話せる言葉がぐんと増え、周りの物に興味を持ち、頻繁に「なに?」と質問してくる2歳児。「ママ だっこ」など2語での会話もできるようになる子もでてきます。さらに、人の気持ちもわかるようになる時期ですね。そんな2歳児におすすめの絵本をご紹介します。
野ねずみのぐりとぐらが主人公です。ある日、2匹で森に出かけていきました。そこで、大きな卵を見つけます。家に持って帰れない程の大きい卵。2匹は、家から調理器具を持ってきて、森で卵を料理することを思いつくのでした。
「ぼくらの なまえは ぐりと ぐら
このよで いちばん すきなのは
おりょうりすること たべること
ぐり ぐら ぐり ぐら」(『ぐりとぐら』より引用)
この詩的で爽快なリズムの文章が物語の冒頭部分にあらわれます。とても心地よいリズムです。この心地よさに、大人も子どもも心を掴まれるでしょう。
- 著者
- なかがわ りえこ
- 出版日
- 1967-01-20
何といっても、料理上手な2匹が大きな卵で作る大きなカステラが、大変魅力的に描かれています。大人になって、スキレットやフライパンで『ぐりとぐら』に出てきたカステラに挑戦した人も少なくないのではないでしょうか。
子どもは、おいしい食べものが大好きですよね。絵で描かれたものでも想像力を大きく膨らませ、大喜びします。ままごとで遊びはじめた2歳児の女の子に、きっと喜んでもらえる作品です。
遊びに夢中になりすぎたり、楽しい事があったり、ちょっとしたことで興奮してしまって、子どもがなかなか寝ようとしない時はありませんか?2歳の男の子だったら「ねんね、いや」ということもありますよね。
本作では、夜の世界が描かれています。夜に寝ないのは、フクロウにミミズクに、黒猫……。夜に起きている物たちに不気味さを感じるかもしれません。最後にはおばけが出てきます。夜寝ない小さな子をおばけの世界へ連れていってしまうのです。
- 著者
- せな けいこ
- 出版日
- 1969-11-20
絵本作家のせなけいこは、寝ない子が寝るようにするしつけの意味合いではなく、「息子が友達になれるおばけを描いてみよう」という気持ちで描いたと明かしています。
ページをめくるたびに夜の静けさが溢れ出てきます。子どもたちは、怖いもの見たさでドキドキしながら続きを読んでもらうのを待つことでしょう。
はじめは、大人が子どもを膝の上に乗せ、子どもたちが安心できる環境を作り、ぬくもりを伝えながら読んであげてみてださい。2歳の子も一緒に楽しめる物語になっています。
2歳の女の子におすすめしたいのが本作。うさぎの女の子が主人公の物語です。うさぎの女の子が、空から落ちてきた真っ白いきれを拾い、自分のワンピースを作ります。真っ白いワンピースを着てお花畑にいくと、あら、不思議!ワンピースが花模様になりました。花模様のワンピースを着ていると、突然の雨。すると、ワンピースが雨模様になってしまいます。
ワンピースが周りの綺麗な景色に同化して、どんどん模様を替えていきます。それが、どれも綺麗で素敵な柄になるのです。
- 著者
- にしまき かやこ
- 出版日
1969年から発行されているロングセラーの名作です。読んだことのあるお母さんも多いのではないのでしょうか。
ミシンでワンピースを作る時の「ミシン カタカタ ミシン カタカタ」、ワンピースを着てお出かけしている時の「ラララン ロロロン わたしににあうかしら」など、リズミカルな言葉も本作の魅力です。
お気に入りの服もできてくる2歳の女の子におすすめしたい一冊です。
日曜日、小さな女の子のあやことお母さん、お父さんの3人はピクニックに行く準備をします。おでかけの前に、あやこはお母さんが作ったおにぎりやおかずをお弁当箱に詰めたり、お父さんのカバンのファスナーを閉めたりしようと悪戦苦闘。
よかれと思ってやっているのですが、詰めたお弁当はぐちゃぐちゃに、お父さんのカバンの中身は飛び出てしまいます。
- 著者
- 筒井 頼子
- 出版日
- 1981-10-20
女の子に限らず、子どもは、出かける前や急いでいる時に限って、それをやられたら困る!という行動を取ってしまうことがありますよね。大人の溜息が聞こえてきそうです。
しかし、子どもたちはそんなことお構いなし。子どもあるあるをそのまま物語にしたようなお話です。思わず怒ってしまいそうな場面でも、作中のお母さんお父さんは怒りません。お母さんお父さんが作り出す温かな優しい時間のなかで、あやこのいきいきした子どもらしさが際立ちます。
2歳の女の子は、あやこと自分の姿を重ねて、お手伝いの真似ごとをしたくなるかもしれません。
ルルちゃんという小さな女の子が登場します。
「いやだ いやだって ルルちゃんは いうよ
なんでも すぐに いやだって いうよ」
(『いやだいやだ』より引用)
反抗期なのか、何に対しても「いやだ!」と怒るルルちゃん。お母さんが美味しいおやつを用意してくれても、「いやだ」の一点張りです。
- 著者
- せな けいこ
- 出版日
- 1969-11-10
2歳児には「第一次反抗期」に入るといわれています。ルルちゃんも同じです。自分のこうしたい!という思いが芽生えてきて、大人に一生懸命訴えるのです。成長をしていくには必要な時期でしょう。
人の気持ちや思いがわかるようになってくるため、ルルちゃんと自分を重ねて、いやだと言われた人の気持ちを想像することでしょう。
「いやだ」がどんな気持ちになのか、分かりやすく描かれています。特に2歳児におすすめしたい作品です。
小さな男の子がベットに入っています。そして、お母さんに話しかけるのです。まだ寝ていなかった男の子にお母さんはびっくり。男の子は昨日の夜の出来事を話しはじめるのでした。
男の子のところにやってきた「よるくま」という名前のちいさな熊の子と男の子のお話です。いなくなった、よるくまのお母さんを探すため、男の子はよるくまと一緒に出かけます。なかなか見つからず、不安になるよるくま。はたして、お母さんは見つかるのでしょうか。
- 著者
- 酒井 駒子
- 出版日
子どもは、大好きなお母さんの姿が見えないと不安そうに探しますよね。よるくまのように、不安が募って泣いてしまうこともあるのではないのでしょうか。
よるくまの姿が2歳の男の子の姿に重なります。最後はたっぷりと愛情を感じられるシーンが描かれています。
とってもかわいいしろくまちゃんがおかあさんとホットケーキを作ります。
まずは、材料を揃えるところから。途中、卵を割ってしまったり、粉を周りにまき散らしたりしながらも一生懸命で、とっても楽しそうです。
本の上で、粉をかき混ぜる真似をしてみたり、親子でまねっこをしたりしながら読み進めるのも面白いでしょう。
- 著者
- わかやま けん
- 出版日
- 1972-10-15
特にフライパンでホットケーキを焼いていく場面は、子どもたちに大人気です。「ぽたあん」「どろどろ」「ぴちぴち」「ぷつぷつ」と、ホットケーキが焼かれていく過程が、とっても美味しそうな絵と言葉で綴られていきます。ホットケーキの美味しい香りが漂ってくるようで、思わず口がもぐもぐ動いてしまいそうですね。
1972年に発行されてから、多くの子どもたちに読み継がれてきた名作です。
数々の名作を生み出したイタリアの絵本作家、レオ・レオニの作品。
登場するのは色のついたマルたち。あおくんはあおいマル、きいろちゃんはきいろのマルです。
- 著者
- Leo Lionni
- 出版日
- 1995-08-24
あおくんときろちゃんはとっても仲良し。ある日、きいろちゃんに会いたくなったあおちゃんは、あちこち探しまわります。やっときいろちゃんに会えたあおちゃんは、とっても嬉しそう。
ふたりとも出会えたことが嬉しくて、くっついてしまいます。なんと、ひとつの緑のマルになってしまいました。
青と黄色のマルを中心に、さまざまな色のマルたちがイキイキと絵本の中で動いています。抽象的に表された世界ですが、それぞれのマルから人間らしさを感じられて不思議です。
指差ししながら楽しめる、2歳におすすめの一冊です。
真っ白な丸い頭に長いお耳、くるくるっとした瞳はいつも読者に向けられています。バッテンの口元は「これから何を語ってくれるの?」と読者に思わせているようです。作者のディック・ブルーナが我が子のように愛したうさぎのうさこちゃんは、シンプルに描かれていながらも、可愛らしさや優しさ、温かさがにじみ出てくるような作品です。
『2才からのうさこちゃんの絵本セット1』は、『うさこちゃん ひこうきにのる』、『うさこちゃんと ゆうえんち』、『うさこちゃんの にゅういん』、『うさこちゃんの たんじょうび』の全4作からなります。
うさこちゃんシリーズは他にもいろいろありますが、すべて正方形になっています。正方形は今では珍しくありませんが、1959年当時は画期的な形でした。ディック・ブルーナが正方形にした理由は、小さな子どもの手や体のサイズに合うと考えたからだそう。いろんな場所へ持ち運んで読んでほしいという思いが込められています。
- 著者
- デック・ブルーナ
- 出版日
- 2010-04-01
シリーズ作のひとつ『うさこちゃんの たんじょうび』という作品に、こんなエピソードがあります。
もともと男の子でも女の子でもなく、ただのうさぎの子のイメージだったのが、誕生日に花柄のドレスを着せてあげたいという作者の思いから、うさぎの子は「女の子」になったという話です。うさこちゃん誕生の瞬間です。花柄の素敵なドレスにも注目してみてください。
また、『うさこちゃんの にゅういん』は、あるお母さんから「子供が入院をするため、うさこちゃんの絵本で励ましてもらえないでしょうか」というお手紙をもらったのがきっかけで作られたそうです。
入院が決まったうさこちゃんの目には大粒の涙がこぼれています。「大丈夫、入院することはそんなに怖いことじゃないんだよ。プレゼントをもらったり楽しいことだってあるんだよ」という作者の優しい気持ちが込められた優しい物語になっています。
ディック・ブルーナの「うさこちゃんシリーズ」は、多くを描きすぎないシンプルな絵に、子供たちの想像の翼を広げてくれることを願った作品です。
今日は良い天気。ごきげんなぞうくんは散歩にでかけました。出会ったかばくんを誘うと、かばくんは答えます。「せなかに のせてくれるならね」
ぞうくんはかばくんを乗せて散歩を続行。すると今度はわにくんに出会い、ぞうくんはわにくんも誘います。わにくんは言います。「それじゃあ ぼくも のせてよ」(いずれも『ぞうくんのさんぽ』より引用)
さらにはかめくんにも出会って、かめくんも乗せ……。
だんだん足元があやしくなっていくこの愉快な散歩に待ち受ける結末は?2歳児もびっくり、笑顔がはじける絵本です。
- 著者
- ["なかの ひろたか", "なかの まさたか"]
- 出版日
- 2006-05-20
キャラクターたちの穏やかで、少しとぼけたような顔つきがとても可愛らしいのです。優しい線と明るくやわらかい色彩で描かれていて、こどもが夢中になるのはもちろん、育児や仕事に追われて知らず知らず張りつめていた大人も、手に取ったとたんに力が抜けるのを感じることでしょう。
そんな癒し度満点の絵とはうらはらに、このお話は子どもの心にハラハラドキドキを与えてくれます。ほのぼのと明るく描かれる絵図に見え隠れする絶妙なアンバランス。そして膨らんでいく危険……!
いかに力持ちのぞうくんでもお友達を3人も乗せたらどうなるか?お約束ともいえる展開が待っているわけですが、子どもは集中して見守ります。
大人にとっては予想通りの結末ですが、いったい子どもがどんな表情を見せてくれるかが楽しみな一冊です。
「だーるまさんが こーろんだ!」は、おなじみの遊びですね。多くの方が連想するだるまさんは、まんまるとドッシリしていて、手足がなく、大きく見開いた目に黒々とした眉と髭、そして真っ赤な体でしょう。
そもそもこの「だるま」の誕生は、昔達磨(だるま)大師という偉いお坊さんが、修行として9年もの長い間座禅をおこなったことによって、手足が萎えて腐ってしまったという説があります。その結果、あの手足のない独特なフォルムをした人形が世に生まれたといわれているのです。
それを踏まえたうえで、本作のだるまさんをご覧ください。
これまでのイメージを見事に壊してくれるような、ほのぼのとした癒し系に描かれています。すっとぼけた目に、頬はリンゴのようにポッと赤らんでいて、髭はありません。眼鏡をかけてるだるまさんすらいます。コロコロとした赤い体に、チョコンとついた手と足。一瞬目がテンになりますが、次の瞬間、「ぷっ」と吹き出してしまいそうなくらい、ユニークで可愛らしいだるまさんに愛着がわくことでしょう。
- 著者
- かがくいひろし
- 出版日
「だるまさんが……」、「だるまさんの……」、「だるまさんと……」、とあとに続く意外な展開に子どもたちは驚いたり、笑ったりして、次のページをめくるまでソワソワしてしまうのです。
あとに続く文が擬音語(「どてっ」とか「ぷしゅーっ」など)や体のパーツを指す言葉(「目」とか「歯」など)だけなので幼い子どもにわかりやすく、また絵本の読み方をリズムよく強弱をつけることによってさらに面白みが増します。
このだるまさん、自由自在に体の伸び縮みができるので、いろんなポーズをして子どもたちを楽しませてくれます。従来のだるまさんと違って、とにかく「そばにいてほしい!」と思えるお友達のようなキャラクターです。だから、一緒になってだるまさんのポーズや表情の真似なんかもするかもしれません。
「だーるまさんが こーろんだ!」の遊びではありませんが、子どもたちが笑い転げてしまうような楽しい作品です。
詩人であり絵本作家の谷川 俊太郎作の絵本です。絵は、絵本作家であり画家である、元永 定正。
ページを開くと、「しーん」と、地平線とも地面とも受け取れる線が描かれています。夜明け前のような綺麗な空の色がページ全体を彩ります。
- 著者
- 谷川 俊太郎
- 出版日
- 1977-04-25
ページをめくると、「もこ」と、なにかが地平線から出てきました。その「もこ」は、どんどん大きくなり、隣に「にょき」と生えてきたものをぱくっと食べてしまうのでした。
説明文のない絵本で、「もこ」や「にょき」などの擬態語と、抽象的な絵でお話が進んでいきます。とても綺麗な落ち着いた色彩が、擬態語と抽象的な絵の動きの不思議さを、より一層強調していますよ。
子どもたちは、擬態語にとても面白さを感じるようですね。声をあげて笑ったり、喜んだり、擬態語を真似してみたり……。それぞれに気に入る場面が違うと思いますので、子どもと一緒に、不思議な言葉の世界で好きなページを見つけてみませんか?
「しーん」と、音のない静寂の中でモンシロチョウがヒナギクの蜜を吸って飛び立ちます。音のない世界なのですが、モンシロチョウが蜜を吸う音、ヒナギクから飛び立つ羽の音が絵本から聞こえてきそうなくらい、絵がリアリティと独特の世界観を持って迫ってきます。
- 著者
- 穂村 弘
- 出版日
- 2014-11-26
鳩時計の針が動き、12時を指す一瞬など、まばたきをしている間に終わってしまうような何気ない日常の瞬間が描かれている本作品。酒井駒子の重厚で繊細で丁寧な絵の迫力には圧倒されます。1ページ1ページを額に入れてもおかしくない程の重厚感と完成度を感じさせます。
見逃しがちな日常の何気ない出来事が、実は宝石のように貴重なもので、大切な特別な瞬間である事を教えてくれているのかもしれません。子どもなりに、この絵から醸し出している時を大切にとらえている思いを、感じる事ができるのではないでしょうか。まばたき程の一瞬が、とても大切に愛おしく思えるようになる絵本です。
「ずんずんちゃ ずんずんぱ」「ずんずんちゃ ずんずんぱ」(『ねんどろん』より引用)
カラフルな地面から何かが動き出そうとしています。
「ずんずんねん ずんずんどろん」「ねんねんどろん ねんどろん!」「ねんどろん!」(『ねんどろん』より引用)
今度は地面から、緑色の三角の顔、黄色の丸い顔、赤い四角い顔をした人形のようなものが出てきました!
- 著者
- 荒井 良二
- 出版日
- 2012-03-29
三体でくっついて、ボールみたいになって転がってみたり、車になってみたり……。予測不能な動きに、リズミカルな言葉は、三体がまるで目の前で歌っているかのような臨場感。
子どもは、観念に縛られることなく自由に想像しますが、大人は『ねんどろん』という題がついているから「ねんどかな?」なんて、思ってしまいがちですよね。正解は何なのでしょう?楽しいリズムに乗って、子どもと一緒に答えを探してみるのも楽しいですよ。
雪が積もっている山の村を電車が走ります。トンネルを抜けると雪の野原にでてきました。そして、またトンネル。
次にトンネルを抜けると今度は山にでました。たった二両の小さな電車が、いくつものトンネルとさまざまな景色を通り抜けて走り続けます。さて、終着駅はどんなところでしょうか?
電車が走る時の「デデン ドドン デデン ドドン」やトンネルを通る時の「ゴー」というシーンでは、大げさなくらい物語に合わせて読み聞かせをしてみてください。リズミカルで面白い言葉のくり返しを2歳の男の子たちは楽しめるでしょう。
- 著者
- 間瀬 なおかた
- 出版日
- 2002-01-01
表紙には「でんしゃでいこう」とタイトルがあり、裏表紙には「でんしゃでかえろう」とタイトルが書かれています。表紙、裏表紙とどちらからでも読み進めることができる物語になっています。
トンネルにちょっとした仕掛けがあり、それがまた、2歳ぐらいの男の子の好奇心をくすぐることでしょう。
街の消防署には、はしご車、高圧車、救急車がいました。名前をそれぞれ、のっぽくん、のばんぷくん、いちもくさんといいます。お互いに自分が一番と自慢しながらも、大きな火事が起きた時は、3台は協力して火を消すのでした。
この消防署にはほかにも、ちびっこのじぷたという古いジープを改良した消防車がいます。のっぽくん、のばんぷくん、いちもくさんが小さいじぷたを馬鹿にするので、じぷたは悲しくなるのでした。
じぷたはどうなってしまうのでしようか。
- 著者
- 渡辺 茂男
- 出版日
- 1966-06-10
自動車が大好きな男の子は多いでしょう。消防自動車が好きな子も多いですよね。
そんな子に、ぜひ読み聞かせしたい作品です。大好きな消防自動車が迫力いっぱいに描かれているので、子どもはキラキラした目で興奮しながら楽しんでくれるでしょう。
日ごろ馬鹿にされていた小さなじぷたが大活躍する場面では、読者も一緒になって大喜びできます。2歳の男の子にぴったりの作品ですので、ぜひ手にとってみてください。
『しゅっぱつしんこう!』は、電車が好きな子どもに読んであげたい作品です。主人公のみよちゃんとお母さんが電車に乗っておじいさんの家に向かうというお話の中で、みよちゃんたちはいろんな電車に乗り換えます。
特急列車や急行列車、普通列車といった色や形の違う3種類の電車が登場。それぞれのスピードや走る場所が違うことも絵で見てとれて、臨場感があります。途中、電気機関車とすれちがったり、トンネルを抜けたり。カラフルでありながら整然とした絵は旅行写真のようにも見えるでしょう。
- 著者
- 山本 忠敬
- 出版日
実在する駅をもとに描かれた絵本です。宮城県の仙台駅から岩泉線の浅内駅までの行程を、1980年代の電車とともに楽しむことができます。
登場人物の名前を読み手や子どもの名前に変えて読んであげれば、本当に電車で旅をしている気分になれることでしょう。何度もくり返し読んでいくうち、「特急」「急行」「普通」という、電車の前につく名前の違いにも子どもは興味を持つかもしれません。
最後のページでは、おじいさんとお友達が待っています。楽しい旅と、終着駅で出会う大好きな人たち。幸せな気持ちで絵本を閉じることができるでしょう。
学研プラスから出版されている「はっけんずかん」シリーズの一冊です。分かりやすい説明と子どもの興味を惹きつける仕掛けが楽しいシリーズですが、今回ご紹介する『のりもの』もそんな魅力が満載。子どもが喜んでページをめくること間違いなしです。
飛行機や新幹線、電車に機関車、そして働く車たち。男の子には特に好きな物ばかりですよね。豊富な種類が描かれた図鑑はそれだけでも楽しめますが、さらに楽しさがプラスされているのが驚きの仕掛けの数々です。
飛行機はコックピットが開き、新幹線は車両部分をめくるとお客さんが載っている様子が見られます。救急車は患者さんを乗せる様子が、工事車両もそれぞれの特徴が仕掛けで分かりやすく紹介されています。
まずは、興味を持つことから。そうして読んでいるうちに知識もどんどん深まっていくでしょう。
- 著者
- 拓史, 西片
- 出版日
たくさんの乗り物が紹介されている読みごたえのある図鑑ですが、楽しい仕掛けが子どもたちの興味を惹きつけ、小さいうちから長く楽しむことができます。集中して見ているうちに、あっという間に時間が経ってしまうこともしばしば。
子どもの吸収力は素晴らしく、仕掛けを楽しんでいるだけかと思いきや、しっかりと絵で見た内容も頭に入っています。図鑑の中の運転手さんを自分に置き換えてみるなど、読み込んでいくうちに自分なりの楽しみ方をどんどん見つけていく子どもの姿にはきっと驚かされることでしょう。
大人が見ても楽しめる図鑑なので、ぜひ子どもと一緒にじっくりと読んでみてくださいね。
アメリカの絵本作家のバイロンバートンの絵本です。まず、綺麗な色が目に飛び込んできます。簡略化されたイラスト、力強い太い線でかたどったモチーフは、2歳の子にとって形を認識し易いもの。印象に残る画力です。
『とらっく』は、のりものえほんシリーズの4作品のうちの1冊。他には、『ひこうき』『ふね』『でんしゃ』があります。
とらっく (バートンの のりものえほん)
2歳になると、特に男の子はトラックや、ミキサー車や消防自動車など大きな車に興味を示しませんか?外出先でバスを見かけると、「バス!」と大きな声で指をさしとってもうれしそうな顔をしますよね。散歩に出かけても、消防署の前だったり、大きな車が通った時はおはしゃぎです。
この絵本は道路にトラックが走り、働いている場面がでてきます。ゴミ収集車やミキサー車など働く車も登場しますよ。いつでも好きな時に大好きな車が観れるのでお気に入りの一冊になる子が多いのではないでしょうか。
アメリカ合衆国、マサチューセッツ州(ボストン)の作家、リチャード・スカーリー作の『よこなが きしゃぽっぽ』。この仕掛け絵本はなんと、開くと3メートルにもなるタイトル通り横長な仕掛け絵本です。
もちろん、他の仕掛け絵本作品同様、小さめの仕掛けも用意されており、充実感ばっちり、アメリカのみならず、日本でも同作家のファンは多いそうです。
- 著者
- ["リチャード スキャーリー", "Scarry,Richard", "まさお, きたむら"]
- 出版日
この仕掛け絵本の最大の魅力は、その長さです。全長3メートルの機関車のページでは、仕掛け絵を横に引っ張ることによって、その機関車が動いているようにも見えます。
子どもで特に男の子の場合、電車とか乗り物系にハマる子が多いかと思います。そんな子どもであれば、この長い長い仕掛けをみて大喜びをすることは間違いありません。
なお、女の子の場合は、この仕掛け絵本を用いて電車自体に執着するというよりは、電車の乗務員役になりきり「どうぞのってくださ〜い」なんて言って電車ごっこを始める子もいるようです。
うさぎさんは、誰でも腰かけてもらえるように、自分が作った小さないすと「どうぞのいす」と書いた立札を大きな木の下に置いて立ち去ります。
そこに、どんぐりをいっぱい拾って家に帰るろばさんが通りがかりました。「どうぞのいす」を見つけたろばさん。疲れていたので、休憩するために、背負っていたどんぐりが入った籠をそのいすに置きました。そして、近くの大きな木の下でお昼寝を始めます。
次に「どうぞのいす」にやってきたのは蜂蜜が入った瓶を持った、くまさんでした。「どうぞのいす」にあったろばさんのどんぐりを「どうぞならば」と全部食べてしまいます。
後から来た人が「どうぞのいす」に何もなかったら、気の毒だなぁと思ったくまさんは、蜂蜜が入った瓶を置いていきます。そして、次に来た動物は……。
- 著者
- ["美子, 香山", "幸造, 柿本"]
- 出版日
うさぎさんの優しさが、「どうぞのいす」という形となって現れています。「どうぞのいす」にやってくる動物たちの自分の後に来る動物への思いやりは、心を温かくさせます。
周りの人の気持ちがわかるようになってきた2歳ごろの女の子にぴったりの一冊です。
動物好きな子どもにおすすめなのがこの一冊。動物園のカバの1日が、彼の目線で描かれています。カバの目線で見た人間は足元ばかりが目立っています。のんびりと過ごすカバの親子の絵はリアルで、ついついその絵に触れたくなるから不思議です。
朝、寝坊しがちなカバの子を、少年とペットの小さなカメが起こしに来るところから物語は始まります。やっと目覚めたカバの親子は、何をするのかと思いきやカメに今日が何曜日なのか聞くのです。日曜日だと聞いたカバが人の多さに納得する姿はどこかおかしく、見物客をカバが逆に見物する姿もユニークです。
- 著者
- ["岸田 衿子", "中谷 千代子"]
- 出版日
カバの子がキャベツを豪快に丸のみするシーンや、親子で寝そべりゆっくりする姿は本物の動物園のようで、動物好きの子どもたちの心をわしづかみにすることでしょう。2歳以下の幼い子どもにも、カバやカメなど、動物に興味や親近感を持つきっかけとなるかもしれません。
大人にとってはやや単調に感じるかもしれない物語ですが、少年やカメがカバに語り掛ける口調はリズム感がよく、何度も口にしたくなるような可愛らしい言葉で紡がれています。「いちばんはやおきはだーれ いちばんねぼすけはだーれ」など、兄弟がいれば上の子が下の子に読み聞かせてあげるのもおすすめです。
タイトルの通り、ひなたぼっこする犬をただひたすら追っていきます。全体を通してのんびりとした雰囲気に包まれ、不思議と落ち着いた気持ちにさせられるでしょう。
表紙で歩いている犬が、てくてくと壁まで向かっていき、そこにもたれてひなたぼっこを始めます。動物らしからぬ無防備な姿は笑いを誘い、そこに次から次へと仲間が増えていくのです。
仲間が近づいてくると、その背中をおひさまが暖かく照らし、影を作り出します。ひなたぼっこ仲間は、次に仲間入りする動物を、影のかたちから予想して楽しむのです。
- 著者
- 高畠 純
- 出版日
大きな感情の起伏や、悩みごとなど、読んでいくうちに薄れていくような不思議なお話です。自立心が旺盛になる2歳のイヤイヤ期に、怒ってばかりで疲れてしまった母親の心までも癒してくれるのではないでしょうか。
本作を読んだ後には外へ出て、お日様のにおいを楽しみながら日なたぼっこしたくなるかもしれません。動物たちの気持ちよさそうな表情もまた魅力。豚や羊が並んで目を閉じている姿は可愛らしく、どれほど気持ちがいいのだろうかと羨ましくもなります。
寝かしつけの前、心を落ち着けるために読み聞かせをしてあげるのもおすすめです。
表紙のキツネは大きなしっぽをぴんと立て、なんだか自信に満ちあふれた表情です。
「しっぽがぴん しっぽがたらり」とキツネが意気揚々と自分のしっぽを上げたり下げたりしています。周りには蝶も飛んでいて、なんだか楽しそうです。猫の親子もしっぽがぴん、しっぽがたらり。花咲く野原を駆け回る猫の親子も悠々としっぽを動かします。
「ぴんぴん たらり ぴん たらり」、カメも登場です。しっぽは大きくて長いだけがしっぽではありません。小さくて短いけれど、立派なしっぽです。
- 著者
- おくはら ゆめ
- 出版日
「ぴんぴん たらり ぴん たらり」、とにかくこのフレーズがリズムにのりやすく、かつ耳に残るキャッチーなフレーズ。読んでいるお子さんも、お母さんも、みんなが楽しい気分になります。このフレーズが、お祭りの太鼓や笛の調子に似ているので、心が躍るような気分になるのでしょう。
作者のおくはらゆめも本作の製作時に、「ぴんぴんたらり ぴんたらり」と声にだして読んでみたところ、お祭りの時のような浮かれた気持ちになったと語っています。
みんなが楽しめて、お祭りのような賑やかな気分にさせてくれる一冊です。
10年以上の年月を経て、今なお愛され続けている仕掛け絵本『かわいいてんとうむし』。
絵から出てくるように見える「立体てんとうむし」になっており、思わず触れたくなってしまうでしょう。立体的な本に初めて触れる子どもであれば、大喜びして読み聞かせに興味を示してくれるかもしれませんね。
10匹のてんとう虫が、1匹ずつ消える構成になっています。数の認識力を高める学習にもなるでしょう。
- 著者
- ["メラニー ガース", "ハリスカ・ベイス,ローラ", "Gerth,Melanie", "Huliska‐Beith,Laura", "まさお, きたむら"]
- 出版日
本作の魅力は、なんといってもポップで可愛い立体的な仕掛け。てんとう虫だけが立体的に見える仕組みになっているので、際立って見えてとても魅力的です。
また、ページをめくるごとにてんとう虫の数が減っていきます。その理由は、最後のページまでお楽しみ。途中まではなんだか残酷な描写に見えなくもないですが、ラストでどうなるかは、ぜひ実際に読んでみてください。
1匹ずつ減っていくてんとう虫を見て、不安そうに見ていたこどもが、最後のページを見て喜んでくれる表情を見ることができるでしょう。
この図鑑に登場するのは、どれも身近にいる虫ばかり。玄関先にいるテントウ虫やダンゴ虫、庭にいるチョウやハチ。少し足を延ばして、草むらにいるバッタや林にいる蝉やカブトムシなど、目にする機会が多い虫がたくさん紹介されています。生息する場所ごとに分類されているので分かりやすく、この図鑑を見ながら実際に虫を探しに行くのも楽しいですね。
身近にいる虫を扱っていますが、バッタやカマキリの仲間だけでも15種類。チョウやガの仲間に至っては26種類も紹介されています。
どれもリアルですが、温かみのある絵で描かれているので、初めて虫の図鑑を見る子どもでもすんなりと受け入れることができるでしょう。
- 著者
- ["三芳悌吉", "矢島稔"]
- 出版日
虫たちの特徴が、一目で分かるように丁寧に描かれた絵本です。
身体の特徴はもちろん、大カマキリはアブラゼミを捕まえていたり、ノコギリクワガタとミヤマクワガタが樹液を取り合って争っていたりと自然界で起こる虫同士の争いや、セミが脱皮していく様子など虫の成長についても一目見て分かります。
また、カやアリなど小さな虫を紹介するページでは虫眼鏡で見ているようなイラストが描いてあり、小さな虫を見る時にはこうやって観察すればよいのだと教えてくれます。
本作を参考にしながら、親子で虫探しを楽しんでみてくださいね。
たくさんの仕掛けが楽しくて、初めて図鑑を見る子どもでも夢中になってみることができる一冊です。
ページをめくると子どもが大好きな動物たちがいっぱい。写真と絵の両方が掲載されています。優しいイラストで描かれていることも小さなお子さんにぴったりです。
読むだけではなく遊べる工夫も盛りだくさん。仕掛けをめくると、ゾウが水浴びをしていたりカバが大きな口を開けたりと動物たちの可愛らしい魅力に子どもが目を輝かせること間違いなしです。
図鑑デビューにおすすめの一冊です。
- 著者
- コウジ, 渕上
- 出版日
動物が大好きな子どもは多いでしょう。赤ちゃん向けの作品も多く、読みながら鳴き声を真似してみたり、模倣遊びを楽しんだりしている子も多いのではないでしょうか?
初めての動物図鑑にぴったりの作品です。仕掛けを楽しみながら読み進められるので、飽きることなく存分に楽しむことができますよ。
初めての動物園に行く前に読めば、より動物たちに会うのが楽しみになるでしょう。本物の動物を見た後に読めば、きっと楽しかった動物園を思い出すことができるはずです。
絵本作家、長新太の絵本です。彼は、2005年6月に亡くなりました。この絵本は闘病中に病室で描かれたそうで、彼の遺作になります。
ピンク一色で描かれている絵本。穏やかそうな大人の猫の尾っぽから背中にかけて、丸いピンクの玉が「ころ ころ」と登っていきます。ページをめくると、もう1個の丸いピンクも登場。合わせて2個の丸いピンクが「ころ ころ ころ ころ」猫の背中を登っていくのでした。さて、この丸いピンクの正体は?
- 著者
- 長新太
- 出版日
絵本を読み進めていくうちに、この大人の猫は、ピンクの玉をとても愛する存在だと気づく事ができます。その猫をお母さんと感じる子やお父さんと感じる子、または、おじいさんやおばあさんに感じる子もいるのかもしれません。
言葉は少なくても、絵からあたたかな温もりを感じる事ができるのです。子どもたちは、自分を愛してくれている人を想像し、愛に包まれているのを感じながら絵本を読む事でしょう。
松谷みよ子の文に、瀬川康男の作画の絵本。お母さんが子どもを寝かす時と同じ語り口調で、優しい文章になっています。物語の始まりは眠たいわんちゃんの登場。
- 著者
- ["松谷 みよ子", "瀬川 康男"]
- 出版日
「ねむたいよう おやすみなさい ワン」(『もうねんね』より引用)
「いぬもねんね ひとりでねんね」(『もうねんね』より引用)
とっても愛らしいわんちゃんが安心してすやすや寝ている姿が描かれています。
瀬川康男の優しい柔らかいあたたかみを感じる絵が、安らぎを感じさせます。眠りにつく前のトロンとした姿の後にページをめくると、幸せそうに目を閉じる動物たちがいます。何かに守られているようにさえ感じてしまうような癒された様子です。
松谷みよ子の文章もお母さんが優しくささやいてくれているようで、抱っこされているような安心感の中にいるようです。2歳の子が眠る前に、ぜひ読んであげてください。
イギリスの絵本作家のエリック・ヒル作品です。犬のお母さんが、ご飯の時間になっても食べに来ない子犬のコロちゃんを探しにいきます。ドアの扉を開けてをみたり、柱時計の扉を開けてみたり、グランドピアノの中を覗いてみたり……。
- 著者
- エリック・ヒル
- 出版日
コロちゃんを一生懸命探すお母さん。しかし、コロちゃんはなかなか見つかりません。さて、コロちゃんは本当にどこにいってしまったのでしょうか。
お母さんが探していく様々な場所には、それぞれ仕掛けがしてあります。まず、ドアの扉。扉は開けれるようになっていて、なんとそこには熊がいるのです!他にも蛇やカバ等、いろいろな動物が隠れています。動物を見つけていくのもとっても楽しくて、子どもたちは大喜びです。
2歳の子が大人と一緒に遊びながら楽しめる絵本です。楽しくて、読み終わっても「もう1回」とリクエストされそうな遊べる絵本です。
この仕掛け絵本を通じて、いろいろな動物との出会いができるでしょう。本の構成としては、最初に穴のあいたページがあり、「動物のかたち」と「動物の擬音」が書かれてあります。
そしてページをめくると、その穴が埋まって何の動物だったのかが明らかとなるように作られています。また、動物の色についても、青色が入っている動物なら「あお」という単語とBlueという英単語が記載されているので、あわせて色の認識力を高めることも可能です。
- 著者
- いしかわ こうじ
- 出版日
この仕掛け絵本の魅力は、カラフルなところです。作家のいしかわこうじは、絵本作家であり「イラストレーター」でもあるので、そのスキルが思い切り反映される形になっています。
上で書いたように最初のページは穴となっていて、次のページで答えが書いてあります。これは2歳であっても何歳であっても、何かを学習する上では重要な要素です。
最初から答えが明示されていては、人は学びを得ません。分からない、知りたいという欲求が生まれてはじめて、人は学ぶ意欲を得るものです。
その観点からも、この仕掛け絵本は2歳の子どもに多くのものを与えるはずです。
つぎつぎに色が変わっていく仕掛けがとっても美しい『にじいろカメレオン』。この物語には、カメレオンのレオンとアメリが登場します。
2匹は「かくれんぼ」をして楽しんでいるのですが、そこにとっても怖いヘビがやってきたからたいへんです。
レオンは変身をしてその窮地から逃れようとするのですが、どうなることやら。ちなみに作家のよねづゆうすけは『にじいろカメレオン』の他、いくつものカラフルさが印象的な絵本を発表しています。
シンプルだけど綺麗で可愛らしい、作品はどれもおすすめです。
- 著者
- よねづ ゆうすけ
- 出版日
- 2012-01-24
『にじいろカメレオン』の魅力は何と言っても、その色彩です。あか、オレンジ、きいろ、みどり、あお、あいいろ、むらさき、7色すべてがこの仕掛け絵本の中で表現されています。本の表紙部分から、まわすとタイトルと、カメレオンの色が変わる仕掛けです。
また、作中ではヘビの他には色々な凶暴な動物とカメレオンのレオンは出合うことになります。
その相手からどのようにして、逃れるのか、このシンプルな設定は、小さな子どもであっても容易に理解して、どきどき楽しめることと思います。
食いしん坊でとっても可愛い白ぶたくんが、美味しそうな綺麗な色の果物を食べていきます。
リンゴに、レモン、メロンにぶどうを次々と口に運びます。リンゴを食べたら、なんと体にリンゴの色が浮かびあがりました。その後、レモンを食べたら、レモンの色が浮かんできます。
どうやら、白ぶたくんは、食べたものの色が体に反映されるようなのです。
- 著者
- ["岸田 衿子", "長野 博一"]
- 出版日
いつのまにか白ぶたくんの体は、食べた果物のカラフルな色で染まっていました。たくさん食べたのに白ぶたくんのお腹は満たされません。とうとうお腹が空いて、ぴかぴかの石鹸まで食べてしまいました。
するとさっきまで体に表れていた綺麗な色が、石鹸で洗われて、綺麗な色のシャボン玉となって口から出ていってしまい……?
美味しそうに果物を食べる満足そうなしろぶたくんの顔が、とてもかわいくて印象的。子どもたちの大好きな果物ががちりばめられているので、食べることが好きな2歳児におすすめの作品です。
「これ なあに」から始まる『やさいの おなか』。表紙の絵をご覧になってください。これ、何の絵かわかりますか?パーンと野菜を真っ二つに切った面、つまり断面図のことを本作では「おなか」と表現しているのです。
モノトーンな色で野菜のおなかを表しているので、一見何なんだろうと思ってしまいますが、次のページをめくるとカラーになっているので正体がわかります。「なるほどね」と思えるものや、考えても考えても思い浮かばないものまであるので、子ども向けの物語と言えども、甘く見てはいけません。
- 著者
- きうち かつ
- 出版日
- 1997-01-31
モノトーンで表された物体が一体何なのか?宇宙人のようにも見えて、妖怪のようにも見えて、子供たちの想像力が無限に広がります。また正解した時の喜びもひとしおです。「おやさい 知ってるよ」と自信がつくお子さんも出てくることでしょう。
2歳になると、色んな情報をどんどん吸収しようとします。言葉もそのひとつで、特に野菜は普段口にするものなので、楽しく覚えられるのではないでしょうか。ねぎ、トマト、にんじん、ピーマン……楽しく覚えられると野菜に親近感が持てて、好き嫌いが少なくなるかもしれませんね。
絵本を通して学ぶということの重要性も感じさせてくれるでしょう。
『やさいだいすき』は、各ページで野菜が登場し、次から次へと野菜の名前が紹介されていきます。登場する野菜にはすべて可愛らしい顔が描かれていて、にっこりと笑っているのです。
野菜の名前だけでなく1本、2本といった数字、そして野菜の色まで学ぶことができます。くり返し読むことで、それぞれの野菜を覚えることができるでしょう。
ピーマンやトマトは親子3人で登場し、ゴボウやネギは仲良し夫婦のように描かれています。野菜を身近に感じることができ、どのように食卓に並んでいるか、興味を持つきっかけになるかもしれません。
- 著者
- 柳原 良平
- 出版日
18種類の野菜が登場します。くり返し読むうち、子どもはまず本物の野菜にも興味を示すようになるでしょう。
最後のページではお母さんが野菜を料理し、その隣でおいしそうに野菜を食べる男の子が現れます。野菜を食べる男の子の姿を見せれば、野菜嫌いの子も負けじと食べてくれるようになるのではないでしょうか?
なすびちゃんは、うっかりだいこんちゃんの帽子をかぶってしまいます。いけない、間違えた!……どうしよう、怒られるかな? 悲しい気持ちにさせたかな?
失敗は誰にだってあるけれど、「ごめんなさい」と口にするのは勇気がいることです。可愛い野菜たちが、「ごめんなさい」は仲直りできる魔法の言葉なんだよ、と教えてくれる楽しいお話になっています。
- 著者
- 出版日
- 2013-09-02
つぎつぎと新しい言葉を覚え、日に日に手先が器用になり、力もぐんぐんついてくる2歳児。可愛らしさ満点ですが、「魔の2歳児」とも呼ばれるくらい制御の難しい時期でもありますね。
機嫌良く遊んでいたかと思えば、いったい何が引き金になったのか、突然猛烈に泣いたり暴れたりすることも日常茶飯事です。大人は困ってオロオロしたり、手をつけられずにイライラしたり……。
でもこんな時、実は子ども自身も、状況を変えるきっかけがなくて困っているという場合もあるのです。激しく自己主張してはみたものの、ひっこみがつかなくなって泣き止めずにいるのでしょう。
「ごめんなさい」が言えたら状況は一変するのだけれど、2歳児にはまだそれが分かりません。あるいは、大人に言わされることが気にいらない!という子もいるでしょう。大人だって素直に謝るのは難しいのだから、こどもにはもっと難しいのです。
ぺこりと頭を下げながら野菜が言います「ごめんやさい」。言われた野菜は答えます「いーいーよー」。するとみんなに笑顔が戻ります。
こどもに「うん、ちょっと言ってみようかな!」と思わせてくれそうな、可愛く親しみやすい絵本です。
美味しそうなドーナツの表紙をめくると、大きな赤い丸があらわれます
「これなあに」
ページをめくると、ドーンとこたえが飛び込んできます
「チョコレートケーキ。ほうら まるくておいしいよ」
次はたくさんの黄色い丸があらわれて……というように、色とりどりの丸、いろいろな大きさの丸があらわれては、美味しい種明かしがされていく、とことん「丸くて美味しいもの」のお話です。
- 著者
- 小西 英子
- 出版日
2歳になると形状の違いの理解が進んで、積み木遊びが上手になってきます。お絵描きも、ぐちゃぐちゃの線ばかりだったものが、だんだん丸らしきものを描くようになってきたのではないでしょうか。食べ物も、離乳食から普通食になってしばらく経ち、それぞれに好みも出てきましたね。
「子どもが最初に好きになる形は丸」「最初に好きになるのは甘い味」というのは、多くのお母さんお父さん、育児にたずさわってきた方々が実感していることでしょう。こどもにとって、もっとも親しみやすく安心感を得られる形が丸であり、味では甘味ということですね。
味覚も広がり、言葉も出るようになってきた2歳児だからこそ、「これなあに?」と問いかけながらページをめくるのが楽しい一冊です。
今日のおかずは、春巻き、ウィンナー、トマト、レタス。ほうれん草や、わかめの味噌汁もあります。食べたらどんな音がするのかな?「いただきまーす」
春巻きは「カコッ ホッ カル カル カル カル カル」
ほうれんそうは「ズック ズック ズック ズック ズック ズックズ」
わかめは「ピララルッ リョリュ リョリュ リョリュ リョリュ」(いずれも『おいしいおと』より引用)
では、りんごや、ごはんや、かぼちゃの煮付けは、いったいどんな音がするのでしょう?
- 著者
- 三宮 麻由子
- 出版日
小さなこどもが、語感の良いフレーズや繰り返しの音声を好むことはよく知られています。「いぬ」と言うより「ワンワン」と言うほうが、こどもには伝わりやすいでしょう。こどもはオノマトペ(擬音語・擬態語)が大好きなのです。
この『おいしいおと』は、日常の食卓にならぶ、みんながよく知っている食べ物のオノマトペを集めた絵本なのですが、ほうれん草がズックズックいったり、わかめがリョリュリョリュいったり、最初から最後まで大人にとっては非日常的なまったく知らない音ばかりです。
ところが小さなこどもにはこれがしっくりくるらしく、ちゃんと「美味しい音」として認識されるのが面白いところです。さらには美味しいだけではなく「楽しい音」でもあることが、絵本に聞き入るこどもの表情から見て取れることでしょう。
『おいしいおと』は、声に出して面白い、耳にも愉快な絵本。真似っこ遊びができるようになる頃ですので、イヤイヤ期の晴れ間のコミュニケーションに、最適な一冊といえるでしょう。
日本を代表する絵本作家であるせなけいこの絵本。せなけいこが、絵本を欲しがる息子の為に作成したそうです。2歳の子でもめくりやすく、持ちやすいサイズと飽きずに読めるページ数になります。貼り絵で描かれているので、絵本から優しいあたたかさが漂ってくるのかもしれません。
- 著者
- ["せな けいこ", "せな けいこ"]
- 出版日
人参というと何を連想しますか?人参が嫌いな子は、けっこういますよね。口から出したり、お皿から出してしまったりする子もいるのではないでしょうか。この絵本は人参が大好きな子ばかりでてきます。
「にんじんの すきなこ だあれ」と、とても綺麗な美味しそうなにんじん。うまさんやきりんさん、ぶたさん等が、「ああ おいしい」と、とっても嬉しそうに人参を食べていきます。
人参を好きな子は、もっと好きに、嫌いな子は読んでいるうちに抵抗感が薄れていくのではないかと思えるくらいに、美味しそうに描かれています。無理強いするような感じはまったくないので、自然に絵本の中のみんなが大好きな人参に興味を持ち始めるのではないでしょうか。
くまの男の子がお父さんに遊んでもらっています。
「おとうさんの あしのうえに
ぼくが のって、
えっちら おっちら。」
(『おとうさん あそぼう』より引用)
この次は、高い高いをしてもらいます。
そう、そう、お父さんに遊んでもらう時ってこんな感じ!と思わず納得してしまうくらい、リアルに表現されています。たとえば抱っこひとつとっても、お父さんとお母さんの抱っこの仕方は異なるでしょう。お母さんは優しく包み込むように、お父さんは力強く抱っこしてくれるはず。
本作では、小さな男の子が大好きなお父さんと触れ合えて喜ぶ様子が存分に描かれています。
- 著者
- ["渡辺 茂男", "大友 康夫"]
- 出版日
ここに描かれているお父さんも、とても力強く大きな存在。大きな包容力で男の子を包んであげる様子がどのページからも感じとれます。ダイナミックさを感じる全身を使った遊びはお父さんならではでしょう。
男の子のとっても嬉しそうな甘えた顔が、何ともいえず可愛らしく描かれています。2歳の男の子は、自分とくまの子を重ねて、物語を楽しむことができるでしょう。読んだ後には、「ぱぱ、だっこ!」という声が聞こえてきそうですね。
かわいい女の子が、小さな可愛いさくらんぼの柄のパンツをはいています。その可愛らしいパンツを大好きなお母さんがはくと、びよーんと伸びて、リンゴ柄のパンツになってしまいました。
女の子は、ネズミの柄のパンツ、お魚の柄のパンツと、何枚もはき替えていきます。それらのパンツをお母さんもはいてみます。お母さんがはくと、どんな柄のパンツになってしまうのでしょうか?
- 著者
- 山岡 ひかる
- 出版日
ストーリーが面白おかしく、子どもがきゃっきゃと喜んでくれるでしょう。読み聞かせをしている大人も、思わず笑ってしまいます。親子で笑えるユーモアにあふれているので、2歳から楽しめる絵本です。
子どもは面白いことが大好きなので、お気に入りの一冊になりそうですね。
ずいぶんリアルに描かれたワニの絵に、「可愛くない」と最初に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ギロリと光る眼、大きな口に鋭い三角の歯、ゴツゴツとした硬そうな皮膚、どこからどう見ても動物園に普通にいるワニです。
それもそのはず。作者の小風さちは、イラストレーターの山口マオに「洋服を着ているような擬人化されたワニではなく、普通の動物のワニを描いてください」と依頼したそうです。そのため、山口マオは動物園へ行って本物のワニを観察してから制作に入られたそう。
『わにわにのえほんセット』は日常的にある題材をテーマとしているのですが、山口マオが描く「わにわに」はとてもシュールで独特な雰囲気があり、妙に気になる存在です。
- 著者
- ["小風 さち", "山口 マオ"]
- 出版日
わにわにの行動はどれをとっても、どことなくオヤジっぽさを感じらます。また、どこか子供っぽさも感じられ、誰しもが親近感をもってしまうのは言うまでもありません。
畳の部屋でお布団を敷いて傍らには渦巻き型の蚊取り線香を置いて寝たり、お風呂場では洗面器を頭にかぶりシャワーをマイクにして歌ったり、台所ではエプロンをつけてフライパンを片手に調理をしたりと、まるで人間がするような振る舞いをワニが普通にしているのです。
絵本ではよくあることなのかもしれませんが、最初でも述べましたように描かれるワニはとてもリアル。子どもうけするような可愛らしさはないのです。だからこそ、そのギャップに笑ってしまうのかもしれません。
「ずり ずり づづづ ずり ずり づづづ」……これは、わにわにが廊下を這う足音。普通の暮らしを送っているようですが、やっぱりワニはワニです。
物語が普通に始まり、これといったオチもなく普通に終わる、そんなどこにでもあるような日常を描いています。わにわにの生活に、子供だけではなく大人もつい覗き見したくなってしまうでしょう。
『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』は、ちょうど2歳くらいのぷくちゃんが、はじめてさらさらのパンツをはいてトイレトレーニングにチャレンジするお話です。
ぷくちゃんは初めてのパンツの履き心地に感動し、かっこよく歩いてみたり、走り回ってみたり……。しかし、おしっこを漏らしてしまって困った顔になってしまいます。おかわりパンツを履いたぷくちゃんは、遊びに夢中になっても、そろそろ出そうだと気づいてお母さんを呼ぶことができるようになりました。
遊びに夢中になって漏らしてしまい、お昼寝の後に漏らしてしまい、ついには漏らさずにトイレにたどりついたけどパンツを脱ぎ忘れてしまうぷくちゃん。わが子のトイレトレーニングはハラハラするお母さんでも、ぷくちゃんのトレーニングは優しい気持ちで見守ってあげられるでしょう。
- 著者
- ひろかわ さえこ
- 出版日
大人の力を借りずに何でも自分でやりたいと思いはじめる2歳前後は、トイレトレーニングを始めるのにぴったりな時期です。読み聞かせた後は、何度でも失敗していいんだよと教えてあげたいですね。
最後のページにはさまざまな色と柄のパンツがずらりと並んでいます。どのパンツが好き?と子どもに聞いてみて、子どもとパンツの距離をぐっと縮めるのもいいかもしれません。本作を子どもが気に入ってくれたら、次は子どもにすてきなパンツをプレゼントしてあげて、トイレトレーニングを開始するのもおすすめです。
とっても可愛い絵本。絵が可愛い、内容が可愛い、主人公の男の子の考えが可愛い。すべてが愛らしい雰囲気で、大人も大好きになってしまう内容です。
パジャマを着た男の子が、和室に入ってきました。和室は男の子の寝室です。
- 著者
- ["高野 文子", "高野 文子"]
- 出版日
「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん 」「あさまで よろしくおねがいします あれこれ いろいろ たのみます」(『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』より引用)
どこか大人びた言葉で挨拶をする様子に、思わず大人たちの心はきゅんとしてしまうのではないでしょうか。しかし男の子の顔は真剣!続けて、敷布団に、おねしょをしないようにお願いしました。掛布団、枕にもそれぞれお願いします。
敷布団、掛布団、枕は、願いを叶えてあげれるように男の子が寝ている間、一生懸命頑張るのでした。さあ、男の子の願いは叶えられたのでしょうか。
短い文章なので、2歳の子でも充分楽しめる内容となっています。男の子が敷布団、掛布団、枕に守られてとっても安心して眠るように、子どもたちにも守られている安心感を感じて欲しいですね。
道路標札に駅やショッピングセンターの標札など、子どもたちが生活の中で目にすることが多いマークについて、分かりやすく教えてくれる図鑑です。
まずは、マークと説明がひとつひとつ丁寧に描かれ、次にそのマークが使われている場面が子どもにも分かりやすい絵で描かれています。たとえば道路標札は、街中の道路と山道の道路では必要な標識が違うので、両方の場面について描かれるなどの工夫がされていることによって、その場面が目に浮かびやすく覚えやすいですよ。
2歳くらいの年齢ですと、意味を理解するのは難しいかもしれませんが、まずはマークに興味を持ってもらうことから。親子で読むうちに、意味も理解できるようになり、楽しみながら読めるでしょう。
- 著者
- []
- 出版日
日常の中にあふれている標識や標札。子どもに聞かれれば説明しますが、全部を伝えることはなかなか難しいですよね。
知っていることで子どもが自分で危険を察知できたり、マナーを守ることができたりと生活する中で必要な知識です。社会のルールを覚える第一歩ともなりますね。
図鑑に出てきたマークを外出した時に目にすると、子どもは喜んで伝えようとします。そうして、図鑑の中だけではなく本当の知識としてつながっていくでしょう。
「ふれあい」とタイトルに入ってる通り、自然とのふれ合い方が丁寧に描かれている図鑑です。虫の飼い方や草花を使った冠の作り方など、お父さん、お母さんが子どもの頃に夢中になった遊びもたくさん紹介されています。大人が読むと懐かしく、親子で楽しむことができるでしょう。
もちろん遊びだけではなく、生息している虫や身近に咲いている草花が季節ごとに写真で分かりやすく紹介されています。その数は約1200種類。まずは見つけることがふれ合いの第一歩ですので、写真を見ながら自然の中の生き物を探してみてくださいね。きっと、今まで気がつかなかった場所にも自然の宝物はたくさん隠れているはずですよ。
- 著者
- 学研教育出版
- 出版日
子どもの頃は虫を飼ったり草花遊びをしたり、自然の中で遊んでいたけれど、その方法を忘れてしまったという方も多いのではないでしょうか?子どもに自然の楽しさを伝えたい、そんな時に役に立つ図鑑です。
子どもと一緒にあらためて学びながら、自然とたくさんふれ合ってみてください。きっと小さな子どもたちにも楽しさは伝わるはずです。そして、もう少し大きくなってきたら自分で図鑑を見ながら虫や草花を見つけたり、夢中になって遊んだりするようになりますので、小さいうちから小学生くらいまで長く使える一冊です。
図鑑にしては小さい作りなので、持ち運んで使うのにも最適。ぜひ、自然とのふれ合いのバイブルにしてみてくださいね。
以上、2歳におすすめの絵本を選びました。どれもご両親が子どもの時にはすでに発行されているものばかりです。懐かしいなと思ったものもあるのではないのでしょうか?
いい作品は長く読み継がれていきますよね。お子さんのその時のその時の状況に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。