クイズやパズル感覚で楽しめる絵探し絵本。ベストセラーになっている作品も多く、古くから子どもたちに愛されています。この記事では、人気作品の特徴と魅力をご紹介していきましょう。
とこちゃんは、好奇心旺盛な男の子。お出掛けをすると、いつもひとりで面白そうなところに行ってしまいます。
動物園で、お祭りで、デパートで……さて、とこちゃんはどこにいるのでしょう?
お外を存分に楽しんだあとは、お父さんとお母さんとしっかり手を繋ぎ、仲良くお家に帰ります。
- 著者
- 松岡 享子
- 出版日
- 1970-07-01
1970年に刊行された作品。文を松岡享子が、絵を加古里子が担当しているロングセラー絵探し絵本です。
賑やかに細かく書き込まれた味のあるイラストから、どこかに行ってしまったとこちゃんを探していく構成。目印は、赤い帽子と青いズボンです。街並みからは昭和の日常風景を感じることができ、大人の読者も楽しむことができるでしょう。
とこちゃんを探すのはもちろん、彼を探しているお父さんやお母さんを探してもるのも楽しいですよ。
金魚鉢から、逃げだしてしまった金魚。さてどこにいるのかな?
あっお部屋の赤いカーテンの模様のなかにいた!今度は植木鉢で赤いお花のふりをしている!
見つけると、どんどん逃げる金魚。次はどのお部屋に逃げたのかな?
きんぎょが にげた (幼児絵本シリーズ)
1982年08月31日
1982年に刊行された五味太郎の作品。累計発行部数が260万部を超えるミリオンセラーの絵探し絵本です。色彩豊かなイラストが白地に映え、赤い金魚はキャンディボックスにも化粧台にも、違和感なく隠れます。
ページをめくるたびに逃げる金魚。その一点に集中した展開なので、まだ文字が読めない小さな子ども大丈夫。「ここ」「ここ」と指差しをしながら金魚の行方を探してみてください。
最後のページでは、たくさんの金魚が泳いでいる池に辿りつきます。ずっと探してきた金魚を見つけることはできるでしょうか?
うずらちゃんとひよこちゃんが、かくれんぼを始めます。最初に隠れるのはうずらちゃん。お花の模様にうまく隠れましたが、蜂が寄ってきて逃げたところを見つかってしまいました。
今度はひよこちゃんの番です。ひょうたんの実になったように隠れていますが、風が吹いてきて……。
- 著者
- きもと ももこ
- 出版日
- 1994-02-25
1994年に刊行された、きもとももこのデビュー作。
うずらちゃんとひよこちゃんが、周囲の景色に馴染むようにかくれんぼをする様子が鮮やかに描かれた絵探し絵本です。小さな2羽の視点から見た世界の映り方も楽しむことができるでしょう。
途中でアクシデントが起きるなど、メリハリのあるストーリーも魅力的。最後はママが迎えにきてくれて、読んでいる子どもたちもほっとできます。
「もういいかい」「まあだだよ」など、聞きなれた言葉がくり返されるので、読み聞かせにもおすすめです。
マリゴールド大おばさんから、世界一周のチケットをもらいました。このツアーは、ワクワクするところをめぐるだけでなく、探し物やパズルもする楽しい旅行になるみたい。
最初に訪れたのはタイの水上マーケットです。所狭しと浮かぶ船では、たくさんの果物や民芸品を売っていて賑やか。さあ、お土産探しを手伝ったり、タイらしい乗り物や名産物を探したりしてみましょう。
- 著者
- カミニ カンドゥリ
- 出版日
- 2008-03-01
細密画が人気のカミニカンドゥリの作品。2008年に刊行され、歴史、街じゅう、海のなかなどシリーズ化されている絵探し絵本です。
作中で訪れるのは、すべて実在する場所。それぞれの国を代表するスポットがリアルに描かれているだけでなく、気温や時間などの情報も盛り込まれ、絵探しをしながらその土地の魅力や歴史などを自然に学ぶことができるでしょう。
とにかく細かい書き込みが魅力的。いくつもの設問が用意されていて、解きながらじっくりと絵を眺めていると気付きも多く、好奇心を刺激される内容になっています。
たとえば、積み木で作られた町並みの写真のなかには、動物や乗り物などのフィギュアが配置されています。
「うさぎはどこだ。くまがぜんぶで11とう。いるのはつみきのうえだってさ」(『ミッケ!―いつまでもあそべるかくれんぼ絵本 I SPY 1 』より引用)
たくさん用意された設問を解いていきましょう。
- 著者
- ["ジーン・マルゾーロ", "ウォルター・ウィック"]
- 出版日
800万部を超えるベストセラーシリーズの1作目。「I SPY1」ではおもちゃの世界を中心に絵探しをします。 糸井重里のリズムのよい翻訳で、1992年に刊行されました。
掲載されている写真はどれもカラフル。小さい頃に集めたガラクタも、雑然としたおもちゃ箱も、クールでスタイリッシュに見え、写真絵本としての魅力もあります。
おまけの設問がついていたり、友達同士で設問を考えたりとさまざまな遊び方も提案されていて、くり返し楽しめるのが魅力的。宝探しをしている気分にもなれる絵探し絵本です。
赤と白のストライプのシャツにとんがり帽子といえば、世界中で人気のウォーリー。これから世界旅行にでかけるところだそうで、一緒に行ってウォーリーと仲間たちを見つけてほしいと頼まれました。
浜辺で、ゲレンデで、駅で……ウォーリーが行くところは、いつも人で溢れています。なかには面白い遊びをしている人やアクシデントも起きていて、うっかり探すことを忘れてしまいそう。ウォーリーに似ている人もたくさんいるので、間違えないようにしなきゃ……。
- 著者
- マーティン ハンドフォード
- 出版日
- 2017-04-24
2017年に新装版として帰ってきた『Newウォーリーをさがせ』。シリーズは世界中で6500万部以上売れているそうで、絵探し絵本のなかでも圧倒的な人気作といってよいでしょう。
ウォーリーだけでなく、カメラ女子のウェンダや、いつもしっぽしか見えない犬のウーフ、長いひげが特徴のまほうつかいしろひげなど、特徴的なキャラクターたちも一緒に探せるのが特徴。新装版では探すキャラクターや「おまけのさがしもの」が増えたりと、何度も楽しめるように工夫がされています。
大人がチャレンジしても十分にやりがいのある内容。所狭しと書き込まれた人々が展開しているサイドストーリーも興味深く、飽きずに読める一冊です。