夜がテーマの絵本おすすめ6選!おやすみ前に読みたいちょっと不思議な物語

更新:2021.11.23

静まり返った夜。奇怪なことが起きそうなちょっぴり不気味で刺激的な雰囲気は、いつだって子どもたちの興味を惹きつけます。この記事では、夜をテーマにした不思議な魅力のあるおすすめ絵本を紹介していきましょう。

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夜の不思議な世界観を描いたおすすめ絵本『ねるじかん』

 

今日もおやすみの時間がやってきました。お母さんは息子を寝かしつけようとしますが、どうやら男の子はまだ遊び足りない様子です。

そのうち、お母さんが先に眠りについてしまいました。男の子がふと壁に目を向けると、ドアが歪んでいます。外ではポストが歩き出し……夜の世界の始まりです。

 

著者
鈴木 のりたけ
出版日

 

数々の人気絵本を発表している鈴木のりたけの作品です。2018年に刊行されました。

まどろみの時間に、子どもだけが見ることができる不思議な世界が広がります。鈴木が描く夜の街は、見れば見るほどユーモラス。昼間に遊んでいたおもちゃや景色など男の子の1日が融合した、夢と現実の境界があいまいになった独特の空間なのです。

迫力のあるイラストも見ごたえ抜群。何かが起こりそうな雰囲気に、期待に胸が膨らむ内容です。

 

夜を表す文章と絵が素敵なハーモニーを奏でるおすすめ絵本『ながいよるのおつきさま』

 

「むかしむかし ひとびとは そらに うかぶ おつきさまに なまえを つけた」(『ながいよるのおつきさま』より引用)

赤子を抱いた母親が月夜の散歩で口ずさむのは、かつてネイティブアメリカンが満月につけたといわれる、12個の名前です。

吐く息が白く浮かびあがる、澄んだ空気の冬。月光が穏やかに眠る鳥を優しく照らします。

 

著者
["シンシア ライラント", "マーク シーゲル", "Cynthia Rylant", "Mark Siegel", "渡辺 葉"]
出版日

 

アメリカの作家シンシア・ライラントの文章に、画家のマーク・シーゲルが絵をつけた作品です。日本では2006年に刊行されました。

心地よい響きの詩と、ひと月ごとに姿を変える月の姿がとにかく美しく、実際に声に出して読んでみるとさらにその魅力に気づきます。時とともに回転する月が12月と1月で重なるように描かれるなど、細かい演出もポイントです。

神秘的な月夜にパワーをもらえる一冊。プレゼントにもおすすめです。

 

夜の風景を錯視画で表現したおすすめ絵本『終わらない夜』

 

真っ白に雪化粧をした広場。街燈の下では、男の子がすやすやと眠っています。よく見ると、雪ではなく白い布団が敷き詰められていました。

キルトのカバーが掛けられたベッドではしゃぐ子どもたちがいます。ふわりと空へ舞い上がり、下を見ると、ベッドカバーではなく幾何学模様に並ぶ畑と林が広がっていて……。

 

著者
セーラ・L. トムソン
出版日

 

カナダ出身の画家ロブ・ゴンサルヴェスの絵に想像力を刺激されたというセーラ・L・トムソンが、詩をつけて誕生した作品。錯視と呼ばれる、トリックアートの絵本です。2005年に刊行されました。

すべてのページに見開きで、2つの世界の行き来を楽しめる絵が描かれているのが特徴。静謐な夜の風景とトリックアートの奇妙な刺激が重なり、ゾクゾクしたり、ワクワクしたり、ハッとしたり……不思議な世界に惹きこまれます。

絵画集として大人が見ても楽しめる、想像力を搔き立てられる一冊です。

 

「コールデコット賞」も受賞した、夜を楽しむおすすめ絵本『かようびのよる』

 

ある火曜日の夜、8時頃のこと。静まり返った池から浮かび上がるように、蓮の葉に乗ったカエルたちが出てきました。意気揚々と夜空を進み、皆で街へと向います。

物干しに掛かったシーツをマントにしたり、うとうとしているおばあさんの横でテレビを楽しだり。そのうちに夜が明けて……。

 

著者
デヴィッド ウィーズナー
出版日

 

アメリカの児童文学作家デヴィッド・ウィーズナーの作品。「コールデコット賞」「絵本にっぽん賞」特別賞を受賞しました。日本では1992年に刊行され、1度廃版になったものの2000年に復刊しています。

緩急あるスピード感と、立体感が伝わってくるイラストで、まるで動画を見ているかのよう。活き活きとしたカエルたちの表情から、夜になって自分たちの時間を謳歌しようと胸を膨らませている様子がわかります。

文字はほとんどありません。じっくりとイラストを堪能しながら読み進めてみてください。

 

リズム感と音が楽しいおすすめ絵本『よるのようちえん』

 

「そっとさん」はきょんきょろりん、「すっとさん」はすっとんとん、「さっとさん」はさっさかせ……静まり返った夜の幼稚園に、次々と愉快な仲間たちが集まります。

園内を自由に動き回り、思い思いに遊んで、外が明るくなると帰っていきました。

 

著者
谷川 俊太郎
出版日
1998-05-31

 

1998年に刊行された作品。絵は画家の中辻悦子が、文は詩人の谷川俊太郎が担当しています。

「さんにんで こぺらけぺら」など読者の想像を膨らませる言葉が魅力的。声に出して楽しい音とリズムです。

読み進めていくと、そっとさんやすっとさんなどのキャラクターたちは、夢の中の子どもたちだということがわかります。見慣れているはずなのに、いつもとは少し雰囲気の違う夜の幼稚園を満喫していくのです。

巻末には、谷川俊太郎と息子が制作した「よるのようちえん」という歌も収録。あわせてお楽しみください。

 

夜の不思議な世界観を楽しめるおすすめ絵本『まよなかのだいどころ』

 

なにやら騒々しい音が聞こえ、真夜中に目を覚ました少年ミッキー。「うるさいぞ」と言うと、裸になって暗闇に落ち、3人のパン職人が働く台所にやってきました。

ミルクと間違えられてボウルの中で材料と混ぜられ、オーブンへ……。果たしてどうなるのでしょうか?

 

著者
モーリス・センダック
出版日
1982-09-20

 

『かいじゅうたちのいるところ』など数多くの作品で世界中の子どもたちを魅了する、モーリス・センダックの作品。日本では1982年に刊行されました。

センダックは作品ごとに画風を変えることでも知られていますが、本作ではしっかりしたアウトラインに色付けし、コマ割りや吹き出しを活用してアメコミ風に描いています。

ナンセンスなストーリーとちょっぴり不気味な登場人物が、子どもたちの感性を刺激すること間違いなし。普段は起きていられない真夜中の世界を楽しめる一冊です。

 

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