完結漫画『鬼門街』の最終回ネタバレや登場人物を解説!鬼の力による復讐劇の結末は?

更新:2021.12.9

人の心には、隠された裏側の顔がある。鬼が出入りする街を舞台とした漫画『鬼門街』は、人の裏側に隠れているそのような悪意を浮き彫りに描いた作品です。この記事では、漫画『鬼門街』の面白さをネタバレありで紹介。その見所を徹底解説し、面白さの秘密に迫ります。

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鬼の力を手に入れた人々の物語!漫画『鬼門街』のあらすじを紹介

鬼のはびこる街が舞台の漫画『鬼門街』。同時期に大ヒットした漫画『鬼滅の刃』の模倣なのでは?という意見が一部で飛び交ったことで名前を知った方もいるかもしれません。しかし、「鬼」が登場するという点以外はまったくの別物。

では実際、どんな物語なのでしょうか。ここでは漫画『鬼門街』のあらすじを、ネタバレありで紹介します。これを機にぜひ本作に興味を持ってみてはいかがでしょうか。

陰陽道で鬼が出入りする方角と考えられる「鬼門」。「鬼門」を街の名前に持つ鬼門街には、古の時代から鬼が出入りする街という言い伝えがありました。

そんな鬼門街に暮らす普通の高校生、川嶋マサト。マサトの趣味は、ラーメンの食べ歩き。ある日の朝、急がなければいけない理由があって、母が作ってくれたラーメンを食べずに学校に向かいます。マサトが急ぐ理由は、思いを寄せる同級生の広瀬すず香と同じ電車に乗ることでした。

帰宅時も母が作ったご飯を食べず部屋にこもったマサトは、ヘッドホンで音楽を聴きながら眠りについてしまいます。朝目が覚めて部屋を出たマサトが目にしたのは、何者かに惨殺された母の変わり果てた姿でした。

ヘッドホンをつけたまま眠りにつかなければ……。自分を責め続けるマサトは、カツアゲ目的の不良に絡まれてしまいます。不良たちに執拗な暴力を受け、瀕死の状態に陥るマサト。そんなマサトの前に鬼の豪鬼が現れ、取引を持ちかけます。このまま黙って天国へ逝くか、鬼に魂を売って鬼の力を手に入れるか選べというのです。

『鬼門街』1巻

鬼と契約し一命を取り留めたマサトの人生は、どうなっていくのか。本作は鬼の力を手に入れた人々がくり広げる、ダークファンタジー漫画です。

『鬼門街』を無料で読む方法は以下の記事で紹介しています。

【鬼門街】全巻無料で漫画を読めるか調査!スマホアプリでの配信状況も

【鬼門街】全巻無料で漫画を読めるか調査!スマホアプリでの配信状況も

当記事で紹介する【鬼門街】は、ヤングキングにて連載されていた、永田晃一先生の少年漫画です。 ・無料で漫画を読みたい! ・とにかくお得に漫画を読む方法を知りたい! というあなたのために、【鬼門街】を全巻無料で読むことができるかどうか調査しました。 当記事では、違法ではなく安全に漫画を「無料で読む方法」「半額以上お得に読む方法」をご紹介していきます。

著者
永田晃一
出版日

 

『鬼門街』の登場人物・キャラクターを紹介!

鬼門街に登場するキャラクターは皆なにかしらの闇を抱えています。

その闇を知ることで物語をより深く楽しめますので、ぜひ参考にして下さい。

 

川島マサト:平凡なラーメン好きの高校生で漫画『鬼門街』の主人公!

鬼と共存する人々がくり広げるダークファンタジー、漫画『鬼門街』の主人公は平凡な高校生・川嶋マサト。

マサトはラーメンが大好きで、ラーメン屋を新規開拓しては自分なりの評価をつける日々を送っています。元ヤクザの父と明るい母の息子であるマサトは、気が小さくクラスのイジメも見てみぬふりする気質の持ち主。元々の性格は心優しく、どこにでもいる平凡な高校生です。

しかし突然ふりかかった母の死という悲しみと自身が遭遇した理不尽な暴行を経て、最強クラスの力を持つ豪鬼と契約を交わし生活が一変。人外の力を手に入れたことによって自分のやるべきことに目覚め、自身の信念に基いて戦いの日々に身をおくことになります。作中最も著しい成長を感じさせてくれるキャラクターです。

豪鬼:とにかく強い!マサトの相棒

平凡な高校生だったマサトに、契約を持ちかける鬼・豪鬼。豪鬼がどんな鬼なのか、ネタバレありで解説していきます。

豪鬼はトップクラスの力を誇り、作中に登場する鬼のなかでも最強の鬼です。豪鬼と契約した人間は、驚異的な回復力・人の領域を超えた動体視力・超人的な力の3つを手にします。

豪鬼の力を手に入れたものは、天下を狙えると言われています。マサトと出会う前は、織田信長と契約を交わしていました。

基本的に自由奔放な性格で、あまりマサトの話に聞く耳を持たなかったりします。鬼と契約した者以外に自身の姿が見えないことをいいことに、奔放な振る舞いや言動をおこない、たびたびマサトを困らせることも。徐々にマサトを認めていき、良き相棒としてともに戦ってくれる頼もしい存在です。

広瀬すず香:漫画『鬼門街』のヒロイン的存在

『鬼門街』1巻

バトルシーンの多い漫画『鬼門街』で、ヒロイン的役割を担うのは広瀬智也の妹・広瀬すず香。

美しい容姿の持ち主で愛されキャラである彼女を、慕う男子生徒は少なくありません。しかし妹を思う気持ちが行き過ぎ気味の兄・智也により、自身の知らないところで群がりかけている男子生徒が遠ざけられています。

智也の最大の弱点として、トラブルに巻き込まれることもしばしば。自身の行いに関係のないことで、様々な危機に遭遇する悲運さをもったヒロインです。トラブルに巻き込まれピンチに陥った際、マサトに助けられたことからマサトと親しくなっていきます。

マサトが思いを寄せる相手であり、さまざまな男性に思いを寄せられる魅力的なキャラクターです。

広瀬智也:マサトが通う高校の番長

『鬼門街』1巻

マサトが通う天竺高校には、全校生徒に恐れられる存在がいます。それは、番長の広瀬智也。

ヤンキー風の智也はとにかくケンカが強く、特に妹のすず香に手を出す者には容赦がありません。その壮絶さは「広瀬すず香に手を出すべからず」という、ウラ校則が出来てしまうほど。

最初は全校生徒に恐れられる存在としての描写が多く、喧嘩っ早くて怖い人物といった印象を受けるシーンが多数あります。徐々にマサトと関わりを持つようになっていくのですが、智也は感がするどく鬼の姿が見えなくても何か恐ろしいものがいることを察知したりしています。

義理堅く熱い性格のキャラクターですが、やがて理不尽な出来事に巻き込まれ数奇な運命を辿ることになります。

川島勝臣(鬼勝):マサトの実の父親

はじまりよ | 西友水海道店
『鬼門街』15巻

主人公マサトの実の父親で、かつては伝説のヤクザとして名を馳せていた勝臣。しかし、結婚を機にヤクザから足を洗い、マサトの前では普通の父親として生活を送っていました。

背中に鬼の刺青が入っていることから、ヤクザ時代は「鬼勝」と呼ばれて恐れられていたのだとか…。

桐山ワタル:川島親子に協力する情報屋

桐山ワタルは元ヤクザで、現役時代はマサトの父親・勝臣の舎弟でした。

勝臣が引退したのをきっかけにヤクザを辞め、今は情報屋として動いています。勝臣だけではなくマサトにも協力的で、マサトの母親を殺した犯人捜しも手伝っています。

聴鬼(ちょうき)という小さな鬼に取りつかれており、その能力で幾度となくマサトの危機を救ってきました。

 

マサトたちが暮らす、鬼門街に隠された秘密

鬼がたくさん生息する街・鬼門街。そんな鬼門街に隠された秘密を、紐解いていきたいと思います。

鬼門街は陰陽道で何をするにも避けたほうがよいとされる方角・鬼門に位置する街。この街は古来より、鬼が出入りする街と囁かれていました。鬼を目にすることができない人々は、鬼が出入りする街という話を都市伝説として語り継いでいきます。

地獄への道が開きやすいこの街に、多くの鬼が潜み人々と契約を交わしています。鬼の力を得た人々が多く棲んでいるため、この街では凶悪な犯罪が絶えず起こり続けます。鬼の強大な力は人々の心に潜む欲や悪意を浮き彫りにし、人が持つ醜悪な部分をさらけ出させてしまうのです。

手に入れた力を心歪むことなく使う者、欲望のままに使う者。作中ではいろんなタイプの鬼憑きが存在し、読者の心を揺さぶります。

ネタバレ注意!漫画『鬼門街』の鬼たちが持つ力を考察

マサトの相棒・豪鬼をはじめ、様々な力を持つ鬼が登場する漫画『鬼門街』。豪鬼以外の鬼は、どんな力を持っているのでしょうか。ここでは作中に登場する鬼たちの力についてネタバレありで考察します。

その1.聴鬼

マサトの父・川嶋勝臣の元舎弟である桐山ワタルの相棒。聴鬼と契約した者は驚異的な聴力を手にします。

その2.壮鬼

豪鬼の弟で、広瀬智也の相棒。壮鬼と契約した者が手にする力は、ヒーリング能力。時には瀕死の命を救うことも。

その3.迅鬼

残虐な性格の持ち主・ジョニーの相棒。迅鬼が契約者にもたらす力は、想像を絶する脚力。その破壊力は甚大です。

作中には他にも、様々な力を持った鬼が続々登場します。強いだけではない魅力のある鬼にたちに、きっとあなたが応援したくなる鬼も見つかるでしょう。

善悪人々の思いが交錯する、漫画『鬼門街』の魅力を考察

ここでは鬼に魂を売った人々の物語、漫画『鬼門街』が読者を惹きつける魅力をポイントを抑えながら考察したいと思います。

本作の魅力は何と言っても、人間たちの生々しい悪意や欲望が描かれていること

死にかけた人の前に現れ、契約を持ちかける鬼たち。その人が瀕死の状態に陥った理由は、理不尽な出来事に巻き込まれた、自身の行いから恨みを買った……などさまざま。本作には現代社会に生きる人々の悪意や欲望が、多く渦巻いています。

欲望のままに鬼から得た力を使い悪事や暴行をくり広げる人々の姿には、思わず目を覆いたくなってしまうシーンがあるかもしれません。世の中は綺麗ごとばかりではなく、悪意が満ちている。そしてその悪意にやりきれない思いを抱えながら、酷い仕打ちを受ける人々がいる。そんな思いや世の中の有りさまを、リアルに浮き彫りにすることで読み手の心を鷲づかみにしているといえるでしょう。

明日もしかしたら自分も理不尽な事件に巻き込まれたり、目撃したりするかもしれない。今日は普通の日常でも、明日の自分は状況が一変しているかもしれない。今生きる1日1日や、人との関わりは尊いものである。そういったメッセージ性を感じさせる作品なのです。

作者永田晃一が漫画『鬼門街』を生みだした背景

人間の生々しい感情を描く漫画『鬼門街』には、誕生秘話があります。

本作は作者・永田晃一が幼少からの親友を、3人の若者による集団暴行によって亡くした悲しみから生まれました。

人が人であるために超えてはいけない一線があるという事を感じ取ってもらいたいという作者の強い願いが、この作品には込められています。「そういった場面に遭遇した時に踏みとどまる力となる漫画でありたい」という思いが、吹き込まれた作品なのです。

本作には鬼の力を利用したバトルシーンが多くありますが、王道バトル漫画やダークファンタジーとは一線を画しています。漫画『鬼門街』は、この本を手に取った人々に、人の命の尊さや侵してしまった罪の重さを問いかけている作品なのではないでしょうか。

漫画『鬼門街』の気になる結末は?最終回をネタバレありで解説

登場人物の思いが交錯し、熾烈なバトルがくり広げられる漫画『鬼門街』はどういった結末を迎えるのか?ネタバレありで、最終回の内容を解説します。

様々な事件が起こる本作で物語の核となるのが、川嶋家に深い悲しみをもたらした母を殺した犯人を捜すこと。父・勝臣は持てる情報網を駆使して妻を殺した犯人を捜し、マサトは母を殺した犯人への復讐を誓い日々を過ごしていきます。

そんなある日、渋谷にウサギの着ぐるみを着た通り魔が出現。ハロウィンということもあり、渋谷の街にはたくさんの人がいたため、大きな騒ぎになります。

後日、帰宅した勝臣は自宅に見知らぬ青年がいることに気付きます。この青年は、自分が勝臣の妻でありマサトの母親である桃子を殺したと告白。

事実を知った勝臣は青年を殺そうと襲い掛かりますが、青年は鬼と契約していて勝臣では全く歯が立ちません。

そこへマサトが到着しますが、青年は鬼と共に逃げてしまいます。

マサトは鬼を追いかけようとしますが、豪鬼に諭されて勝臣の命を優先するのでした。

以上が『鬼門街』の最終回ネタバレとなります。

川嶋親子が探し続けた犯人が、最終回に突如登場。犯人は犯行の動機を語り、川嶋家に新たな私恨を招く行動に出ます。

超人的な力を匂わせる犯人はマサトに更なる自責の念を植えつけ新たな戦いへと誘い、新たなステージへ物語は向かうことになります。

著者
永田 晃一
出版日

そして物語は、漫画『鬼門街 KARMA』へ

驚きの結末を向かえた漫画『鬼門街』は、続編となる漫画『鬼門街 KARMA』へと続いていきます。

『鬼門街』の最終回で起きた事件の続きから、『鬼門街 KARMA』は始まります。

母を殺した犯人への、新たな復讐を誓うマサト。マサトはある日、謎の男に注射器で指されてしまい、気を失ってしまいます。目を覚ましたマサトを待ち受けていたのは、カルマという鬼憑き同志のバトルゲームへの強制参加という現実。

新たな鬼憑きが続々登場し、壮絶なバトルがくり広げられていきます。果たしてマサトは過酷な運命に打ち勝ち、川嶋家に深い悲しみをもたらした犯人への復讐を遂げられるのでしょうか。

バトル要素がバージョンアップし、お色気シーンも加わった『鬼門街 KARMA』。予想がつかない展開の連続から、目が離せません。

著者
永田 晃一
出版日

まとめ

現代社会に潜む人間たちの悪意や欲望を、リアルに描写する漫画『鬼門街』。目を背けたくなるような辛い現実、突然ふりかかる理不尽な出来事。この作品は私たちに決して越えてはいけない、人としての境界線を投げかけています。読んだあと何気なく生きる日々を尊く感じたり、優しい気持ちが湧き上がったりするかもしれません。

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