数字や数、物を数える単位などを小さな子どもに教えるのは、意外と難しいもの。そんな時は、絵本を使ってみませんか?楽しみながら自然と学べるおすすめの知育絵本をご紹介します。
いろいろな顔が描かれているつみき。「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」と、うつむき顔の人、驚いているお髭のおじさん、のぞきこむような太っちょさんが積まれていきます。
「ななつ」「やっつ」と、あれあれ?だんだんバランスが悪くなってきました。下の方のつみきから表情が消えています。
「とお」「やったー!」積み上がった時は、みんな笑顔。ところが、ちょうどてんとう虫がやってきて……!?
- 著者
- 中川 ひろたか
- 出版日
- 2007-05-01
2007年に刊行された、1から10までの数を数える絵本。作者の中川ひろたかは日本初の男性保育士として知られていて、数多くの人気絵本を発表しています。
つみきを積むという単純なストーリーですが、さまざまな表情とつみきの不安定感が相まって、ワクワクドキドキ。
壊れてしまって振り出しに戻る、という結末に、何度も読み返したくなってしまうでしょう。シンプルなイラストだからこそ、小さな子どもでもわかりやすく楽しめる絵本になっています。
表紙に描かれているのは、猫のマイキー。まるで一緒に遊ぼうと誘っているみたいです。
表紙をめくってみると、左ページには数字が、右ページには数字と同じ数の動物が描かれています。たとえば「2」のページでは、黄色の背景に大きな白い数字の2、そしてハートの柄をしたキリンが2頭。1頭はこちらをじっと見つめていて、もう1頭は目をつむっておすまし顔です。
さて、次のページにはどんな動物が待っているのでしょうか?
- 著者
- ["リサ・ラーソン", "ヨハンナ・ラーソン"]
- 出版日
- 2010-04-25
スウェーデンを代表する陶芸家のリサ・ラーソン。本作は、2010年にデザイナーの娘ヨハンナとコラボ制作した絵本です。
リサ・ラーソンが生み出すキャラクターは、どれも温もりを感じるものばかり。動物たちはみな異なる表情をしていますが、きりっとした目の動物もフォルムには丸みがあり、かわいらしいです。
シンプルな構成で、数字のもつ意味と数の概念を視覚でとらえられるのが魅力的。大人が見てもおしゃれなイラストなので、ページを開いて部屋に飾ってもいいですし、プレゼントにもおすすめです。
ぐりとぐらと一緒に、いろいろな動物に会いに行きましょう。
うさぎさんの家では、4人の家族が食卓を囲んでいます。おやつの時間のようです。お母さんがシナモンドーナツを切ってくれました。2人の姉妹はじっと見つめ、取り分けてもらうのを待っています。
「4にんかぞく シナモンドーナツ よっつに きって 4とうぶん」(『ぐりとぐらの1・2・3』より引用)
いのししさん、ぞうさん、かめさんたちは、どんな数を紹介してくれるのでしょうか?
- 著者
- ["なかがわ りえこ", "やまわき ゆりこ"]
- 出版日
中川李枝子とが山脇百合子が手掛けるおなじみの「ぐりとぐら」シリーズ。本作では一緒に数を学びます。2004年に刊行されました。
日本語では、数字の読み方がいくつもあります。たとえば「2」は、「に」と読んだり「ふた」と読んだり。本書は、語呂合わせのように複数の読み方を織り交ぜて文章が構成されていて、言葉のリズムにのって数字を覚えられるよう工夫されているのです。
なじみのあるキャラクターと一緒なら、子どもたちも進んで覚えてくれるはず。小さな手に収まるコンパクトなサイズなので、持ち運びにもおすすめです。
5匹のわんぱくコアラくんと、2匹のカメさんが冒険旅行中。でも定員オーバーで、出発してすぐにヨットが転覆してしまいました。
救出に来たのは10機のヘリコプターです。
さらに病院には、たくさんのお友達がお見舞いにやってきます。うさぎさんは18羽、あおむしくんは30匹。みんなに元気をもらって、回復したコアラくんたちは……。
- 著者
- たいへい, たむら
- 出版日
知育絵本の老舗、戸田デザイン研究所から1986年に刊行された絵本です。たむらたいへいの絵は、動物たちの特徴をよく捉えていて表情豊か。色彩も綺麗で親しみを感じるでしょう。
物語が進むにつれて、20、30と数字が大きくなっていきます。そして最後は100まで。1~10を理解した子どもの、次のステップとしておすすめです。100という数がどれだけ多いものなのかも体感できます。
また5進法を意識して動物たちが描かれていたり、ベッドの数と動物の数をあえて異なるようにしたりと、さまざまな工夫が施されているのも嬉しいところ。数字や数の概念をある程度学んだ子どもでも楽しめる一冊です。
「ぼくは 100かいだてのいえの てっぺんにすんでいます。 あそびにきてください」(『100かいだてのいえ』より引用)
こんな手紙をもらったトチくん。100かいだての家って、一体どんなものなのでしょうか。そしてそこには誰がいるのでしょうか。トチくんはさっそく遊びにいくことにします。
「ごめんくださーい!」と入ってみると、子ネズミたちが食事をしていました。お母さんネズミは洗濯に忙しそう。10階まで上がると今度はリスさんのお家のようです。
挨拶をしたり、ちょっと休憩させてもらったり。今度はどんな動物に出会えるのかな?
- 著者
- 岩井 俊雄
- 出版日
メディアアーティストの岩井俊雄が2008年に発表した初めての絵本。大ヒットとなり、『ちか100かいだてのいえ』『うみの100かいだてのいえ』などシリーズ化されています。
最大の特徴は、縦にページを開くユニークな形。ページをめくるたびに上の階へ上がっていく感覚が伝わってくるでしょう。見開きに10階分が描かれていて、10個ある部屋にはいろんな動物たちが生活をしています。お風呂に入ったりご飯を作ったり……数を覚えるのはもちろんですが、細かい書き込みを見ているだけでもさまざまな発見があるはずです。
1番上の階に着いた時の達成感も格別。そこにいたのはどんな動物でしょうか。ぜひ実際に確かめてみてください。
ひろくんは、家でいろんな物の数を数えています。
リビングにはテレビが1台、キッチンにはフライパンが2個、玄関には靴が20足……。お庭に出たり、クローゼットや子ども部屋に行ったりと、隅々まで数えつくしていきます。
家族の写真は1枚、2枚……うわぁ100枚も!
- 著者
- 島田ゆか
- 出版日
「バムケロ」シリーズでおなじみの島田ゆかが手掛けた知育絵本。1996年に刊行されました。
たとえば「せんめんじょには はブラシが4ほん。かぞえてみよう」など、絵探しをするように指定されたアイテムを数えていきます。最大の魅力は、台、枚、足などの単位も一緒に学ぶことができること。家の中の物を数えていくので、身近な物の数え方を覚えることができます。
100まで数えるのは大変ですが、数が大きくなっていくにつれて集中力を鍛えるトレーニングにもなるでしょう。「バムケロ」シリーズのキャラクターも登場するので、島田ゆかファンの方にもおすすめです。