登場人物たちの日常をリアルに切り取り、心情や言動を巧みに表現する作家・角田光代。その作品は、直木賞をはじめたくさんの文学賞に輝いています。小説だけでなく、鋭い視点から自由に語る、数々のエッセイも魅力。ここでは、そんな角田光代のエッセイに注目し、おすすめの作品をランキングにてご紹介していきます。
『昼飯 977円』・『ヘフティのチョコレート 3000円』・『電子辞書 24000円』などなど、購入した物とその値段が、そのままタイトルになっているのが面白いところ。意外なことにお酒が大好きだという角田光代は、20代の頃、服や化粧品にはほとんどお金をかけず、専ら飲み代にお金を使っていたのだそうです。ですが角田は、「それは無駄使いではなく、使ったお金にはちゃんと意味があった」と言います。
- 著者
- 角田 光代
- 出版日
- 2009-03-02
作家としてデビューして間もない角田。お金はなくても、時間とパワーだけはある24歳は、恋に遊びに大忙しです。若気の至りとも言うべき破天荒な毎日が、若々しい文章で綴られていますが、この頃から読者を引き込む絶妙な文体に変わりはありません。この年代にしかない強さやたくましさ、危うさなどが、包み隠さず語られ、ふと自分の過去を思い起こす方もいるのではないでしょうか。
- 著者
- 角田 光代
- 出版日
角田光代は元々かなりの偏食だったらしく、食べられない食材がたくさんあったようですが、これがチャレンジしてみると意外と食べられる!ということに気づきます。新しい食材を開拓し、自身を“面倒くさがり”と言いながらも、果敢に料理に挑戦する姿はとてもたくましく感じます。登場する料理は、とても美味しそうに書かれているので、ついお腹が空いてしまうでしょう。好きな食べ物がどんどん増えていくのは、とても素敵なことですね。
- 著者
- 角田 光代
- 出版日
- 2014-07-28
大人になり、世界は広いということに気づいてから、世界中を旅するようになったという角田光代。20代の頃は無茶な旅もしたらしく、何かを見なければ、良い旅にしなければと必死で余裕がなかったと語ります。30代に入りお金と時間に余裕が出来てからは、旅の楽しみ方の幅が広がったようですが、20代には20代の、30代には30代の旅の楽しみ方があるのだと言います。
- 著者
- 角田 光代
- 出版日
- 2016-08-05
漫画家の西原理恵子から譲り受けた、というトト。猫を飼うことはまったく頭になかったそうで、買い始めた当初の角田は、初めてのことにあたふたとしていました。猫にもいろいろと性格があるようで、トトはとてもおとなしく、ちょっと鈍臭いところがとても魅力的です。淡々と飼い猫について綴っているだけなのですが、至る所に愛を感じ、トトの魅力が手に取るように伝わってくるので、猫好きにはたまらないでしょう。
- 著者
- 角田 光代
- 出版日
- 2015-01-30
どれもとても読みやすく、角田光代という人物の考えがストレートに伝わってくる、魅力的エッセイばかりです。ぜひ気軽に読んでみてくださいね。