気軽に読める小説として人気のラノベ。学生や10代だけでなく大人も読める、おすすめラノベのご紹介です。萌やチートもいいですが、大人もハマってしまう硬派なラノベもたくさんあります。
時は1700年代。洋上に浮かぶ船・アドウェナ・アウィス号で行われた悪魔の召喚。それは錬金術師たちが禁忌とされる不老不死を求めての行為でした。見事悪魔を召喚し、手に入れたのは不老不死になる酒。その製造法は召喚主であるマイザー・アヴァーロに託されます。
しかし翌日、不老不死となった錬金術師の一人が、なんと仲間を喰らい始めたのです。不老不死となった人間は、同じく不老不死の人間を喰うことで知識や経験を吸収することができるからです。
不老不死となった錬金術師たちはその魔手から逃れるために世界各国へ散らばりました。
それから約200年後の1930年、禁酒時代のアメリカで不死の酒を巡る馬鹿騒ぎ(バッカーノ)が開始されました。
- 著者
- 成田 良悟
- 出版日
- 2003-02-10
バッカーノはイタリア語で「馬鹿騒ぎ」を意味します。本作の特徴は固定された主人公が存在しない群像劇であることと、1930年代や1700年代、2000年代など時代や舞台もさまざまであることです。
不死の酒を巡る馬鹿騒ぎに関わる登場人物は90人を越えています。それでもテンポよく進むストーリーに魅力あるキャラたちはまるで映画でも見ているような感覚で大人でもハマれる作品になっています。
キャラだけでなくマフィア同士の抗争や不死者の行動、不死となった経緯など謎解きの部分もあり、ミステリーとしての要素も含まれるのでミステリー好きの方にも受け入れやすいのではないでしょうか。
不老不死を巡る争いを題材にしていますが、不死者となったものが決して万能ではないところにも魅力があります。ある条件下でしか死なない身となっていながら強い、チートな能力を持ち合わせていないことが大人でも受け入れやすい内容となっておりおすすめです。
主人公・キノは言葉を話す二輪車・エルメスを相棒にさまざまな国を旅しています。
色々な国を旅するにあたり、キノは独自のルールを設けます。それは人を疑わないこと、価値観を押し付けず傍観者であること、そして各国の滞在期間は3日であること。
キノが体験し、感じたことはどんなことなのでしょうか。擬人化要素、寓話を盛り込んだ異世界ストーリーが楽しめます。
- 著者
- 時雨沢恵一
- 出版日
- 2000-07-10
本作は極力難しい言葉を使わないように心がけられ、誰にでも読みやすいようになっています。そのためあまり本を読まない方にも分かりやすく、サクサク読めます。
異世界ファンタジーというと大人の方には少し受け入れがたい雰囲気があるかもしれませんが、傍観者であリ続けるキノの冷静さや滞在期間が3日という設定、訪れた国々で感銘を受ける感銘など、ストーリーのテンポがよくさまざまな要素が盛り込まれているので飽きることなく読み進めることができます。
幅広い年齢層に対応しており、ストーリー性だけでなく風景描写やキャラの魅力、常識を覆すほどの結末など本作でしか感じることができない独特の世界観があります。違った視点で物事を見つめる内容は常識に囚われることなく純粋に捉えるキノの魅力が最大限に生かされています。
夏休み、一人の少女が校舎の4階から飛び降り、自らの命を終わらせます。彼女の名は吉野。
吉野はなぜそんなことをしたのか。警察は現場の状況から自殺と判断し、周囲の人間もそう考えていました。ただ一人を除いて――。
変人と呼ばれる由良は少女が飛び降りる瞬間を目の当たりにした榎戸川と少女の自殺原因を探るために行動をはじめます。うまくいかない日々を鬱々と過ごしていた受験生の少年二人が少女の死の真相に迫り、事実が明らかになっていきます。
- 著者
- 柴村 仁
- 出版日
- 2010-02-25
物語は二部構成になっており、第一部では榎戸川目線、第二部では自殺した少女・吉野目線での物語となっています。
二部構成になっていることで吉野の生前と死後の世界をうまく表現しています。ミステリーのような序盤から吉野と由良の出会いと切ない学園モノに変化していくのです。
切なさや残酷な部分が垣間見える作品で読み終わったあとに何かが心に残るような、そんな物語となっています。
強盗や誘拐、破壊工作を行う悪の覆面集団「ユニコーン」。その悪の組織と対立しているのが正義のヒーロー「ガーディアン」。日本ではユニコーンが引き起こす事件とガーディアンとの戦いが繰り広げられていました。
主人公の山口貴久はそんな事件とはまったく無縁のただの学生でしたが、ある日恋人の緑川百合子とデート中にユニコーンとガーディアンの戦闘に出くわします。そのとき正義のヒーローであるガーディアンの攻撃に巻き込まれ百合子は命を落としてしました。哀しみの中で貴久はガーディアンに復讐するためユニコーンに入団することを決意します。
- 著者
- 高畑 京一郎
- 出版日
本作はわかりやすく言うと『仮面ライダー』オマージュライトノベルです。しかし単純に正義対悪のアクションを描くというものではありません。ユニコーン(ショッカー軍団にようなもの)という組織を細部まで考え抜き、説得力をもって描いていく作品です。
『仮面ライダー』ではショッカー軍団の資金源がどうなっているのかや、人体改造技術はどういうものなのかなどについては詳しく説明がなされていないのですが、本作『Hyper Hybrid Organization』では、それらの疑問点に納得のいく説明がなされているのです。
本編では、主人公がユニコーンに入団し、戦闘員になるまでを描き、外伝ではユニコーン設立秘話を描いています。大人が読むに耐える、硬派なライトノベルとしておすすめさせていただきます。
中央海を挟んで12000キロメートル隔てた西方大陸と東方大陸の2つの大陸だけが存在する世界。西方大陸は神聖レヴァーム皇国が、東方大陸は帝政天ツ上が支配し、両国は争いを続けていました。
帝政天ツ上領内にあるレヴァーム自治区サン・マルティリアのデル・モラル空艇騎士団のエースで一等飛空士のシャルルは、あるとき荒唐無稽な指令を言い渡されました。それはサン・マルティリアの統治者の一人娘で次期レヴァーム皇妃となる少女ファナ・デル・モラルを戦火の中、皇子の元へ送り届けること。
「光芒五里に及ぶ」と称されるほどに美しく階級頂点に位置するファナ、そして身分の低いシャルル。二人は激しい空戦をくぐり抜けながら12000キロメートルに渡る危険な旅を始めます。
- 著者
- 犬村 小六
- 出版日
- 2008-02-20
空戦と身分の違う少年少女の叶わぬ恋を描いた物語。恋愛ストーリーだけでなく、戦闘機描写は迫力があり、見せ場の一つでもあります。
初々しい恋物語にキュンとなり、激しい戦闘が良いアクセントになっています。もどかしい恋愛模様と戦い、両方の魅力が味わうことができ、終盤は涙腺崩壊する方もいるでしょう。
読みやすく美しい文章によって物語を思い浮かべることができ、読者がイメージを掴みやすくなっているのも特徴。『ローマの休日』や『天空の城ラピュタ』を意識して描かれているのでこの二作品が好きな方にはとくにおすすめです。