アニメ化漫画『100万の命の上に俺は立っている』協調性ゼロ主人公にハマる!

更新:2021.11.23

2020年10月にアニメ化された『100万の命の上に俺は立っている』。合理主義で協調性ゼロの主人公が、クエストクリアのために仲間を見捨てるという、異色の異世界転生漫画となっています。 謎やゲーム要素が多く含まれており、考察好き、RPG好きにはぜひ読んで欲しい作品です。この記事では本作の見どころを紹介します。

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漫画『100万の命の上に俺は立っている』が2020年10月にアニメ化!あらすじや魅力を徹底解説

『100万の命の上に俺は立っている』は、2016年より「別冊少年マガジン」にて連載中の異世界転生もの。中学3年生の主人公・四谷友助が、ある日突然、異世界に飛ばされて同級生の女子2人とともに様々なクエストをクリアしていく冒険ファンタジーストーリーです。

合理主義の四谷友助が、クエストをクリアするために冷徹な決断をする描写が描かれることが最大の特徴。少年漫画の主人公らしくない姿が、他の異世界ものとは違うと人気を集めています。異世界転生は好きだけれど王道のストーリーには飽きたという方におすすめです。

2020年10月にはアニメ放送が始まりました。しかし第1話の本編全てがフリー素材の「いらすとや」で描かれるワケあり版が放送され、ネットは騒然となりました。

またアニメ第3話では、現代のゲームマスター役に元プロレスラーの天龍源一郎が声を務めたことでも注目を浴びます。

漫画の振り切ったストーリーを生かしつつ、アニメでも視聴者を驚かせる挑戦的な演出をしている『100万の命の上に俺は立っている』。ここからは漫画のあらすじや見どころを紹介していきます。

主人公がクレイジー⁉漫画『100万の命の上に俺は立っている』のあらすじ

主人公の四谷友助は、合理主義な中学3年生。部活にも所属せず、友だちも作らず、毎日1人で過ごしていました。

ある日の放課後、日直の仕事で教室にいた四谷は、突然異世界に飛ばされてしまいます。目の前の光景に驚いていると、クラスメイトの新堂衣宇箱崎紅末が現れます。

そこへ、ゲームマスターと名乗る謎の生物が声をかけてきました。そしてそのまま一方的に異世界のルールを説明され、クエストをクリアするように言われてしまった四谷。混乱しながらも女子2人と力を合わせて、クエストをクリアすることになりますが、その途中で新堂が化け物に食べられてしまい……。早速ピンチを迎えてしまった四谷たちは、この後どうなってしまうのでしょうか。

著者
["奈央 晃徳", "山川 直輝"]
出版日

突如、異世界へと飛ばされ、ゲームマスターに言われるがまま、クエストをこなすことになった四谷たち。何故自分たちが選ばれ、何のために飛ばされたのか、まったく分からない状況です。しかし、四谷が加入したことで、大きな動きが出てきます。

それは彼が努力をしなければ、東京が滅ぶ可能性があるということ。つまり、彼が異世界で努力をしない選択や行動をすれば、現実世界の東京が滅んでしまうかもしれないというのです。四谷は田舎から東京へと引っ越してきており、何かしらの事情で東京と東京人をかなり嫌っています。

彼が選ばれたのも、このことが関係しているのでしょうか。合理主義で冷徹な四谷なら、もしかしたら東京を滅ぼしてもいいと考えかねません。彼の今後の行動に注目です。

【登場人物紹介】ゲームマスターに選ばれた参加者たち

ここでは異世界に飛ばされたプレイヤーたちを紹介します。

四谷友助(よつやゆうすけ)

合理主義で単独行動を好む主人公。小学6年生の時に、田舎から東京へ転校してきました。田舎にいた頃はお調子者のムードメーカーで友だちがいましたが、東京で何かがあり東京と東京人を嫌うように。無気力な雰囲気から、クラスでは変わったヤツと思われています。3人目のプレイヤーとして異世界に飛ばされます。

新堂衣宇(しんどういう)

四谷のクラスメイトで、1人目のプレイヤー。運動神経抜群でクラスの人気者、モデルもこなす金髪美少女です。明るく活発な性格で、異世界ではチームを引っ張っていきます。過去に姉のように慕っていた女性を、いじめが原因で亡くしており、誰よりも差別やいじめを嫌っています

箱崎紅末(はこざきくすえ)

新堂と同じく、四谷のクラスメイトで2人目のプレイヤー。運動を禁止されるほどの虚弱体質で、毎月5万円もする薬を飲んでいます。自分のせいで周囲に迷惑をかけていることに負い目を感じており、異世界では仲間の役に立ちたいと奮闘。しかし暴力が嫌いで、異世界で敵を倒すことに葛藤しています。将来は薬学部のある大学に進学し、薬の研究をすることが夢。

『100万の命の上に俺は立っている』1巻

時舘由香(ときたて ゆか)

女性向けソーシャルゲーム好きのオタク女子高生で、4人目のプレイヤー。四谷が与えられたクエストがきっかけで知り合います。自分を守るために、空気を読んで生きてきた現代っ子。クエストクリアしか考えていないKYな四谷や、パーフェクトリア充な新堂をあまり良くは思っていません。箱崎だけは唯一、自分と同じまともな人間だと思っています。

鳥井啓太(とりいけいた)

中学中退の19歳、5人目のプレイヤー。父親は犯罪を犯し何度も逮捕、母親と弟と暮らしていました。借金を理由に騙されて殺人を犯しそうになりますが、四谷に助けられまます。性格は裏表のなくノリがよいお調子者

グレンダ・カーター

世界中を旅しながら、ドキュメンタリー映画を撮影するアメリカ人女性。6人目のプレイヤーとして参加します。参加前から異世界について調べており、海外の異世界チームと連絡を取ってゲームマスターと接触もしていました。知識も経験も豊富なため、四谷から尊敬されています。

二繁羽樹(ふたしげはばき)

7人目のプレイヤー。ブラック企業で働いており、ストレスばかりの日々に嫌気が差して自殺しようとしたところを四谷に助けられます。精神が弱い

漫画『100万の命の上に俺は立っている』見どころ①:実はパラレルワールド!異世界のルール

『100万の命の上に俺は立っている』を深く読んでいくためには、異世界のルールや仕組みを知る必要があります。ということで、このセクションでは異世界について紹介してきましょう。

1.クエストをクリアしないと死亡

ゲームマスターが出すクエストをクリアすることで、現実世界に戻ることができます。しかし、制限時間内に終わらない、もしくはチーム全員死んでしまったらゲームオーバーとなり、プレイヤーは現実世界でも死亡扱いとなってしまうのです。

2.死んでも生き返る

クエスト中に死んだとしても、チームの誰かが生きていたら、数十秒後に生き返ることができます。生き返るまでの時間はチーム人数×10秒。ただし、再生されない場合もあります。たとえばモンスターに捕食された場合。相手の胃を引き裂くか、排泄されるまで再生されません。異世界は痛覚が現実世界の36分の1。傷を負っても血は流れません。

3.最終的なクリアには10人必要

クエストは全部で10個。クエストを1つクリアするごとに、プレイヤーが1人追加される仕組みです。

4.職業制

異世界はドラクエのような職業システムになっており、ルーレットでどの職業に就くのかが決まるのです。また、レベルが10に達すると、再度ルーレットを回して別の職業に就くことが可能に。四谷はこの仕組みを利用して、様々な職業にジョブチェンジします。

5.異世界はパラレルワールド

異世界に飛ばされた四谷たちですが、実は未来人であるゲームマスターたちが作りだしたパラレルワールドでした。だからこそ、四谷たちがクエストクリアの過程で、クエストに失敗したり全滅したら、現実世界も同じように死亡扱いになってしまうのです。

5.クエストクリアの報酬

ちなみにクエストクリアの報酬は、ゲームマスターへ1つ質問する権利が貰えるということだけ。しかもこの対象は、初参加のプレイヤーにしか与えられないのです。

全員死んだら終わりの命がけの戦いでありながら、クエストをクリアするためには何度も命を捨てまくらないといけない、複雑な四谷たちの戦い。このルールが『100万の命の上に俺は立っている』の盛り上がりを作ります。

漫画『100万の命の上に俺は立っている』見どころ②:協調性ゼロ!主人公・四谷友助

「異世界転生ものって大体同じ展開でしょ?」と思われがちですが、『100万の命の上に俺は立っている』は違います。主人公の四谷が、とにかく異色過ぎるのです。

登場人物紹介でも解説したように、四谷は合理主義。クエストをクリアするためなら、仲間を見捨てることもアリという考えを持っています。実際、本当に仲間の命が危うい時も、助けないという選択をしてクエストをクリアしました。

よい意味で言えばクールですが、ストレートに言えば冷徹な主人公です。はっきり言って、人間らしさも協調性もゼロで、少年漫画の主人公ならではの情熱というものはまったく感じられません。

しかし、クエスト中にピンチになると、彼の能力が冴えまくります。もともと田舎で暮らしていたため、サバイバル能力が高い四谷。そして、どんな時でも冷静に判断できる力を持っています。普段は冷徹な彼ですが、ピンチの時には周りを驚かせるアイディアを出してクエストをクリアしていくのです。

そんな彼が、今後どのように異世界で成長していくのか期待したいですね。

【漫画のここが気になる!①】『100万の命の上に俺は立っている』のゲームマスターは何者?

『100万の命の上に俺は立っている』に出ている登場人物の中で、一番怪しい存在といえば、四谷たちを異世界へと召喚したゲームマスターでしょう。

『100万の命の上に俺は立っている』1巻

まず見た目が、かなり変態っぽいです。顔が上半分なく全裸で、大事な部分だけ手のひらと星の模様で隠されています。現実世界では、麦わら帽子と白いワンピースを着た黒髪ロングの少女や、サングラスにスキンヘッドの成人男性の姿で四谷の前に登場しました。

また話し方も独特で、「初めまし。こんにち。」と、語尾が途切れています。

見た目も話し方も、存在自体が得体のしれないものですが、本人いわく未来人とのこと。それ以上の情報は、まだ明かされていません。クエストをクリアしていく過程で、謎多き存在であるゲームマスターの正体も明かされていくのでしょうか。

【漫画のここが気になる!②】『100万の命の上に俺は立っている』なぜ四谷たちは異世界に飛ばされたのか?

とにかく謎が多い『100万の命の上に俺は立っている』。四谷たちを異世界へと召喚したゲームマスターの存在も気になりますが、それ以上に気になるのが四谷たちが選ばれた理由です。そもそも何のために、彼らは異世界に飛ばされたのでしょうか。

そのヒントとなるのが、クエストクリアの報酬としてプレイヤーがこれまでにした質問と回答です。ここまでの質問と回答をまとめてみました。

クエスト1回目

質問「なぜ選ばれたのか」

回答「あなた方のとある知人に依頼されて」

クエスト2回目

質問「あなたたちは何者?」

回答「未来人」

クエスト3回目

質問「10週目または10週目クリア後、俺達は何をする?」

回答「我々の世界線で起こったverの映像をご覧ください」

ここでは現実世界でドラゴンと戦う四谷たちの姿を見せられます。

クエスト4回目

質問「この世界って仮想空間ってこと?」

回答「46億年前に分岐したものの人類そっくりの知的生命体が誕生し、彼らが人類史に似た歴史を送っているというために波長が合ったという、別可能性上の地球である」

異世界はパラレルワールドであるということ。

クエスト5回目

質問「あの竜術士は何がしたかった?」

回答「ドラゴンの復活」

クエスト6回目

質問「なぜクエストに失敗したら死ぬのか」

回答「有限のリソースの中で最大限の効果を発揮できる手段を選んだ結果」

この質問の中で、1番気になるのが1回目のクエストクリアでの回答。「とある知人に依頼されて」と答えていますが、このとある知人とは一体誰なのでしょう。現実世界で、プレイヤー全員と繋がりのある人物が関係しているということなのでしょうか。もしかしたらその人物が、今後異世界に登場することもあるかもしれませんね。


まとめ

クエストクリアを最優先する四谷が、時には仲間を見捨てるという少年漫画らしくない展開と、彼らが異世界へと飛ばされた理由。クエストクリアごとに明かされていく異世界の謎は、四谷たちをさらに混乱させていくものばかりです。残されたプレイヤーは、あと3人。彼らは無事、クエストをクリアして元の世界に戻ることができるのでしょうか。

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