「俺の名前は…いっぱいあって、な」 ~学びと冒険~
リエちゃんに飼われている子猫のルドルフは、ひょんなことからトラックの荷台に乗って、遠い遠い町へと来てしまい、迷子になってしまいます。それを助けてくれたのは、大きな体の野良猫。街の猫たちから恐れられている彼も、人間の間で様々な名前で呼ばれ可愛がられて、野良として生活をうまく送っていたのでした。
「俺の名前はいっぱいあって、な(たくさんあってだな…)」の一言で、“イッパイアッテナ”という名前と勘違いしたルドルフ。物怖じしないルドルフの度胸に一目置くイッパイアッテナ。次第に二匹はかけがえのない友情で結ばれていき、やがてイッパイアッテナは“人間の書く文字”を、ルドルフに教えるのです―…。
シリーズで様々なお話が出ている『イッパイアッテナシリーズ』。彼が作中で何度も口にする“教養”とは、志、生き様そのものであるとも思えます。深いだけではなく、コミカルに描かれているシーンもたくさん!デビルとの決闘や、イッパイアッテナの過去―そしてルドルフは無事、リエちゃんのところに帰れるのか?ドキドキの大冒険に、どんどん引き込まれていきます!
今から20年以上前、NHKのTV番組で人気だったこの作品。今でも時代や世代を超えて多くの人々から愛されています。2016年にはフルCGで映画化もし、関連グッズもたくさん発売されたのが記憶に新しいですね。わたしも小さいころ、この本が大好きだったので、今年の夏ママと映画を観てきました!毛の流れの一本一本まで緻密に表現され、町並みや季節の空気、デビルとのバトルシーンなど、登場人(猫?)物、みんなに見せ場がそれぞれあって、とっても楽しい作品でした!back numberの主題歌も良かったです。こちらも、本と併せてぜひ^^☆
好きなこと、好きなもの、好きなヒト ~安らぎと出会い~
タビーは冬のある夜中、プレゼント入りの大きな袋を持ってきた“おじいさん”(なんと、サンタクロースなのです!)を見つけます。狭いところに潜り込むのが大好きなタビー。思わずおじいさんの袋の中に潜り込んで、そのまますやすや眠ってしまいます。おうちに帰ったおじいさんの奥さんが、袋を開けるとそこにはタビーが…!
可愛く柔らかいタッチで描かれた、“冬の絵本”。タビーの気ままに“大好きな過ごし方”を楽しむことで、いろんな出会いと冒険が起こる、聖夜のお話です。クリスマスがテーマなので、プレゼントにもぴったりなユニークでかわいい作品です。1ページずつが絵画のようにステキです。寒い日にはタビーのように、ほっこりあたたかい毛布にくるまって読んでみたいですね!わたしが一番好きなのは、 “あたらしい ともだちも できました。”と、トナカイとタビーが向き合ってるシーン。イラストは小さいですが、なんだかシュールで、かわいいワンシーンです。みなさんもぜひお気に入りのシーンを探してみてくださいね。タビーのくったり具合が、猫好きさんにはたまらないはずですよー!
きみはいつも、ぼくのそばにいてくれる。~一緒にいること~
もう、表紙からして思わず「かわいい!」と声をあげてしまいそうなこの本。ご覧の通りシンプルそのものですが、“深~いニャにか”を教えてくれます。ねこのにゃんたは、いつも“ぼく”の生活のどこかに隠れています。あるときはどーにゃっつ、にゃどかり、ばにゃにゃ…だけどぼくは気付いてしまった。にゃんたが、こんなところにいるなんて…。キュートな絵柄は、子どもはもちろん、大人の女性も巻き込むゆるかわ系!ついクスっと笑ってしまうシュールさは、大人の男性にもオススメです。子供から大人まで、一緒に「ここににゃんたがいるね」と、お話しながら読める楽しさ。だけど深い。すごーく深い。だけど絵柄のとおりさっぱりしたエンドは、なんだかまたループしたくなる中毒性に満ちています!これは一読の価値あり。知ってたら、「なにそれ、かわいい!」と話題にもなりそうな一冊です。