー『グッドモーニング・コール』のあらすじと本作の魅力を、ネタバレしながら紹介します。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
中学3年生の吉川菜緒(よしかわなお)は、両親の都合により、卒業まで一人暮らしをすることになります。自由気ままな楽しい一人暮らし!と楽しみにしていた彼女でしたが、早速トラブル発生……。
じつは、悪徳不動産会社のせいで、菜緒が住むはずの部屋が「二重契約」されていたのです。しかも、その相手は、同じ中学の同級生・上原久志(うえはらひさし)。
契約した不動産会社とは連絡がつきません。急いで2人は大家さんの元へと向かいますが、そこで衝撃の事実を告げられてしまいます。
2人が不動産会社と契約した家賃は8万円でしたが、じつは15万円だったのです。
上原には何か事情があるようで、親に頼ることはできない様子。菜緒もこの事実を告げれば、強制的に親元へ連れ戻されてしまいます。どうすることもできない状況に、悩む2人。
菜緒は大家さんが言っていたことを思い出します。お互い親に頼ることもできないのなら、一緒に住んでしまえばいい!と言い出す始末。もちろん上原は猛反対。そんな彼に、菜緒は涙(嘘泣き)を流して訴えます。
菜緒の涙を見た上原は根負けし、こうして2人は同棲生活を始めることになり……。
連載当時、イケメン同級生との同棲という設定で人気を博した本作。喧嘩ばかりだけど、実はお互いが思い合っている姿に胸がキュンとします。
- 著者
- 高須賀 由枝
- 出版日
- 2008-01-18
漫画家・高須賀由枝(たかすかゆえ)の代表作である『グッドモーニング・コール』は、「りぼん」で1997〜2002年まで連載された人気少女漫画。単行本全11巻、文庫版全6巻が発売されています。
連載終了から4年後、大学生になった2人の続編『グッドモーニング・キス』が、「Cookie BOX」の2006年6月号と9月号に掲載。その後は「Cookie」本誌に移動して連載されています。2019年10月時点で、単行本が17巻まで発売中です。
ここから先は、本作の胸キュンエピソードや登場人物の一部を紹介します!ネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
懐かしの『グッドモーニング・コール』を読み返したい方や、先の展開が気になった方は、まずはスマホの漫画アプリで読むことをおすすめしています。下のボタンから簡単にインストールできるので、ぜひ利用してみてください。
本作の主人公・吉川菜緒。親の都合で、中学卒業までの半年間は、一人暮らしをすることに。明るい性格で天然な部分もあり、周囲を困惑させることもしばしば……。
もうひとりの主人公・上原久志は、学校一のイケメンと呼ばれるほど、キレイな顔立ちをしています。ただし、本人にモテている自覚はなく、恋愛に関してはかなり鈍感。顔だけでなく、学校の成績も優秀です。
6年間に渡り、近所に住んでいた幼なじみ・百合(ゆり)に片思いをしていましたが、兄・卓也と結婚してからは「家出」という形で、一人暮らしをすることに。堅実家で、バイトをして生活費を賄っています。
久志の片思いの相手・上原百合は、久志の兄・卓也と結婚し、義理の姉に。とても明るい性格で、のちに菜緒と姉妹のように仲よくなります。
その他にも、菜緒と久志の友人が登場し、作品を盛り上げます。
菜緒の親友・紺野(こんの)まりなは、菜緒のよき相談相手であり、2人が同棲していることを知っている数少ない人物。
光石(みついし)、通称みっちゃんは、菜緒とまりなの同級生で、仲のよい友人。まりなに好意を寄せています。
「告白大王」と呼ばれている残念男子・阿部順(あべじゅん)。中学時代に菜緒に告白するも断られ、その後は友人として菜緒たちと仲よくしています。乙女思考で、菜緒との関係に悩んでいる久志の相談に乗ることもありますが、久志には邪険にされています。
悪徳な不動産会社に騙されてしまい、同棲生活を始めることになってしまった菜緒と久志。お互いの第一印象が悪かったせいか、はじめから口ゲンカばかり。
しかも同棲生活を始めてすぐに、菜緒は久志に片想いの相手と間違われ、キスされるというハプニングが。彼は寝ぼけていたため、自分がキスしたことなどまったく覚えていません。菜緒だけが1人で悩むことに……。
同棲ならではハプニングにドキドキしてしまうシーンが本作の見所の1つです。そして菜緒はこの事件をきっかけに、久志のことを異性として少しずつ意識することになります。
家の中ではケンカばかりが目立つ2人ですが、時にはお互いを思いやることもあります。
夜遅くにコンビニへと行く菜緒を心配して、一緒について来てくれたり、バイトで疲れている久志のために菜緒がご飯を作ったり……。素直じゃない2人の同棲生活は、見ていて応援したくなります。
同級生の男女が同じ部屋で暮らすという、絶対に何かが起こりそうなシチュエーション!2人のドタバタ胸キュン生活はどうなっていくのか、最後まで見逃せません。
最初は同棲生活がバレないために、付き合っているフリをしていた菜緒と久志。義理の姉である百合の助けもあり、お互いに思いを寄せていることがわかった2人は、中学卒業直前にようやく恋人になりました。
高校に入ってからも大人気の久志は、新入生人気投票で1位を獲得。それが原因で2人はケンカしてしまいます。しかも菜緒の彼氏は阿部だと誤解され、さらに状況が悪化……。
しかし、久志が誤解を解いてくれたおかげで、晴れて2人は学校公認のカップルになります。
そんな2人ですが、生活は相変わらず。食べものでケンカしたり、菜緒が久志の誕生日を間違え久志がすねたり、お互い素直になれず言い争いになるばかり……。
そんな喧嘩ばっかりで大丈夫?とハラハラする展開もありますが、それでも久志が恋人として、少しずつ菜緒の気持ちを理解しようと努力し、菜緒ももっと恋人らしい関係になれるよう、素直に気持ちを伝えようと努力します。
ケンカするほど仲がよい2人……、ケンカをするのも愛情の裏返しなのかもしれません。ぶつかりながらも、お互いが思い合う姿に憧れてしまう作品です。
『グッドモーニング・コール』には、菜緒と久志だけでなく、周りを固める友人たちの恋愛模様も注目ポイントです。
まず1組目は、菜緒の親友である、まりなとみっちゃんカップル。もともと惚れやすい性格のまりなは、イケメンを求めて頻繁(ひんぱん)に合コンに参加していました。そんな彼女を見守り、密かに想いを寄せていたのがみっちゃんです。
親友である菜緒を応援している彼女ですが、自分の恋愛にはちょっと雑で、彼の気持ちにはまったく気づいていません。クリスマスに告白されて、ようやく好意を持たれていたことに気づくのです。
自分の気持ちと向き合い、晴れて恋人になった2人。しかし、別々の高校に進学したため、なかなか一緒に過ごす時間が作れません。とくにみっちゃんは、勉強と部活で忙しい様子……。
今までのように過ごせないことや、自分の知らないつながりを持っている彼に不安を感じてしまうまりなですが、しっかりと向き合うことで、2人は菜緒たち以上のラブラブカップルに!
友だちからスタートして、恋人になった2人。まりなを一途に想い、告白した男気のあるみっちゃんや、その告白を受けて、真剣に自分の恋に向き合うまりなの姿は、とても印象に残るエピソードです。
また、周りから「告白大王」と呼ばれている阿部順は、彼女がほしくてたまらない残念男子。そんな彼にも、恋の春がやってきます。バレンタインに、お嬢様学校に通っている・大石(おおいし)つかさから告白を受けるのです。
人生初の恋人!と浮かれて、毎日放課後にデートを重ねますが、2人にはある秘密があり……?いつも残念な男子として、学校でもモテないと有名な阿部ですが、彼女の願いを叶えるために行動する姿は、久志よりもかっこいいのです。
高校生の等身大の恋愛模様が楽しめる本作。登場人物それぞれに魅力があり、彼らの物語をずっと読んでいたくなるでしょう。
恋人として、少しずつ距離が縮まってきた菜緒と久志。最終回では、ついに2人の同棲生活に終止符が打たれます。
大家さんの孫夫婦が海外から帰ってくるため、今住んでいる部屋を空けてほしいと相談される2人。急いで引越し先を探しますが、なかなか見つかりません。
菜緒は当然、これからも久志と暮らすつもりでしたが、久志は何か決心したようで「1人で暮らしたい」と宣言。もちろん別れるつもりは一切なく、純粋に1人で自立するためでした。
- 著者
- 高須賀 由枝
- 出版日
- 2012-02-01
もしこのまま菜緒と暮らし続ければ、なあなあになってしまう……。彼はそう感じて、菜緒とは一度離れて暮らすと決断したのです。
最終的に、菜緒は久志の意志を尊重して、一旦は同棲生活をやめると決断。お互い別々の場所で新しく生活を始めることになったのですが、その引っ越し先は、意外な場所で……⁉
最初から最後まで、ドタバタだった2人の同棲生活。ラストは2人の同棲生活を応援していた読者にとって、かなり嬉しい展開になっています。そのラストは、ぜひ本作を手に取ってご覧ください。