「大きくなったら何になりたい?」子どもたちがよく聞かれる質問でしょう。子どもの頃から働くことに興味を持ったり、将来の仕事について考えることは大切なこと。この記事では、さまざまな職業を描き、働くことや将来の夢を考えられるおすすめの絵本を紹介していきます。
動物病院で働くみすず先生のもとには、毎日うさぎや亀などさまざまな動物たちが訪れます。みすず先生は治療をしたり、飼い主にアドバイスをしたりと大忙しです。
ある日まいちゃんが、予防注射を打つために犬のロンを連れて来たところ、交通事故にあった猫が運ばれてきました。猫はそのまま手術をすることになり……。
- 著者
- ["山本 省三", "はせがわ かこ"]
- 出版日
- 2011-11-16
文を山本省三、絵をはせがわかこが担当している「よみきかせお仕事えほん」シリーズです。
獣医という仕事は、言葉でコミュニケーションをとることができないなか、ヒト以外のすべての動物を診る特殊で難しい仕事。本作では、朝の入院している動物たちのチェックから、診察、処置、夜の事務作業まで、1日を流れで追いながらその様子を知ることができます。
みすず先生の優しい対応が魅力的。動物を大切にしようという気持ちも育める作品です。
明日の一番電車を担当をする、中央線の車掌さん。前日の夜は、待機所に泊まります。
午前3時30分。起床装置のついたベットで目覚めました。身支度と仕事の準備をし、4時22分、三鷹駅のホームに一番電車がやって来て、仕事が始まります。
- 著者
- たけむらせんじ
- 出版日
- 2011-06-20
作者のたけむらせんじは、30年間鉄道関連の仕事に就き、車掌もしていたそう。本作にはそのキャリアが十分にいかされ、指差し確認や車掌室の機械など、かなり細かいところまでリアルに表現されているのが特徴です。
車掌さんから見た車内外の様子や、見開きをうまく使って描いた長い列車の様子がカメラを切り替えるように配置され、実際に現場にいるように感じられる視点も魅力的。
また随所に時計の文字盤が描かれていて、時間どおりに運行するために確実に業務を進める仕事の様子を知ることができるでしょう。
さまざまな職業の仕事場、道具、業務内容などを詳細に描いた職業図鑑です。
紹介されているのは、パティシエや美容師、歯医者、自動車整備士、グラフィックデザイナーなど10の仕事。仕事道具の解説コーナーや、業務の流れを漫画のように紹介するなど、専門知識が満載の一冊になっています。
- 著者
- 鈴木 のりたけ
- 出版日
鈴木のりたけの「しごとば」シリーズ。全5冊の1作目です。
まるで写真のようなイラストで紹介されるのは、どれも子どもたちに人気の職業ばかり。たとえばパティシエのパートでは、紙面いっぱいに洋菓子店内のショーケースが再現され、ケーキや焼き菓子が並び、後ろにある調理場にはクッキーの型やボウルなどさまざまな調理器具が見えます。
グラフィックデザイナーがパッケージデザインしたドリンクをパティシエが購入したり、おもちゃ職人の職場に置いてあったりと、相互関係がさりげなく描かれているのも特徴。大人の好奇心も刺激されそうです。
ある日の朝の住宅街、スーツ姿のお父さんがバスを待っています。混みあう電車に揺られているのは、たくさんの大人や学生たち。皆、都心に向かっているのです。
お父さんが勤める子ども服会社のビルには、たくさんの部署があります。中では社員たちが打ち合わせをしたり、商品を整理していたり……。
仕事を終えると人の流れは都心から住宅街へと向かい、お父さんも繁華街を通り抜けて家路につきます。
- 著者
- 秋山 とも子
- 出版日
- 2008-05-10
1984年に初版が刊行され、2008年に復刊した作品。懐かしさを覚えるような昭和のサラリーマンの1日を秋山ともこが描いています。
この絵本には文字がありません。たくさんの働く人が描かれていて、文章がなくてもいくつもの物語が見えてきます。街並みや駅などさまざまな場所にいるお父さんを探してみるのもよいでしょう。
小さな子どもにとって、親が家にいない時にどんなことをしているのかは、なかなか想像ができないもの。働くとはどういうことなのかを知る、よいきっかけになるはずです。
家庭と職場が交互に描かれ、「父親」のさまざまな呼び方を紹介した絵本です。
お家で家事を手伝うぼくの「お父さん」は、職場の工事現場では「現場監督」と呼ばれています。さて、リングの上に立つ「おとうちゃん」は何て呼ばれているのでしょうか?
- 著者
- みやにし たつや
- 出版日
- 1996-02-01
作者のみやにしたつやは、「ティラノサウルス」シリーズや『にゃーご』などで知られる人気作家です。
ぼく・わたしは〇〇ってよんでるけど おしごとしているときには「〇〇」ってよばれてる
というフレーズのくり返し。「お父さん」「パパ」「とうちゃん」など、家でもさまざまな呼び方がある父親ですが、仕事場ではもっといろんな呼び方があることを学べる絵本です。環境や視点によって呼称が変わることを知ることができるでしょう。
家と職場で異なるお父さんの服装や表情にも注目。自分の両親はどんなふうに呼ばれているのか、親子で話しながら読むのもよいでしょう。
カラスの町・いずみがもりのパン屋さんに、4羽の赤ちゃんが誕生しました。両親は赤ちゃんのお世話とパン屋の仕事で大忙しです。しかしそのうちお店が散らかってきて、お客さんが来なくなってしまいました。
子どもたちは、お店で売れなかったパンをおやつにして、すくすくと育ちます。するとこのパンが、周りの子どもたちのあいだで評判になり、パン屋には再びたくさんのお客さんがくるように。
カラスの一家はみんなの要望に応えるように、たくさんのパンを作ります。
- 著者
- 加古 里子
- 出版日
かこさとしの代表作のひとつ。1973年の刊行されてから、いくつもの世代を読み継がれてきたロングセラー絵本です。
最大の魅力は、なんといってもカラスの一家が作った85種類ものパンが、見開きいっぱいに描かれたシーン。こんがりと焼けたもの、フカフカとやわらかそうなもの……お気に入りを見つけてみるのもよいでしょう。
パン屋の仕事はもちろんですが、小さい赤ちゃんのお世話の大変さも知ることができる一冊です。