魔女や魔法が出てくる絵本おすすめ6選!子どもが読んでも怖くない不思議な世界

更新:2021.12.8

自在に魔法を扱い、不思議な薬を作るなど、どこか不気味ながらも興味深い存在の魔女。この記事では、子どもが読んでも怖くない、ウィットに富んで想像力を膨らませてくれる絵本を紹介していきます。

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魔女のほうきをきっかけにした展開が楽しいおすすめ絵本『まじょのほうき』

突然、空から落ちてしまった魔女。相棒のほうきが折れてしまったのです。切り株の上に壊れたほうきを置いて、代わりの柄となる棒を探しに出掛けます。

そこにやってきたのはトラでした。トラは壊れたほうきを手に取って、匂いを嗅いでみたり、広げてみたり。そして頭の上に乗せてみると……。

著者
めぐみ, さとう
出版日

2004年に刊行され、「ようちえん絵本大賞」を受賞したさとうめぐみの作品。作者は東京藝術大学大学院で日本画を専攻した経歴があります。

頭の上にほうきを乗せたトラは、自分の体についていた縞模様を置いてライオンに変身。すると今度はロバが縞模様を手にし、シマウマに変身……次々と姿を変えていく動物たちとテンポの良いストーリーが小気味良く、何度も笑いどころがあるのが魅力です。

また結末にも注目。元の姿に戻った動物たちが、自身の体験をもとに大切なことを教えてくれます。わかりやすくも納得のできる物語に、本書の「魔法」を感じることができるでしょう。

ユーモアたっぷりの魔女に惹かれるおすすめ絵本『となりのまじょのマジョンナさん』

女の子の家の隣りに引っ越してきたマジョンナさんは、一見普通に見えるけどちょっと風変わりな暮らしをしています。家も真っ黒、洗濯物も真っ黒。

ある日、彼女の正体が魔女だと知った近所の大人たちが、マジョンナさんに出て行けと迫りました。怒ったマジョンナさんは呪文を唱えはじめ……。

「ノナナ・ナノナ・ブリヒルナーナノ・ノナーナブリヒルナー」(『となりのまじょのマジョンナさん』より引用)

著者
["ノーマン ブリッドウェル", "ヒデ子, 長野", "Bridwell,Norman", "るり, 長月"]
出版日

アメリカの絵本作家ノーマン・ブリッドウェルと、日本で多数の絵本を発表している長野ヒデ子による日米合作の絵本です。2001年に刊行されました。

まず目を引くのが、キュートなイラスト。コウモリやカタツムリなどの動物たちも愛らしく、怖さはまったくありません。

「魔女」というだけで差別をする大人へ向けられた魔法は、痛快の一言。さらに大人たちと同じ魔法をかけてほしいとおねだりをする女の子に、マジョンナさんが掛ける言葉もまた心憎いのです。ユーモアたっぷりで親しみを感じる魔女が身近にいたらと想像が膨らむおすすめの一冊です。

豪華な画家陣の絵を堪能できる大人にもおすすめの絵本『魔女からの手紙』

ヤヤの家のポストに、1枚の手紙が届きました。宛名は、ふかもりカスレ。ヤヤのひいおばあちゃんの名前です。でもひいおばあちゃんはもういません。

不思議なお友達がたくさんいたというひいおばあちゃん。ヤヤが思い出を探してみると、20人の魔女から届いた手紙が見つかりました。

著者
["角野 栄子", "Dick Bruna他", "Bruna,Dick"]
出版日

国内外で活躍する絵本画家20人の絵に、角野栄子がストーリーをつけた作品です。1997年に刊行されました。ディック・ブルーナや荒井良二など、どこかで見たことのある絵が勢揃い。大人が見るとより豪華に感じるかもしれません。

本書のテーマは、ずばり魔女。20人の画家が描いた魔女にぴったりの文章が魅力的です。ワクワクするものやグッとくるものなど内容はさまざま。お気に入りの絵を見つけるのも楽しいでしょう。

巻末には「魔女の国特製切手シール」もついていて、実際に手紙を送りたくなること間違いなし。どこか不思議な魔女と魔法の世界に思いを馳せることができる絵本です。

女の子と魔女たちのチグハグなやりとりが痛快な絵本『おばけやしきへようこそ!』

森の奥に、ひっそりとそびえたつお化け屋敷がありました。人が訪れることはなく、魔女や幽霊たちなど屋敷の住人たちは、自身の怖さを発揮できない日々を過ごしていました。

しかしある日、迷子になった女の子が一夜の宿を求めてお化け屋敷を訪れるのです。魔女や幽霊たちは、待っていましたとばかりに次々に女の子を驚かせようとしますが……。

著者
キッキ ストリード
出版日

スウェーデンの作家とイラストレーターが手掛けた作品。日本では1996年に刊行されました。翻訳を担当したオスターグレン晴子は、多くの北欧絵本を日本に紹介している人物です。

魔女、幽霊、さらにはモンスターなどかわるがわる登場するにもかかわらず、女の子はとっても冷静で物怖じしません。そのやりとりが滑稽で、思わずくすっと笑ってしまうでしょう。

無事に一夜を過ごした女の子は、しっかりと朝食を食べて帰宅の途へ。魔女たちとすっかり打ち解けた姿にも注目です。

魔女ってどんな生活をしているの?『魔女のひみつ』

皆さんは「魔女」と聞いてどんな姿や生活ぶりを想像しますか?本書は、魔女の生活スタイルや年中行事などを楽しいイラストで紹介した作品です。

たとえばハロウィーンは、魔女にとって大切な日。魔女の世界では1年の始まりの日なんですって。かがり火を囲んで朝までひたすら踊って過ごすとか。

また魔女たちはスウィーツが大好き。魔女プリンはカエルの卵にシロップをかけたもので、ゼリーはイモリで作るそうですよ。どんなお味がするのでしょうね。

著者
コリン ホーキンス
出版日

イギリスのコリン・ホーキンスの作品で、日本では1995年に刊行されました。

ファッションや買い物など、身近なテーマが見開き毎に掲載され、関心を寄せやすい構成になっています。本文にはルビもついているので、子どもでも楽しく読むことができるでしょう。

魔女の絵は、表情が面白くユーモアにあふれたもの。いつかは私も魔女になれるかも、と夢が拡がる作品です。

魔女に関するあらゆることがわかるおすすめ絵本『魔女図鑑』

魔女の情報があまねく詰め込まれた図鑑です。

皆さんは、「みみずのスープ」ってご存知ですか?本書によると、これは魔女のお料理。魔女の好物には「毒きのこパイ」なんてお料理もあるようです。レシピが掲載されていたり、魔女が使う小物も図案が紹介されたりと、チャレンジしたくなる内容です。

著者
マルカム バード
出版日

世界14ヵ国で人気となった作品。日本では1992年に刊行されました。作者はイギリスのマルカム・バードで、子ども服のデザイナーから絵本作家に転身したそうです。

副題は「魔女になるための11の レッスン」。このタイトルを見ただけで、なんだかワクワクしちゃいますね。魔女の衣食住はもちろんのこと、魔法のかけ方まで紹介されており、これだけ詳細に魔女を紹介した作品はないのでは、と思えるボリュームです。

大人をも唸らせるウィットに富んだ内容で、手放せなくなる作品です。

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