絵本/児童書

いじめを考える本おすすめ6選!小学生や中学生のための児童文学や絵本など

更新:2020.11.26 作成:2020.5.14

いじめられる子、いじめをする子、いじめを見ている子……さまざまな立場やシチュエーションでいじめを描いたおすすめの作品を紹介していきます。小学生や中学生から読める絵本、児童書、漫画を集めたので、考えるきっかけにしてみてください。

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いじめについて考えさせられるおすすめ本『わたしのいもうと』

妹が小学校4年生の時のこと。転校先の新しい学校で、言葉の違いや跳び箱ができないことをきっかけに、いじめが始まりました。

クラスの誰からも話してもらえなくなった妹は、学校に行けなくなり、家族にも心を閉ざします。

部屋にこもり、ただ鶴を折る生活をする妹。中学生になっても高校生になっても、それが変わることはありませんでした。そしてある日、1通の手紙を残し……。

著者
松谷 みよ子
出版日
1987-12-01

児童文学界の第一人者、松谷みよ子が、読者からの手紙をもとに執筆した作品。感情表現を避け、姉の目から見た妹の様子を淡々と紡ぐことで、読者に考える余地を残しています。

「わたしをいじめたひとたちは もうわたしを わすれてしまったでしょうね」(『わたしのいもうと』より引用)

妹を傷つけた人たちは、中学生になり、高校生になっていきます。でも妹の時間は止まったまま。松谷は、妹が遺した手紙を絵に描き、便箋にうっすらと光を当てました。妹の心の叫びを通じて、いじめ問題に警鐘を鳴らす作品です。

小学生にもおすすめ、勇気をもらえるおすすめ本『どうしてぼくをいじめるの?』

小学生のマーヴィンは、ある日クラスメイトから、鼻をほじっていたとからかわれてしまいます。

根が真面目なマーヴィンは、そんなことはないと否定をしますが、否定すればするほど噂は広まり、ついには先生からも誤解されてしまって大ピンチに。

そしてベッドの中で悩んでいた時、ふと鼻をほじっている自分に気付き愕然とするのです。

著者
["ルイス サッカー", "ながまさ, むかい", "Sachar,Louis", "るい, はら"]
出版日

アメリカの児童文学作家ルイス・サッカーの作品。小学3年生のマーヴィンを主人公に、子どもの世界で起きるさまざまなトラブルを取りあげています。

瞬間的に広まってしまういじめ。急に追い詰められたマーヴィンは、本来なら解けるはずの問題ができなくなるなど、学校生活が一変しました。教室でひとり、泣いてしまうのです。

そんな彼にヒントを与えたのは、4歳の妹の一言。いじめが起こる構造を理解し、最終的にはうまく解決できる結末から、勇気をもらえる一冊です。

責任と集団意識を考えるおすすめ本『わたしのせいじゃない―せきにんについて』

ある日の休み時間、教室でひとりの男の子が泣いています。

クラスメイトは、自分が最初ではない、ひとりでは止められなかった、他の子は普通なのに彼は変わっているなどさまざまなことを口にしますが、決まって「わたしのせいじゃない」と言うのです。

著者
レイフ クリスチャンソン
出版日
1996-01-10

社会科教師の経歴をもつスウェーデンの作家レイフ・クリスチャンソンの代表作。全15巻の「あなたへ」シリーズの6作目です。

クラスメイトの言い分は、自分には責任がないというものばかり。ひとりひとりの声は集団になり、どんどん大きくなっていきます。

やがて物語は、戦争や飢餓、環境破壊などに発展。個々人の行動や発言が世の中に大きな影響を与えていること、何もしないで放っておくことも間接的に関わっていることがわかり、大人もドキリとするでしょう。責任と集団意識について考えさせられる一冊です。

いじめの加害者を描いたおすすめ本『ひとりひとりのやさしさ』

クローイのクラスに、転校生としてやって来たマヤ。みすぼらしい服装をして、冬でも夏の靴を履いている女の子です。

隣に座って笑顔を向けるマヤを、クローイは無視してしまいました。それどころか、彼女の服装やお弁当を、友達と一緒にあざ笑います。何度も遊びに誘うマヤを無視していたら、とうとう彼女は学校に来なくなってしまいました。

すると先生が、小さな桶に石を落とし、その周りにできたさざ波を見せながら生徒たちに語りかけます。

「ひとりひとりのちいさなやさしさが、さざなみのように せかいにひろがっていくのです」(『ひとりひとりのやさしさ』より引用)
著者
["ジャクリーン ウッドソン", "ルイス,E.B.", "Woodson,Jacqueline", "Lewis,E.B.", "ゆみこ, さくま"]
出版日

アメリカの児童文学作家ジャクリーン・ウッドソンの作品。いじめられる側ではなく、いじめてしまった側の心情を描いています。

先生の話を聞いたクローイは、マヤに声を掛ける決心をしました。ところがすでにマヤは引っ越してしまったあと。思いをつげることができなかったクローイは、ひとりで池を眺めます。

物語のなかで、2人の関係が修復する様子は描かれません。後悔と罪悪感を抱えたクローイの表情が印象深く、今後のクローイの成長に期待をしながらも、深い余韻を残す終わり方です。

逃げてもいいと教えてくれる作品『いきのびる魔法-いじめられている君へ-』

うそは、あなたを守る大事な魔法。仮病を使ってもよいから、学校から逃げなさい。自由はただでは手に入りません。16歳になれば働くことができ、あなたは自由の選択肢を手に入れることができるのです。

作者はこうも語ります。

日本は形を変えた戦場です。なぜなら世界のどんな紛争地でも、日本の年間自殺者数の3万人を超えるような死者は出ていないのですから。

著者
西原 理恵子
出版日

新聞に寄稿され大反響を呼んだ文章に、漫画家の西原理恵子がイラストをつけた作品。戦場カメラマンだった夫のエピソードを盛り込みながら、生きることへの熱い想いを伝えています。

逃げてもいいから生きること、生きるために嘘をついてもいいこと、その先に生きててよかったと思える日が来ること……大胆な発言はダイレクトに心に響き、いま切羽詰まった状況にいる人にも届くのではないでしょうか。

シンプルなイラストは色がキレイで、漫画仕立てにしたことで、活字が苦手な子どもでも読み進められる一冊です。

いじめに関する投稿をもとにした漫画作品『いじめ 心の中がのぞけたら』

ある日突然友達が離れていき、孤立してしまった私。友達と一緒になっていじめをし、歪んだ優越感を得た私。罪悪感を抱えながらも、いじめられている子に手を差し伸べることができない私……。

さまざまな立場から見たいじめを描く、短編集です。

著者
本山 理咲
出版日

朝日中学生新聞に寄せられた投稿をもとにした漫画化した、本山理咲の作品。中高生のリアルな心情が描かれていて、道徳の教科書にも掲載されました。

いじめられる子、いじめをしている子、いじめに加担する子、傍観する子……思春期の少年少女たちの本音と、繊細な心模様が描かれています。ひとつひとつの話は4ページほどで読みやすく、短いですが登場人物たちの心情が手にとるようにわかるでしょう。

たくさんの事例を知ることで、いろんな立場の人がいることがわかり、相手の気持ちを想像してみようと思えるはず。どうやったらいじめをなくすことができるのか、止めることができるのか、考えるきっかけになる一冊です。