『魔女の宅急便』には続きがある!キキとトンボは原作のラストでどうなる?

更新:2020.5.29

宮崎駿監督によってアニメ映画化され、一躍有名になった『魔女の宅急便』。角野栄子の原作には、映画にはない物語の続きがたっぷり描かれているのを知っていますか?今回は、『魔女の宅急便』のあらすじや映画の舞台になった実在する場所、そして原作でだけ読めるキキとトンボのその後の物語を紹介していきます。

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映画「魔女の宅急便」のあらすじを紹介!

 

ある満月の夜、魔法使いの少女キキは、両親のもとを離れひとり旅立つことになりました。13歳になったら、魔女がおらず人間だけが住む街へ移り住み、修行を積む習わしがあるからです。

キキは、母からもらった魔法のホウキと、黒猫のジジを相棒に、港町コリコに降り立ちました。縁あってパン屋の2階に居候することになり、空を飛ぶ能力を活かして、荷物を届ける「魔女の宅急便」を開業することになるのです。

コリコは海の見えるとても美しい街で、キキはここでたくさんの人と出会います。パン屋のおかみのおソノさん、空飛ぶホウキに興味津々の少年トンボ、親切な少女ウルスラ、孫のためにパイを焼く老婦人……彼ら彼女らと交流し、時に失敗し傷つきながらも、たくましく成長していきました。

ところが、ある日突然、キキの魔法の力が弱まってしまうのです。さらにはホウキも折れてしまう始末。でも、そんな彼女を励まし勇気づけてくれたのも、やっぱりコリコの街の人たち。さらに、アクシデントに巻き込まれたトンボと、彼を助けたい思うキキの愛情と勇気が、魔法の力を取り戻させてくれるのです。

著者
角野 栄子
出版日
2002-06-20

映画「魔女の宅急便」には舞台がある!街やパン屋を紹介!

 

海の見える街コリコには、モデルになった実在の都市がいくつか存在します。

キキが空から俯瞰する街の風景は、「アドリア海の真珠」と呼ばれるクロアチアのドブロブニクがモデル。真っ青な海と空、建物の屋根はオレンジ、壁は白に統一された美しい港街です。

キキが初めてコリコに降り立った場所は、スウェーデンの首都ストックホルムの繁華街クングスガータン通りにあります。大きな石造りの橋が印象的でした。ストックホルムには、キキのお気に入りだった時計塔や大聖堂なども点在しています。

キキが下宿するパン屋「グーチョキパン屋」や、キキの実家の建物は、スウェーデンのゴットランド島ヴィスビーに実在します。海が見える街の風景もヴィスビーがモデルです。

パン屋の店内は、オーストラリアのタスマニアにある「ロスビレッジ・ベーカリー」を参考にしているそう。カウンターのガラスケースや、棚にいろいろな種類のパンが並んでいる様子がそっくりです。

いずれの都市も、今にもキキやトンボが飛び出してきそうな美しい街。聖地巡礼をしてみるのもいいでしょう。

著者
角野 栄子
出版日
2003-06-20

原作『魔女の宅急便』の登場人物キキを紹介!

 

映画「魔女の宅急便」のキキは、チャレンジ精神旺盛なスーパーガール。それに比べて原作のキキは、空を飛ぶことはできますが、それ以外はごく普通の少女です。いつも迷ったり悩んだり、誰かの助けを借りたりしながら、少しずつ成長していきます。原作の醍醐味は、キキの人との関わりと、その時に生じる感情が細やかに描かれている点でしょう。

キキは幼い頃からずっと、魔女として生きるか、それとも人間として生きるか考え続けてきました。キキの母親は魔女ですが、父親は魔女ではなく人間だったからです。

文明が発達して街が栄える一方で、魔女は衰退していくばかり。母親は2種類の魔法を使えましたが、キキは空を飛ぶ魔法しか使えません。もしかしたら、人間として生きたほうがずっと楽なのかもしれないのです。

しかしキキは、魔女の道を選びます。真面目で心優しい彼女は、魔女界の将来を考えて、放っておけないと思ったのです。

しかし、ひとりきりの修行は簡単なものではありません。初めて魔女を見たコリコの住人にも冷たくされ、初恋も進展せず、仕事で大失敗するなど、さまざまな試練がキキを待ち受けています。

何度も折れそうになる心を鼓舞して、成長していくキキ。頑張り屋さんで伸びやかな姿を追うだけで、ワクワクと楽しい気分にさせてくれる女の子です。

著者
["角野 栄子", "佐竹 美保"]
出版日

原作『魔女の宅急便』の登場人物トンボを紹介!

 

キキの初恋の相手は、同世代のメガネの少年トンボです。しかし、2人の出会いは最悪なものでした。飛行クラブに所属するトンボは、魔法のホウキがどうしても欲しくて、海に遊びに来たキキから盗んでしまうのです。

さらにホウキに乗ろうとして失敗し、折って壊してしまいます。母親からもらった大切なホウキを壊されて怒るキキに、トンボはこう言いました。

「飛べるっていうのも、なかなかたいへんなんだね」(『魔女の宅急便』より引用)

盗まずにいられなかったほど魔法のホウキに夢中になり、拍子抜けするほど素直な心をもつトンボ。キキは、魔女として生きる自分のこともすんなりと理解してくれた彼のことを、憎からず思い始めるのです。

トンボもまた、飛行クラブの研究成果を披露したり、パーティーに誘ったりとキキに好意を示しますが、オタクな研究者タイプで、恋には奥手……。

想いを募らせていくキキと、研究に没頭するトンボ。なかなか進展しない2人の関係にヤキモキさせられるところも、原作の醍醐味のひとつでしょう。

著者
["角野 栄子", "佐竹 美保"]
出版日

原作『魔女の宅急便』には続きがある!キキとトンボはラストはどうなる?

 

角野栄子原作の『魔女の宅急便』は、文庫版で全6巻の児童文学。原作では13歳のキキが成長してトンボと結婚し、双子のニニとトトを生み育てる35歳までが描かれています。

キキが宅急便の仕事に精を出すなか、トンボの興味は魔法のホウキからハングライダーへ、さらに昆虫好きが高じて生物学へと転向し、遠くの学校へ通うため引っ越してしまいました。

離ればなれになった2人は手紙でやりとりをしますが、トンボからの手紙は自分の研究の話がほとんど。すれ違ってばかりの状況にモヤモヤするキキは、ドレスデザイナーのサヤオと出会います。

街の女の子たちの憧れの的であるサヤオは、トンボに比べて何もかもスマート。それでも、やはりキキの心はトンボにありました。20歳になってようやく2人の愛を確認できたキキとトンボは、さらに2年の歳月を経てようやく結婚するのです。

文庫版の第6巻は、もうじき13歳になる双子のニニとトトの物語。魔女と人間、2つの道で揺れる子どもたちが描かれています。

著者
["角野 栄子", "佐竹 美保"]
出版日
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