小学生におすすめの伝記6選!ヘレンケラーやディズニーなど歴史上の偉人伝

更新:2021.11.22

偉人たちの人生には、好奇心や集中力、チャレンジ精神など、共通する性質を発見できます。子ども時代に前向きな姿勢を知ることは、その後の人生に大きな影響を与えてくれるでしょう。この記事では、小学生におすすめの伝記を紹介していきます。

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生き方に胸を打たれる小学生におすすめの伝記『奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝』

 

熱病にかかったことが原因で、わずか1歳で目が見えなくなり、耳も聞こえなくなってしまったヘレン・ケラー。声を出すことはできましたが、「ことば」の存在を知らないため会話をすることはできません。

そんな三重苦の彼女を救ってくれたのは、熱心で献身的な教育をほどこしてくれた、家庭教師のサリバン先生です。

 

著者
ヘレン ケラー
出版日
2004-07-28

 

ヘレン・ケラーが大学在学中の22歳の時に執筆し、1902年にアメリカの新聞に連載された「わたしの生涯」をもとに刊行された自伝です。

ことばを知る前のヘレン・ケラーは、善悪の判断がつかない灰色の世界に住んでいました。しかし7歳でサリバン先生と出会い、ことばを知ってからは、封じ込められていた知性と感性が一気に開放されます。持ち前の前向きな性格と驚くほどの努力を重ね、ハーバード大学の女子部である名門ラドクリフ・カレッジに合格するのです。

ヘレン・ケラーは、灰色の世界にいた幼少時代やことばの存在を知った瞬間、何を考え、何を感じていたのでしょうか。彼女の人生を描いた本は数多くありますが、その心の動きは自伝でしか知ることができません。

奇跡を起こしたサリバン先生の愛情の深さと、ハンディを吹き飛ばすほど明るく人生を謳歌する生き方に胸を打たれます。

 

小学生のうちに読んでおきたいおすすめ伝記『キング牧師』

 

1929年に牧師の息子として生まれたマーティン・ルーサー・キング・ジュニア。当時のアメリカは、黒人が信じられないような人種差別を受けていました。

15歳の時、キングは弁論大会で「黒人と憲法」をテーマにスピーチをし、見事優勝します。しかし帰りに乗ったバスの中で、運転手から「白人のために席を空けろ」「黒んぼ野郎」とののしられ、激しい怒りを覚えるのです。

 

著者
["辻内 鏡人", "中條 献"]
出版日
1993-06-21

 

歴史学博士の中條献と、アメリカ史学者の辻内鏡人が手掛けたマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの伝記です。1993年に刊行されました。児童書ではありますが、大人が読んでも読みごたえのある内容になっています。

牧師となったキングは、白人の差別心が生みだす凶暴な行為に「非暴力」で立ち向かい、訴え続けます。しかし39歳で凶弾に倒れ、亡くなってしまうのです。

彼の生涯だけでなく、魂の震えるようなスピーチもふんだんに盛り込まれています。今、アメリカの黒人たちが当たり前のように芸能やスポーツなどで活躍する姿も、キング牧師がいなかったら見られなかったかもしれません。差別というデリケートな問題ですが、小学生のうちに読んでおきたい一冊です。

 

小学生におすすめ!ミッキーマウスの生みの親の物語『ウォルト・ディズニー伝記』

 

東京ディズニーランドにある、ミッキーマウスと手をつなぐ男性の像を見たことがある人も多いのではないでしょうか。彼こそが、ミッキーマウスとディズニーランドの生みの親であるウォルト・ディズニーです。

ウォルトの子ども時代は、とても貧しいものでした。けれど彼の心の中は好奇心と夢でいっぱい。何が起きても決してくじけることはなかったのです。

 

著者
["ビル・スコロン", "岡田 好惠"]
出版日

 

児童書作家ビル・スコロンが手掛けた伝記です。2017年に刊行されました。作者はディズニー社で20年以上制作に携わり、その経験をもとに「夢はかなう」と信じ続けたウォルトの人生を子ども向けに執筆したそうです。

ウォルトは、どれほど周囲に反対されても、何度失敗したとしても、好きな漫画やアニメに打ち込み続けます。その結果、趣味がビジネスとなり、アカデミー賞を22回も受賞するまでの大成功を収めるのです。

夢を叶える秘訣は、「勇気」「継続」「好奇心」「自信」の4つ。会社経営の苦労や、ミッキーマウス誕生エピソードなども必読です。漢字にはすべてルビがふってあるので、小学生2、3年生から読むことができるでしょう。

 

好奇心の素晴らしさを描いたおすすめ伝記『月のえくぼを見た男』

 

時は江戸時代。天文に興味をもち、幼いころから日月食や天体の観測をしていた少年がいました。名前は麻田剛立(あさだごうりゅう)といいます。

反射望遠鏡で見る月の表面は、クレーターと呼ばれるでこぼこがあり、まるでえくぼのよう。少年がスケッチしたクレーター図は、日本最古の月面観測図となりました。

 

著者
["鹿毛 敏夫", "関屋 敏隆"]
出版日

 

2008年に刊行された、麻田剛立の伝記です。「青少年読書感想文全国コンクール」の選定課題図書にも選ばれました。

5歳にして太陽の位置や影の長さの変化に注目し、観察を続けていた剛立を、母親は心配していたそう。しかし熱中できることがあることの素晴らしさも理解していて、オランダ製の高価な望遠鏡を我が子に与えるのです。

金や欲には目もくれず、己の好奇心とひたむきな追求に生きた剛立。天文学者となった彼は門下生の教育にも熱心で、孫弟子の伊能忠敬の活躍ぶりを見てもその実績は明らかでしょう。剛立の生きざまと、彼を支えた周囲の人々との繋がりは爽やか。自らの好奇心に従い、真実を追い求める姿に勇気をもらえる一冊です。

 

ミステリーの女王はどのようにして生まれたのかがわかる『アガサクリスティー自伝』

 

「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・クリスティーが、59歳から15年以上かけてまとめた自伝です。

イギリスの中流家庭に生まれたアガサは、メイドやばあやがいる恵まれた環境で育ちます。内気で空想好き、記憶力に優れていて、物心がつきはじめたわずか3、4歳頃の記憶もはっきりしているそう。豊富なエピソードの数々に驚かされます。

 

著者
アガサ クリスティー
出版日

 

アガサ・クリスティーが亡くなった翌年の1977年にイギリスとアメリカで、日本では1979年に刊行された作品です。

実は文章を書くことが苦手だったアガサ・クリスティー。音楽家を志しながらイギリスの階級社会のしきたりを自然と学び、結婚します。そんな彼女が、どのようにしてミステリーを書き、あの名探偵を誕生させたのか……ファンでなくてもワクワクするエピソードが満載です。

アガサが実際に経験したことの多くが彼女の著作に反映されていることもわかり、ネタバレ的な面白さもあります。小学生はもちろん、ミステリー好きの方にもおすすめの一冊です。

 

たくさんの偉人と触れ合える小学生におすすめの伝記『決定版 心をそだてるはじめての伝記101人』

 

子どもの頃から「勉強の大切さとおもしろさ」を知っていた二宮尊徳やマリー・キュリー。身体のハンディからくる「いじめ問題」に学業を積むことで対抗した野口英世。どんなことでも自分で試す「チャレンジ精神」が旺盛な福沢諭吉やファーブル。医者の顔をもつ漫画家の手塚治虫……。

子どもが初めて触れる伝記としてふわしい偉人たちとエピソードを厳選し、夢や希望、知的好奇心をもってハツラツと生きる101人を紹介しています。

 

著者
講談社
出版日

 

「子どもが共感できる」をテーマにした、4歳から9歳向けの伝記です。2001年に刊行されました。一流の作家陣による文章と美しい挿絵で構成されており、偉人たちの人生の一部がコンパクトにまとめられています。

挿絵付きで物語があるのは、101人のうち50人。意外なエピソードが紹介されていて、「どんなことをした偉い人なのか」が書かれていないこともあります。しかし、だからこそ子どもの「もっと知りたい」を引き出すのでしょう。

子どもの「知りたい」と「夢」を育む、充実した伝記です。それぞれの物語の後には大人用の解説も付いているので、親子で楽しむのもよいでしょう。

 

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