「ジャンプスクエア」にて絶賛連載中の『双星の陰陽師』をネタバレ紹介! テレビアニメ化もされ、000000陰陽師たちのバトルアクション漫画として人気を博しています。2020年現在、最新刊23巻が発売されたばかり。ますます目が離せない『双星の陰陽師』をネタバレも含めながら紹介します。
「ジャンプスクエア」にて、2013年より連載されている人気漫画『双星の陰陽師』。2016年にはテレビアニメ化され人気を博しました。
テレビアニメの放送は終了しましたが、最新23巻の展開が熱い!と話題に。「アニメは見ていたけど漫画の最新展開は追っていない」という方にも、ぜひ本作の漫画の魅力をお伝えしたいと思います。
子どもながらに陰陽師の焔魔堂ろくろと同じく陰陽師でろくろと同い年の少女・化野紅緒。彼らの運命的な出会いを軸に、世界を守る陰陽師とその宿敵・ケガレとの戦いを描いた物語です。
安倍晴明で知られる陰陽師たちの物語は、これまで多くの小説や漫画で扱われてきました。しかし、ここまで深く陰陽師を扱った漫画作品はなかなかありません。
実際の陰陽師の歴史は古く、古代より伝わる思想を平安時代には宗教化。それとともに陰陽師の地位も神格化されていきました。そんな時代に現れたのが、安倍晴明。本作でも、安倍晴明は重要人物であり物語の鍵を握る人物として登場します。これまで晴明は男性として認識されてきましたが、本作ではなんと女性という設定に。ここがまたポイントとなっていきますので、ぜひ押さえておいてください。
この陰陽師とケガレとの対決を迫力あるバトルシーンで描いていくのが『双星の陰陽師』。それと当時に、登場人物たちのバックボーンや成長物語という人間ドラマも熱く描かれています。
陰陽師候補生の頃、「雛月(ひいなづき)の悲劇」を経験した唯一の生き残り。その際、ケガレの呪いに勝ち強い力を手に入れました。事件後は陰陽師になることを拒んでいましたが、化野紅緒との出会いをきっかけに再び陰陽師として戦うことを決意。陰陽頭・有馬から紅緒と2人「双星の陰陽師」であるという神託を受けます。
アニメの声:花江夏樹
強力な陰陽師を輩出してきた京都の名家・化野家の娘。強い呪力を持つ高位の陰陽師です。両親をケガレに殺され、双子の兄・悠斗と離れ離れになってしまいます。両親の仇討ちと、この世のすべてのケガレを払うことを目標に陰陽師として活動。陰陽頭・有馬の神託によって、ろくろと「双星の陰陽師」であると告げられます。
アニメの声:潘めぐみ
両親の死をきっかけに、双子の妹・紅緒と離れ石鏡家に引き取られます。その後、雛月寮でろくろと出会うことに。「雛月の悲劇」で死んだと伝えられていましたが、実は事件を起こした張本人でした。自らもケガレとなり強大な力を得て、ろくろと紅緒の前に現れます。
アニメの声:村瀬歩
ろくろの幼馴染で、彼が住む星火寮の長・善吉の孫娘で清弦の娘。ろくろに恋心を抱いています。高い呪力を持ち、ろくろや紅緒たちと戦いたい一心で陰陽師の修行をすることになります。
アニメの声:芹澤優
繭良の父親であり、ろくろや悠斗の師匠でもあります。最高ランク陰陽師・十二天将の中で式神・白虎に認められた陰陽師。一見口が悪く冷たい印象ですが、非常に弟子思いで常に気にかけています。陰陽師としては冷静で的確な判断力を持ち合わせ、キャラクター人気投票では1位を獲得。清弦を主人公としたスピンオフ小説やコミックも刊行されています。
アニメの声:諏訪部順一
全ての陰陽師のトップである陰陽頭。ろくろと紅緒が「双星の陰陽師」であると神託を受けたため、2人の仲を取り持とうと試練を与えます。飄々としていますが、内実目的達成のためなら手段も選ばない非情さも持ち合わせた人物。陰陽師としても高い呪力を持っています。
アニメの声:浪川大輔
最高ランク陰陽師・十二天将の1人で、式神・朱雀の力を持つ陰陽師。14歳の時に十二天将になった実力派です。同じ十二天将である清弦を尊敬しています。陰陽師としては、朱雀の羽を用いた飛行の呪術を使うことができる稀有な存在です。人気投票では4位を獲得しています。
アニメの声:石川界人
最強の陰陽師と名高い鸕宮家の当主。十二天将の1人で貴人の力を持つ陰陽師です。茶色の右眼と金色の左眼をしたオッドアイで、人気投票では2位を獲得しました。十二天将のなかでも最強といわれていますが、傲慢な性格のため他の十二天将からたしなめられることも。
アニメの声:下野紘
焔魔堂ろくろは少年陰陽師。陰陽師とは「禍野」と呼ばれる異なる世界から人間を襲いに来る怪物「ケガレ」を祓い清めることができる人間のこと。ろくろは、2年前に起きた「雛月の悲劇」の唯一の生き残りでした。そこでの出来事がトラウマとなり、陰陽師から離れて暮らしていたろくろ。そんなある日、空から降りてきた少女・化野紅緒と出会います。実は彼女も陰陽師だったのです。
2人は、陰陽頭である土御門有馬に「双星の陰陽師」としての称号を与えられます。彼らの使命は子どもを作ること。その子どもが「神子」となり、人類と「ケガレ」との戦いを終わらせるというのですが……。最初は反発し合うろくろと紅緒でしたが、徐々に信頼関係を築いていきます。
物語はこの「雛月の悲劇」を起こした張本人である石鏡悠斗と双星の陰陽師との戦いを軸に描いています。悠斗は、かつてろくろの親友でもあり、紅緒の双子の兄でもありました。そんな因縁の戦いだけでなく、ケガレが進化した婆娑羅という存在も登場し、陰陽師たちの戦いは苦戦を強いられていきます。
ろくろ出生の秘密、紅緒の呪力喪失、最強の陰陽師を決める御前試合……戦いの中で双星の陰陽師には、それぞれの試練が待ち受けているのでした。それらを乗り越え、さらなる強さと絆を深めていくろくろと紅緒。彼らの運命的な出会いから人として陰陽師としての成長を描いた物語です。
- 著者
- 助野 嘉昭
- 出版日
陰陽師の戦いというと、祈祷や呪術をかけて超常的な現象を起こさせものとイメージしがちですが、『双星の陰陽師』では一味違います。
本作で登場する陰陽師は、それぞれ独自の「呪装」と呼ばれる武器や防具を身にまといます。また、霊的なエネルギーを封じ込めたお札である「霊符」を用い、武器や肉体の強化ができるのです。この「霊符」は陰陽師が自分で作ることもできます。
陰陽師たちはそれぞれが修行で得た術式や技を駆使し、ケガレに立ち向かいます。この技を使い壮絶なバトルを繰り返していくのです。陰陽師ごとに異なるさまざまな術式や技をみることができるバトルシーンは大きな見どころのひとつ。
人類を守るため、大切な人を守るため戦う陰陽師たちの姿は勇ましく、時に自分の身を犠牲にしてでも戦いぬく姿に感動を覚えます。
『双星の陰陽師』はいわゆるBoy Meets Girlものでもあります。つまり、少年が少女と出会い恋に落ちるという物語です。
ろくろと紅緒は運命的な出会いを果たし、有馬から「双星の陰陽師」であることを告げられます。その使命は2人が結ばれ「神子」を生むというもの。最初の出会いでまだ中学生だった2人は反発し合います。それでも、ともに戦い苦難を乗り越え、互いを知るうちに自然と芽生える感情。それはいつしか恋心へと発展していきます。
最新23巻では、ろくろと紅緒がついに結婚。彼らの子どもの頃からの成長を見続けてきた読者にも2人の結婚は感慨深いものがあるのではないでしょうか。『双星の陰陽師』は究極の恋愛物語といっても過言ではありませんね。
- 著者
- 助野 嘉昭
- 出版日
23巻発売を記念して、「ジャンプスクエア」公式からPVも公開されています。
原作者・助野嘉昭の描く『双星の陰陽師』は、絵柄の美しさにも定評があります。女性キャラクターはもちろん、男性キャラクターも美しく描かれていることが多くみられます。
壮絶なバトルシーンにおいてすら、陰陽師たちが戦う姿に迫力を感じつつもどこか華麗さも感じられるのです。陰陽師たちが使うさまざまな術式や技を駆使するシーン、十二天将が自身の持つ力を開放するシーンなどは独特の美しさを醸し出しています。
特に光の描き方が特徴的。線のみで表現しているとは思えないその美麗な絵柄は思わず圧倒されてしまうほど。ぜひ実際に読んで注目してほしいポイントです。
2013年より連載が始まった『双星の陰陽師』は、2016年よりテレビアニメ化され1年間放送されました。ファンの間でも大きな話題となったのが、原作とアニメでは異なる物語であるということでした。
アニメ版は全50話。そのうち20話あたりまでは比較的、原作に近い展開をしていきます。石鏡悠斗が「雛月の悲劇」を起こした張本人であることを知った双星の陰陽師と最初の決着をつけるという物語です。この後、原作とアニメは別々の物語が進んでいきます。
漫画では悠斗との戦いを終え、さらなる強さを求め陰流陰陽師の総本山がある土御門島に向かうろくろと呪力を喪失してしまう紅緒。それぞれのやるべきことをなし、悠斗討祓を誓います。そのなかでろくろは、最も陽の力をコントロールできる「太陽」の存在であることがわかります。その反対に、紅緒は全てのケガレから呪力を得ることができる「太陰」の力が目覚めることに。
一方アニメでは悠斗との死闘の後、龍黒点という禍野の穴が日本各地に出現。同時に小枝という女の子がろくろの前に現れます。双星の陰陽師と十二天将が尽力し次々と龍黒点を封印しますが、最後には小枝の力で完全封印することに。
そんななか、ろくろの正体が安倍晴明が仕掛けた人類粛清のための「破星王」だということがわかります。対して、紅緒は莫大な陽の気を持った陰陽師であることもわかるのでした。晴明の計画を阻止すべく動くろくろと紅緒、陰陽師の仲間たちを描いています。
こうして異なる物語として展開していく漫画とアニメ。熱き物語はそのままに、陰陽師たちが秘めた葛藤を乗り越えながら戦う姿、諦めないその強さはどちらも健在です。漫画、アニメと別々の物語として十分に楽しむことができます。
テレビアニメの情報は<TVアニメ「双星の陰陽師」公式サイト>でもご覧いただけます。
『双星の陰陽師』の原作者は助野嘉昭(すけのよしあき)。京都精華大学芸術学部マンガ学科ストーリーマンガコース卒業という経歴の持ち主です。
本格的に漫画家を目指し手塚賞に入選すると、「ジャンプスクエア」にて『ハイド博士の実験ノート』を発表。そのすぐ後、『貧乏神が!』の連載がスタートします。この『貧乏神が!』は意外なことにギャグ漫画です。『双星の陰陽師』とはまったく異なるギャグ漫画で成功を収めました。ただどちらも共通するのは霊的な世界であるということ。作者の得意な世界観なのでしょう。
『貧乏神が!』の連載終了後すぐに『双星の陰陽師』の連載が開始されます。「人を熱くする漫画を描きたい」というところから始まった『双星の陰陽師』。自身も影響を受けた『ワンピース』のように、読者の心を動かすような漫画作りを目指しているそうです。ろくろや紅緒の熱い心はそんな作者の願いから生まれているのかもしれません。
- 著者
- 助野 嘉昭
- 出版日
壮絶な戦いがくり広げられる『双星の陰陽師』。その根底にある人を思う強さや優しさは、読者の心に熱く響きます。漫画とアニメが異なる物語ということもあり2倍楽しめ、2倍泣けること間違いありません。