『実験島』の魅力をネタバレ考察!死をループして脱出ルートを探せ!

更新:2023.3.6

身体を癒す効果がある薬はとても便利なもの。しかし、用法容量を正しく守らなければ、逆に健康を害する存在となってしまいます。MITA原作、岩葉作画の『実験島』は、都内からフェリーで12時間ほどの小島にある、製薬会社の研究所を舞台にしたサスペンス漫画。意外な展開で注目を集める本作、その魅力をネタバレ有りの考察と共にご紹介いたします。

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『実験島』のあらすじ

まずはあらすじをご紹介していきましょう。

主人公の北里サトルは22歳、大学を卒業してすぐに大手の製薬会社であるピースイン製薬に就職。そこで元カノである藤波ナナと偶然の再会を果たします。

出典:『実験島』1巻

中学2年生の時にナナからサトルへ告白し、17歳まで交際を続けましたが、遠距離恋愛となってしまったこともあり微妙な別れ方になってしまっていたのです。

サトルはナナとの別れを引きずっており、心中は複雑。しかし、昔と変わらないナナの姿に付き合っていた頃の気持ちが沸きあがってくるのを感じていました。

ナナと復縁しようと決意した矢先、彼女には彼氏がいることが判明。サトルは出世し誰よりも頼られる人材となることで、ナナを見返してやると密かに心に誓うのでした。

ピースイン製薬の新人研修は、都内からフェリーで12時間、鳴姫島という小島に作られた研究所で行われます。研修初日、教育担当のエリート社員、笹島から新入社員全員に渡されたのは、治験で使用される1つのカプセル錠でした。

営業のための度胸を試すというもっともらしい理由に参加者が次々と薬を飲む中、サトルは飲むことを躊躇い飲んだふりをしてしまいます。

その夜、同期の志木が薬を飲まなかったことを告白。翌日、志木は体調不良で本土に帰ったと知らされました。前日の夜は元気そうだったのに、突然帰ってしまったことに驚くサトル。自身も薬を飲んでいないこともあり、自分の身体が大丈夫なのか、気になり始めてしまいます。

そんな中、研修1日目のテスト結果が発表され、サトルは2位で1位はナナでした。ショックを受けるサトルでしたが、ナナがテストのために研修担当の先輩社員である笹島に言い寄っていると耳にしてしまいます。

笹島とナナが二人きりで歩いていくところを見たサトルは、不正を暴くという名目で後をつけます。立ち入り禁止の扉の前で姿を見失ったサトルも扉の中へ。その中で驚くべきものを目撃してしまうのでした。

サトルが目撃してしまったのは本土に帰ったはずの、同期の志木が血まみれになり、もがき苦しむ姿。いったいこの島では何が起こっているのでしょうか。

著者
["MITA", "岩葉"]
出版日

『実験島』ネタバレ考察1 ゾンビの量産が目的?謎の薬

ここからは、本編に登場するいくつかの謎について考察していきたいと思います。

サトルは鳴姫島に新人研修に来ていますが、その中でいくつかの不可解な出来事に遭遇します。そのひとつが薬。笹島が、研修初日に参加者全員へ配布したものです。自社で開発したもので、中身は乳糖であると告知されました。

出典:『実験島』1巻

サトルは飲むふりをして回避していますが、ナナを含む参加者のほぼ全員が薬を摂取しています。薬は服用することで、体内に何らかの作用を起こします。

いくら研修と言えど、何も知らされない状態で服用することは躊躇われるでしょう。サトルが危機感を抱いたように、薬に関する様々な謎が提示されます。

薬とは一体何なのか?形態と飲んだ時の主な症状

序盤で明らかになる様々な情報について、少し整理していきましょう。まず、薬は1日1錠配布されます。初日はカプセル、2日目は口の中で溶ける水なしで飲める錠剤、OD錠で配布されました。

研修参加者に目立った身体の変化は見られませんが、治験に参加している一般人の経過を見る病棟では、冷房が効いた室内で異常なほど暑さを感じる様子が描かれています。

出典:『実験島』1巻

物語が進む中でサトルは拉致されてしまい、注射で薬剤を注入されてしまうのですが、身体には驚くべき変化が現れました。まず、治験参加者同様に異常に暑さを感じるようになります。そのうち全身から血が噴き出すようになり、血が出ている状態を涼しいと感じるようになりました。

精神にも作用するらしく、多くの人は狂暴化。他者に襲い掛かってしまうなど、衝動を抑えることができませんでした。

教育係の笹島が率先して薬を配布している以上、ピースイン製薬で薬を開発し、研修参加者をも利用して治験を行っていることは間違いありません。では、何のために薬を作り、治験を繰り返しているのでしょうか。

薬を作る理由は何なのか?

序盤に開示されている情報は少ないですが、サトルのように薬を投与した結果、ほとんどの人がゾンビのように意志を失い、暴走する状態に陥ってしまいます。

出典:『実験島』1巻

孤立した島で人をゾンビのような姿にしていることを考えると、戦力となるゾンビ量産が目的なのでしょうか。

肉体強化や攻撃性の高い存在が必要となる、戦争のような事態に備えるために、サトル達は利用されているのかもしれません。

一方で、薬を投与しても暴走しない「D」と呼ばれる状態があるようなのです。「D」が何を指す言葉なのか明確になってはいませんが、薬を飲んでも「D」の状態だった場合は普段と何ら変わらない精神状態を保つこと推測されます。

暴走しない状態もあるのであれば、ゾンビ化に対する「拮抗薬」を作っている可能性も出てきますね。拮抗薬とは、受容体に結合し本来結合するはずの化学物質やホルモンの働きを遮断することができる役割を持っています。

ピースイン製薬の狙いは「ゾンビ化の薬」なのか?それとも「拮抗薬」なのか?次の展開が気になりますね。

薬が危険だと知っていた!?ナナは何者なのか

謎の薬について考察してきましたが、その中で目に付くのがナナの存在です。サトルにとっては元カノですが、島に来てからの彼女には不審な行動が目立ちました。

まず、教育係である笹島と距離が近く、二人きりになることも。夜間に出歩いていることから、言い寄っているのではという噂もたてられてしまいました。

笹島に不信感を抱くサトルは、彼と行動を共にすることの多いナナが何か知っているのではないかと、彼女が普段も良く見ている手帳に何か書かれているのでは、と考えます。

手帳を探るために女子寮に侵入したサトルでしたが、戻ってきたナナに発見されてしまいます。サトルを匿ったナナは、「死ぬかもしれないから薬を飲むな」と警告しました。

警告するということは、ナナはあの薬が何であるかも知っているということ。どちらかと言えば会社側の人間だと言えなくもない立場です。

他にも盗聴器が仕掛けられていることを知っていたりと、社内事情にはかなり詳しい様子。ナナが薬や会社にどうかかわっているのかも気になるところです。

『実験島』ネタバレ考察2 主人公が死ぬと時間が巻き戻る謎?

薬の作用で暴走し、ナナに襲い掛かったサトル。自身も同期の庄司に襲われて命を落としましたが、目覚めると時間は研修2日目の4月7日になっていました。立ち入り禁止区域に侵入後に襲撃されて倒れ、ナナに看病されながら目覚めるという事件が発生した日です。

夢を見ていたのかと疑うサトルでしたが、研修のテスト内容が全く同じだったことから、自分がループしていることに気が付きました。

出典:『実験島』1巻

何故サトルはループするようになってしまったのか、この謎について情報を整理しながら考察していこうと思います。

ループ発生のきっかけはサトルの死?予兆があった!

ループはどのようなきっかけで発生したのでしょうか。1度目のループは、サトルが薬によって暴走した庄司に襲撃され、命を落とした後に発生しました。それ以外の状況では起こっていない以上、サトルが死亡するとループすると考えられます。

ループするようになり、サトルなりに原因などを探った結果、激しい頭痛が予兆なのではということが判明しましたが、それ以外の多くのことはわかっていません。

しかし、サトルがナナと笹島の会話に聞き覚えがあるような素振りを見せる場面もあることから、サトル自身が気付く以前からループをしていた可能性も考えられます。

薬はループと関係あるのか?

薬は暴走などを引き起こしますが、他にも何か特殊な能力を開花させるような要因があるのでしょうか。

しかし、研修参加者全員が服用しているうえに、サトル以外にループに気が付いている人物がいない様子なので、薬が直接的な原因ということはなさそうです。

特殊能力や土地の力?謎多き元カノ・ナナと鳴姫島

時間を操作する技術が現実的に存在しない以上、何らかの特殊能力や土地の霊的な力が作用しているのでは、と考えることもできるでしょう。

研究所や薬について知識があるなど、何らかの秘密を抱えているナナに特殊な力があってもおかしくはありません。もしくは本人が知らないだけで、サトルには特殊な能力があったということも考えられます。

もう1点気になるのは、鳴姫島という土地。島にくる以前にはループしている描写はありません。とても小さく、ピースイン製薬の研究所があるだけの小さな島ですが、特殊な名前というところがとても気になります。島に何らかの力があると考えることもできるのではないでしょうか。

研修のため島にやってきたことで、サトルは命を落とすことになってしまいました。ループをして死は免れましたが、当面の目標は島外脱出であることは間違いありません。

ループするということは、様々な可能性を試して体験できるということでもあります。どのルートが島外脱出へとつながるのか、サトルの行動力と推理力が試されます。

『実験島』ネタバレ考察3 島の脱失を阻止している人は誰なのか?島の住人達はどうしている?

薬のこと、ループのことと考察してきましたが、最後に島の脱出を阻んでいる存在について考察していきましょう。ナナに薬についての警告を受けた後、サトルは物資の運搬をするフェリーに乗って島の外へ出るようにアドバイスされました。しかし、その夜フェリーは火に包まれ、燃えてしまいます。

孤島であるため、船は必要不可欠。事実上脱出は不可能になってしまいました。では誰が何のために、島からの脱出を阻んでいるのでしょうか。

単純に考えれば、ピースイン製薬の社員たちが一番疑わしいと言えるでしょう。謎の薬の治験として新人研修を利用している以上、外部に島で行われていることを漏らされるわけにはいきません。

薬を飲むと暴走することもあり、薬を飲んだ状態の人間を外に出すわけにはいかない、という理由も考えられます。

誰が、と個人を特定しようとすると、指示しているのはピースイン製薬の上層部でしょうか。研修を担当しているのは笹島ですが、全てを統括している立場ではない様子。黒幕ともいうべき大物が必ず存在しているはずです。

また、一度島にやってくると、外に出ることはできない。そうなると気になるのが、島内の住人たちの生活です。島には107人の住人が住んでいますが、そのすべてがピースイン製薬の関係者とは言われていません。

半数以上は関係者とその家族という可能性は高いですが、島内での自給自足は当然ながら困難ですし、大きな商店があるわけでもなさそうです。

ピースイン製薬の内部が舞台の中心となっているため、島の住人の生活が少しでも見えてくれば、島の置かれた状況や脱出を阻む黒幕の正体も知る手助けになると思われます。

まとめ

暴走を引き起こす薬やサトルのループ、島からの脱出を拒む存在と考察をしてきました。多くの謎が明かされていない状況ですが、やはり薬が何のために作られているのか、ピースイン製薬の真の目的が気になるところ。

そしてナナの明かされていない秘密が物語にどうかかわるのか、今後の展開が気になります。

『実験島』は薬による恐怖体験から突然のループと、謎解きとサスペンスホラーの要素がふんだんに盛り込まれています。はたしてサトルやナナは、無事に島の外へ脱出できるのでしょうか。気になった方は是非、サトルと一緒に推理をしながら『実験島』を読んでみてください。

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