世界のリーダーたちのリーダーシップ、思考法を学ぶ14冊

更新:2021.12.6

帝国を築くにしろ、自分の専門分野を究めるにしろ、プロとして経済的に大成功を収めた人に相談するのが1番です。 そういうわけで、ここでは自力で成功した富豪たちによって書かれた14冊をご紹介します。ビル・ゲイツの洞察から、リチャード・ブランソンのリーダーシップに関する教えまで、ここに集めた本には、学校では教えてくれない知識が詰まっています。 産業界のドンたちがいかにして不可能を可能にしたのかを、彼ら自身の言葉から学びましょう。

ブックカルテ リンク

1:リチャード・ブランソン『ヴァージン・ウェイ R・ブランソンのリーダーシップを磨く教室』

著者
リチャード・ブランソン
出版日
2015-07-16

ブランソンは今までリーダーシップに関する本を読んだことがないと言っていますが、自分の約50年にわたる起業家としてのキャリアから、彼はビジネスを立ち上げることについて学びました。

『ヴァージン・ウェイ』では、ヴァージン・グループの創業者で大富豪のブランソンが、他者の言うことに耳を傾けることや、正しい人々を雇うことの重要性などを含めた、経営および起業家精神を教えています。1990年代にヴァージン・コーラを立ち上げようとした時に、コカ・コーラの影響力を過小評価して失敗したことなど、自分の成功だけでなく失敗談についてもブランソンは率直に言及しています。

全体としてこの本は、挑戦することを絶対にやめなかった人の人生をのぞかせてくれる、魅力的な本になっているのです。

2:ハワード・シュルツ『スターバックス再生物語:つながりを育む経営』

著者
["ハワード・シュルツ", "ジョアンヌ・ゴードン"]
出版日
2011-04-19


シュルツは2000年にスターバックスのCEOを辞めた後、2008年に再び同ポストに就任しました。当時スターバックスは経済危機の中で苦しんでいる状態にありました。この本は、大富豪シュルツがどのようにこの世界的コーヒーチェーンを立ち直らせたのかを詳細に語っています。

この本を読むと、シュルツがいかに厳しい決断をしたかが分かります。例えば、アメリカの7000店舗を一時的に閉店することによって、会社の基本理念をないがしろにすることなく、スターバックスが成長できるようにしたことなどがあります。

また、シュルツがニューヨークのブルックリンで育ったことなどの逸話がシュルツ独自のビジネス戦略と共に織り込まれており、1人の人間としてのシュルツの姿も知ることができます。

この本は、率直かつ情熱的な物語であり、起業家をはじめとする全ての人に、逆境に立ち向かう勇気を与えてくれます。

3:ウォーレン・バフェット『バフェットからの手紙:世界一の投資家が見たこれから伸びる会社、滅びる会社』

著者
ローレンス・A・カニンガム
出版日
2014-07-12


バフェットは86歳にしてバークシャー・ハサウェイの社長兼CEOであり、歴史上最も偉大な投資家のひとりと言われています。

この本は、バフェットがバークシャー・ハサウェイの株主たちに向けて書いた手紙を集めたものです。それぞれの手紙で、彼のビジネスの様々な側面と、彼の投資哲学について語っています。テーマは難しく見えるかもしれませんが、バフェットの文章は読みやすく、しばしば個人的な逸話を通して自らの考え方を説明してくれます。

4:ビル・ゲイツ『思考スピードの経営』

著者
ビル ゲイツ
出版日
2000-11-07


ゲイツには750億ドルの資産があり、『フォーブス』誌は彼が世界で最も金持ちであると推定しています。『思考スピードの経営』では、ビジネスと技術がいかに密接に関係しているかが語られています。

ゲイツはマイクロソフトやゼネラル・モーターズといった会社を例にしながら、企業が技術を、事業を強化する手段のひとつと見なしているとしています。この本が最初に出版されたのは1999年ですが、ゲイツの洞察の多くは、今日においても正確かつ重要なものとなっています。

5:ピーター・ティール『ゼロ・トゥ・ワン:君はゼロから何を生み出せるか』

著者
ピーター・ティール ブレイク・マスターズ
出版日
2014-09-25


この本は、「競争は敗者のためにある」、「起業家は専売品を作るように努力すべきだ」という、議論を呼ぶ前置きから始まります。

ティールはPayPal(ペイパル)とデータ分析会社パランティアの創業者です。ティールはこの本で、市場に既にあるものに単に何かを付け加えるのではなく、新しいものを作って市場の支配権を握ることが大事だ、と強調します。ティールの哲学に賛同するかどうかはともかく、この本は議論に値する考え方がたくさん詰まった、分かりやすい読み物です。

6:ドナルド・トランプ『トランプ思考:知られざる逆転の成功哲学』

著者
ドナルド・トランプ
出版日
2016-06-24


この本は、次期大統領で不動産界の重要人物でもあるトランプが、個人として、またプロとしての成功について語ったエッセーを集めたものです。

恐れに打ち勝つことや失敗から学ぶことといった、励ましになるアドバイスと組み合わせて、トランプ自身の経験が語られています。自分が自己宣伝する傾向にあることを認めた上で、トランプは読者に対し、自分がそれに値すると思ったら「自画自賛するように」と教えます。

7:ブーン・ピケンズ『どん底から億万長者』

著者
["ブーン ピケンズ", "T. Boone Pickens"]
出版日
2009-03-25


この本は、2017年現在88歳でBPキャピタル・マネジメントの社長であるピケンズが、いかにして個人的あるいはプロとしての困難に立ち向かい、大成功をおさめるに至ったかが書かれています。

物語は、1980年代の「企業乗っ取り屋」としてのピケンズの経験に始まり、後にアメリカのエネルギー自給の支持者になったことにまで及びます。各章は「ブーンイズム」と呼ばれる、人生とビジネスで成功するための短い言葉から始まります。例えば「わたしは幼くしてルールに従って遊ぶということを覚えました。勝つためにズルをすると、遊びは楽しくありません」といったものがあります。

8:ジョージ・ソロス『ジョージ・ソロス』

著者
ジョージ ソロス
出版日


ソロスはホロコーストを生き延びて世界屈指の投資家となりました。これはものすごいことです。この本はソロスの個人的逸話が政治経済に関する理論と組み合わされて語られている2つの長いインタビューから成っており、読者はソロスの経歴を知ることができます。

ソロスはソロス・ファンド・マネジメントの創業者兼社長としての成功と失敗を率直に語っており、議論を生むような意見であっても物怖じせずに提示します。ソロス自身についてもっと知りたい人にとっても、またグローバル経済やグローバル政策についてもっと知りたい人にとっても、魅力的な1冊です。

9:マイケル・デル『デルの革命:「ダイレクト」戦略で産業を変える』

著者
マイケル デル
出版日
2000-11-07


デルは19歳の時に、パソコンの有限会社を設立するために大学を中退しました。これが現在のデル・コンピューター株式会社です。27歳にして、デルはフォーチュン500社の中で最年少のCEOになりました。

『デルの革命』では、大富豪の起業家デルが、どのように自分のビジネスを成長させたかや、自分独自のマネジメント形式の背後にある理論について説明しています。インスピレーションを与えてくれるシンデレラ・ストーリーであり、かつリーダーシップに関する貴重な教えを与えてくれる本でもあります。

10:バーナード・マーカス、アーサー・ブランク『ホーム・デポ驚異の成長物語 : ゼロから3兆円企業をつくった男たち』

著者
["バーニー マーカス", "ボブ アンデルマン", "アーサー ブランク"]
出版日


この本では、マーカスとブランクのふたりが、いかに自分たちの運命を変え、夢を現実に変えたかを記録しています。ふたりは1978年にハンディ・ダンという住宅改築チェーンを解雇された後、割引販売店を作るというアイデアを追求することにしました。この販売店が「ホーム・デポ」と呼ばれました。

この本の中では、同社の設立から成長までが詳しく語られ、顧客を知ることや地域の人たちにお礼をすることの重要性など、2人の経験を生かした、ビジネスリーダーのための意味深い教えが書かれています。

11:デイヴィッド・アインホーン『黒の株券:ペテン師に占領されるウォール街』

著者
["デビッド・アインホーン", "ジョエル・グリーンブラット"]
出版日
2009-04-10


この本でアインホーンは6年間の金融における苦労譚を記しています。

短くまとめるとこうです。グリーンライト・キャピタル創業者のアインホーンは、2002年にアライド・キャピタル社の問題のある経理のやり方を暴露しようと考え、同社の株の空売りを始めました。しかし株価が上昇したため、これは効果がありませんでした。アインホーンはアライド社の非倫理的なやり方を暴露しようとしてアメリカ証券取引委員会にまで働きかけましたが、同委員会はアインホーン自身を調査するに留まりました。最終的にアライド社が2008年に同委員会と決着をつけ、告発が実現することはありませんでした。

この本はかなり詳しく書かれており、批評家のひとりは「一部アインホーンが怒りをわめき散らしているだけのように読めるところがある」としています。しかし、しばしばウォール街で展開されるドラマに対する魅力的な洞察が含まれた1冊です。

12:サム・ウォルトン『私のウォルマート商法:すべて小さく考えよ』

著者
サム・ウォルトン
出版日
2002-11-20


ウォルマートの創業者であるウォルトンによって書かれたこの本は、アマゾンのCEOジェフ・ベゾスのお気に入りの本の1つです。

この本を通して、ウォルトンの人柄と、現在では世界最大の小売店となった会社を立ち上げるために必要だった努力垣間見ることができます。

ある読者はこの本を「素晴らしく気取らない本」であるとし、また別の読者は、新たにビジネスを始める人々にとっての堅実で励ましとなる模範であると評しています。

13:マーク・ベニオフ『クラウド誕生:セールスフォース・ドットコム物語』

著者
["マーク・ベニオフ", "カーリー・アドラー", "齊藤 英孝"]
出版日
2010-05-21


セールスフォースの創業者兼社長兼CEOであるベニオフが、どのように同社を設立したのかについて詳細に書かれています。セールスフォース1999年創業で、現在は粗く見積もって500億ドル持っているとされています。

「最初から誰に対しても博愛の精神を」から始まり「革新を追求する勇気を持つ事こと――市場に明らかになる前に」に至るまで、物語を通してベニオフの111のマネジメントに関するヒントが織り込まれています。

2016年1月のツイートの中で、ベニオフは続編『Beyond the Cloud』を書く可能性を示唆しました。

14:エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ『ハウ・グーグル・ワークス:私たちの働き方とマネジメント』

著者
エリック・シュミット ジョナサン・ローゼンバーグ アラン・イーグル
出版日
2014-10-09


グーグルの執行会長で前CEOのエリック・シュミットと前製品担当上級副社長のジョナサン・ローゼンバーグが2014年に出版した本で、彼らがグーグルを創業するにあたって経験したことに基づく洞察を編集したものです。

これを読むと、「スマート・クリエイティブ」という言葉の意味と、その重要性について学ぶことができ、また、今まで語られてこなかったグーグル社の逸話を知ることもできます。

ビジネス・インサイダーは、シュミットとローゼンバーグの2人がこの本の重要ポイントにマーカーを引く様子をスライド・プレゼンテーションにして発表しました。2人がマーカーを引いた箇所には、こんなものが含まれていました。

「我々はすぐに、自分たちが持っていたビジネスに関する知識はほとんど全て、完全に間違っているということに気づきました」

「雇用が1番大事なことだということを決して忘れてはいけません」


Photo:(C)WENN / Zeta Image
Text:(C)The Independent / Zeta Image

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