『夜桜さんちの大作戦』はキャラが魅力のスパイコメディ漫画!見所や謎をネタバレ

更新:2023.11.9

幼馴染を守るためスパイ一家に婿入りし、スパイとしてのスキルを上げていく高校生の闘いを描いた『夜桜さんちの大作戦』。平凡な主人公が一人前のスパイを目指していく過程と、超人的能力を持つ兄妹たちのギャグ要素満載のやりとりがおすすめのスパイアクションストーリーです。 この記事では個性的なキャラクターの紹介と、漫画の見どころをネタバレ込みで紹介します。

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権平ひつじが描くスパイ×コメディ漫画『夜桜さんちの大作戦』

『夜桜さんちの大作戦』は、「週刊少年ジャンプ」で連載中の権平ひつじによるスパイアクション漫画。平凡な男子高校生が幼馴染を守るためにスパイ一家に婿入りし、一人前のスパイへと成長していくストーリーです。

超人的能力を持つ兄妹たちに厳しく育てられ、驚異のスピードで成長していく主人公の成長劇。そこに関わってくる闇の組織との攻防戦が見どころとなっています。スパイ、アクション、異能バトル、学園ラブコメ、家族愛…といったさまざまな要素が目を引きますが、大きな筋は「純粋な少年がヒロインのために強くなる」という王道の少年漫画として楽しむことができます。

連載1周年の折には読者からオリジナルスパイを募集して盛り上がったことも。「絵が綺麗」「ストーリーが面白い」といった声がネット上で挙がっており、今後のアニメ化も期待されています。夜桜さんちの大作戦公式Twitterでは最新の情報のほか、オリジナルのイラストなどここだけのコンテンツをチェックできます。

この記事では『夜桜さんちの大作戦』のあらすじや登場キャラクターのほか、見所を詳しく解説していきます。

『夜桜さんちの大作戦』家族を失った主人公が幼馴染を救うためスパイ一家に婿入り!【あらすじ】

不慮の事故により両親と弟を亡くした朝野太陽。大切な人を失うことへの恐怖から、人と関わることにトラウマを抱えるようになります。そんな彼が唯一話せる相手が、幼馴染の夜桜六美でした。

実は六美には太陽にも明かしていない、ある秘密があったのです。それは実家が、代々続くスパイ一家であるということ。しかも長男は異常なほどのシスコンで、太陽の命を狙っていたのです。

太陽はシスコン兄から六美を守るため、彼女と結婚することを決意します。こうしてスパイ一家の一員になった太陽は、兄妹たちから一人前のスパイになるための厳しい訓練を受けるようになるのです。

著者
権平 ひつじ
出版日

【キャラ紹介】家族を失った孤独な少年・朝野太陽

『夜桜さんちの大作戦』の主人公・朝野太陽は、ごく普通の平凡な高校生です。しかしある日、不慮の事故で両親と弟を亡くし天涯孤独に。彼自身も左目に大きな傷を負います。

そして怖くなる
大事なものと絆を深めても また無くしてしまうんじゃないか
そう思うと…

(『夜桜さんちの大作戦』1巻より引用)

その後太陽は、事故がトラウマとなり、人と話すことに恐怖を感じるようになってしまいました。

そんな彼にも唯一話せる相手がいます。それが、幼馴染の夜桜六美。精神的にも生活面でも、いろいろと支えてくれる六美ですが、シスコンの兄・凶一郎に狙われたことがきっかけで、彼女がスパイ一家の娘であることを知ります。

そして、六美に対して異常すぎる執着心を持つ凶一郎から守るため、太陽は彼女と結婚することを決意。夜桜家の一員として厳しい訓練を受ける中で、スパイとしての才能を開花していきます。

辛い過去にとらわれた太陽が、何よりも大切な存在である六美を守るために、精神的にも身体的にも強く成長していく姿は見所です。

【キャラ紹介】スパイ一家10代目当主ヒロイン・夜桜六美

『夜桜さんちの大作戦』のヒロイン・夜桜六美は、可愛らしい見た目と明るく優しい性格で、学校のアイドル的存在として大人気。太陽とは小学校の頃からの幼馴染で、事故で家族を失った彼を気にかけています。

まさに才色兼備である彼女ですが、実はある秘密を抱えていました。なんと夜桜家はスパイ一家だったのです。江戸時代の忍が起源とされており、六美は夜桜家の10代目当主でした。

当主である六美は、様々な方面から命を狙われており、過去にはある事件で瀕死になるほどの重傷を負います。彼女の髪の一部が白いのは、この時のストレスが原因とのこと。

シスコンの兄がおり、太陽が彼に目をつけられたことがきっかけで太陽と結婚することになります。

【キャラ紹介】全員が超人!夜桜家の兄妹たち

夜桜家

夜桜家は江戸時代の忍が起源とされているスパイ一家。この家の者は、当主以外は超人的な能力を持っているのが特徴です。夜桜家では家族間の殺人は禁止されており、一般人である太陽も婿入りしたため、凶一郎から命が狙われることがなくなります。ちなみに、夜桜家の結婚は「桜の指輪」を夫婦が持つだけで成立します。

長男・夜桜凶一郎(きょういちろう)

夜桜家の長男で、戦闘力や知力など、全てにおいてNo.1のスパイ。武器は何でも切り刻める「鋼蜘蛛」。しかし昔とある事件で六美に瀕死の重傷を負わせてしまい、それから異常なほど執着するようになります。一言で言えばシスコン。六美に変な虫が付かないように「昼川」という偽名を使って、学校の教頭として監視しています。幼馴染の太陽には、強い嫉妬を抱いている様子。

長女・夜桜二刃(ふたば)

夜桜家の長女。銀髪ツインテールに、ゴスロリファッションを着こなす20歳。合気道と柔術といった格闘技が得意で、相手と組んだ戦いになると凶一郎でも敵わないほどの強さを持っています。得意技は夜桜式柔術「しだれ組手」。3歳からスパイの訓練を受けており、6歳でスパイの任務をしていました。一見弱点はなさそうだが、幽霊や呪いといった力技では倒せないものが苦手。

次男・夜桜辛三(しんぞう)

夜桜家の次男。トラップを作ったり、機械を細工するのが得意な武器のエキスパート。大柄でヤンキーっぽい青年ですが実はヘタレで、普段はゴミ箱戦車に引きこもっています。幼い頃から武器がないと眠れず、大人になってもその性格は変わらず。武器を持っている時は、まったくの別人に見えます。ヘタレな自分を変えるべく、少しずつ武器がない時でも慣れていこうとしているそう。

次女・夜桜四怨(しおん)

夜桜家の次女。ピンク色のボブヘアーで、男勝りな性格をしています。ハッキングのプロでゲーマー。任務ではシステムをハッキングして、ゲームに変換するというスタイルで闘ったり、多数のドローンを同時に動かして相手を翻弄させます。機械に強いことから、スパイ界では「パソコンの大先生」と呼ばれているらしいが、本人は気に入っていません。

三男・夜桜嫌五(けんご)

夜桜家の三男。猫の着ぐるみを常に着用し、首には鈴を付けています。変装を得意としており、仕草や声色、体臭などを完璧に再現。時にはすべての敵を自分に変装させて自滅させたこともあります。性格はマイペースで、基本的に任務は楽しそうなものしか引き受けない自由人。兄・凶一郎を嫌っており、時々六美に変装して暴言を浴びせて落ち込ませています。

四男・夜桜七悪(ななお)

夜桜家の末っ子。身長3メートルという巨体でありながら、性格は大人しく、いつも頭に顔の描かれたバケツを被っています。超人的能力は免疫あらゆる毒に適応しており、肉体強化もできる強靭な免疫の持ち主で、医術にも長けています。さすがに学校ではそのままの姿ではいられないので、自身が開発した薬で体を縮ませて過ごしています。

番犬・ゴリアテ

夜桜家の番犬。江戸中期から品種改良をされている「大神犬(おおかみいぬ)」で、普段は小型犬ですが伸びをすると巨大化します。強靭な体と長命が特徴。また、新幹線よりも速く走ったり、高いところも水上も普通に走ります。

『夜桜さんちの大作戦』見どころ①主人公・太陽の成長劇

『夜桜さんちの大作戦』の見どころの1つとして挙げられるのが、太陽の成長劇です。太陽はシスコンの凶一郎に狙われたことがきっかけで六美と結婚し、夜桜家へと婿入りしました。

それまで、ごく普通の平凡な高校生だった太陽が、夜桜家の一員として認められるように、そして何より六美の命を守るために、一心不乱に夜桜家の厳しい訓練を受けて、兄弟たちを驚かせる成長スピードを見せます。

たとえば、訓練の予行練習として1ヶ月夜桜家で過ごした時。家には様々なトラップが仕掛けられており、太陽は1ヶ月の間にそのトラップをクリアするように言われます。

たとえば、食事に少量の下剤作用のある毒が含まれており、トイレに駆け込もうとするも部屋からは暗号を解かなければ出られない……など。初めはすべてのトラップに引っかかり悪戦苦闘していましたが、3週間目でほぼすべてクリア。

なぜ夜桜家の兄弟たちのような、超人的能力を持っていない太陽がここまで成長できたのでしょうか。そこには、六美への狂気にも近い愛があったから。「もうこれ以上大切な人を失いたくない」という想いが、太陽を強く成長させているのです。

『夜桜さんちの大作戦』見どころ②夜桜家を狙うスパイ集団

『夜桜さんちの大作戦』のなかでも飛び抜けて個性的な兄妹たちですが、彼らを狙うスパイ集団も見逃せません!ここでは物語の鍵を握る2つのスパイ集団を紹介します。

政府直属の諜報機関「ヒナギク」

ヒナギクは一言で言うと、公務員のスパイ集団。夜桜家の人間と繋がりがあるため、敵というよりは味方寄りのポジションです。

ヒナギクの室長・不動りん

凶一郎とは同級生で、学生時代から顔を合わせるたびに喧嘩するほど犬猿の仲。巨乳で大柄な体格をしており、右目に眼帯を付けている女性スパイです。得意技は「りんパンチ」。六美のことを妹のように可愛がっており、時々お茶会を開いています。

ヒナギクのエリートスパイ・蒼翠(あおいすい)

不動の部下で、班長の1人をしています。基本、無表情で任務を遂行するためならば、ターゲットが誰であろうともためらわない冷静沈着な性格。武器は刀で「桜吹雪」や「水仙式刀術」「牡丹」といった刀術の他に、音もなく高速で移動する術「花踏み」を使いこなします。

闇の組織「タンポポ」

夜桜家の当主を狙っており、過去には夜桜家の先代である六美の母親を暗殺した闇の組織。タンポポのメンバーは証として、体のどこかにタンポポの綿毛のタトゥーが彫られています。

皮下真(かわしたまこと)

表向きは皮下医院の院長をしている医者。裏では闇のスパイ組織タンポポに所属し、「葉桜」という夜桜家の血を再現したドーピング薬の実験投与をしています。

『夜桜さんちの大作戦』見どころ③ハラハラドキドキ!スリル満載の異能スパイシーン

3つ目の見所は、夜桜家兄妹が見せる圧巻の連携プレイです。スパイ界で注目されている一家なだけあって、彼らの行動にはひとつも無駄がありません。そこには家族の絆を感じさせるものがあります。

普段は六美への異常なシスコンぶりから、問題児扱いされている凶一郎が家族の先頭に立って指揮を執り、完璧に任務を遂行。兄妹たちも彼の指示に、多少の文句は言いながらも従います。

太陽が夜桜家の一員となってすぐに六美がさらわれた時には、敵のアジトへの潜入ルートやセキュリティを即解析。万が一逃した場合の逃走経路も塞ぎ、準備万端で敵を排除したりと、様々な状況をすべて予測して行動します。

1人1人が与えられた役割に責任を持ち、お互いの能力を理解し信頼し合っているからこそできる完璧な連携プレイです。映画『オーシャンズ11』のようなスペシャリスト集団の芸当が好きな方におすすめです。

『夜桜さんちの大作戦』太陽の家族はタンポポに殺された?【ネタバレ】

これまで太陽の家族は不慮の事故によって亡くなったとされてきましたが、物語は意外な展開を見せます。なんと太陽の家族の死には、六美の命を狙っているタンポポが関わっていることが判明したのです。

医療機器関係の仕事をしていた太陽の父親。そこで凶一郎は、医療業界について調査。すると、太陽の家族が亡くなった事故から一ヶ月以内に、医療関係者が15人も死んでいることが分かります。さらに亡くなった人たちから、共通する人物が浮上。それが皮下医院の院長・皮下真です。

皮下は、夜桜家の血を再現したドーピング薬「葉桜」を製造していました。太陽の父親は、その秘密に何かしら関係してしまい、殺されてしまったのです。

残念ながら現段階では、父親がどのように関わっていたのかは分かりません。こうして太陽は六美の命を守るためだけでなく、家族の死の真相を探るためにも、タンポポについて知らなければならなくなりました。

著者
権平 ひつじ
出版日

『ポロの留学記』もおすすめ!作者の権平ひつじの経歴を紹介

作者の権平ひつじは、19歳の時に「JUMPトレジャー新人賞」に『IBIS』を投稿し、佳作を受賞。2011年に「少年ジャンプNEXT!」にて『チャコの脱獄論』でデビューを果たします。2017年には「週刊少年ジャンプ」で『ポロの留学記』が連載されました。『夜桜さんちの大作戦』は約2年ぶりの連載作品です。

著者
権平 ひつじ
出版日

本作では可愛らしいヒロインを生み出す作者ですが、「恋愛経験ゼロの自身と描いたキャラの境遇の差」について言及しています。体験を超越した想像力の豊かさから作り出されたラブコメディだと言えそうです。


まとめ

大切な存在である六美を守るため、夜桜家に婿入りした太陽。様々な刺客と闘い、挫折を味わいながら成長していく姿は、誰よりも男らしいです。今まで関係ないと思っていた家族の死が、実は闇の組織タンポポと繋がっており、これからの展開にますます目が離せなくなってきました。夜桜家の闘いを最後まで見守りましょう。

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