2020年に連載が始まってから、「主役の2人が美しすぎる」と話題を集めている『うるわしの宵の月』。ともに「王子」と呼ばれる男女が、ある日出会い惹かれていくキュン多めのラブストーリーです。 本記事では『うるわしの宵の月』最新話までの見所を解説しながら、おすすめのキュンシーンや各巻のネタバレを紹介します。
『ひるなかの流星』や『椿町ロンリープラネット』の作者・やまもり三香による恋愛漫画『うるわしの宵の月』。第1話が掲載された「デザート」2020年9月号で主役2人の顔が大きく描かれた表紙に、「美しすぎる」「顔面偏差値が高すぎる」と話題を集めました。
ともに「王子」と呼ばれる2人の男女が出会い、互いに惹かれていくキュンラブストーリーです。
2020年に連載が始まったばかりですが、「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞 ブックライブ賞」受賞や「次にくるマンガ大賞 2021 コミックス部門」にノミネート。ヒロインの滝口宵に憧れる読者が続出中で、元NMBのメンバーでシンガーソングライターの山本彩さんが、髪型をまねたことでさらに注目を集めています。
容姿端麗でスマートな立ち振る舞いから「王子」と呼ばれている女子高生・宵は、自身がそう呼ばれることに複雑な思いを抱えていました。そんなある日、学校で宵と同じように「王子」と呼ばれている一つ上の市村先輩に出会います。自分とは正反対で王子とは思えない態度に警戒していた宵でしたが、ひょんなことから彼に絡まれるようになって……。
本作の1番の見所は、主役の宵と市村先輩の顔面偏差値の高さ。美しい2人のキュン多めなラブストーリーが好きな人にぜったいにハマる作品です。
高校1年生の女子高生。まるでモデルのようなスラッと伸びた手脚と、女性にしては低めの声。そして、中性的で美しい顔立ちから男性とよく間違えられる。さらに、無意識に人を惹きつけてしまうスマートな立ち振る舞いが災いして「王子」と呼ばれるように。しかし、本人は「王子」と呼ばれることをあまりよく思っていない。
高校2年生の男子高校生。宵と同じ学校に通う、もう一人の「王子」。白髪にピアスと、宵とは正反対のイメージを持つイケメン。学年問わず、学校中から人気のモテ男。初対面から宵の顔の美しさに惹かれ、興味を持つ。家がお金持ちらしい。
宵の同級生。中学から同じ学校で、宵が素で話せる友人。市村先輩との関係性に悩む宵の相談に乗ってくれている。めがねをかけているほうが、のばら。
琥珀の同級生。今までとは違うタイプの宵に興味を示している琥珀の様子に驚いている。少しアホっぽいのが仙太郎で、重度のカレーマニア。
ダンディな父親。カレー専門店「なすおやじ」を経営している。宵が初めて同世代の男子と親しそうにしているのを見て、嬉しい様子。
ここではまず『うるわしの宵の月』を読むうえで、おすすめしたい3つの見所を紹介します。
本作で1番最初におすすめしたいポイントは、宵と市村先輩の美しすぎる顔。
「王子」と呼ばれ一目置かれている2人ですが、同じ王子でもタイプが異なります。宵はクール系正統派王子で、市村先輩はワイルド系やんちゃ王子という印象。それぞれにないものを持っているからこそ、並んだときの美しさがより際立っているように思えます。
宵と市村先輩が最初に出会ったシーンや単行本の表紙で顔を寄せる2人など、ただそこに2人の美しい顔があるだけでセリフがいらないくらい画面が持ってしまうのが、最大の魅力でしょう。
2つ目のおすすめポイントは、クールでカッコいいけどかわいい部分もある宵の表情。
一見クールで落ち着いた印象の宵は、周囲からカッコいい王子ともてはやされています。「王子」と呼ばれていたことで、男子からも女子からも女の子として見られていませんでした。しかし、実際の彼女は年相応のかわいらしい女子高生。
初めて市村先輩から女の子扱いされ、いきなりお姫様抱っこをされたり、面と向かって「かわいい」と言われたりしても、顔を真っ赤にしてただただ戸惑うばかりでした。
普段とは違う乙女な表情を見せていて、そのギャップに市村先輩だけでなく私たち読者もギュッと心を鷲掴みにされます。また、学校では前髪をビシッと分けているのに、プライベートでは髪を下ろしているのも魅力的で萌えポイント。
3つ目のおすすめポイントは、お互い気になっているのにいまいちはっきりしないちぐはぐな2人の距離間です。
初対面から宵の美しすぎる顔に惹かれ、興味を持った市村先輩。宵のいろんな表情が見たいという欲望のままグイグイと距離を縮めていますが、その感情が恋なのかどうかはよくわかっていません。モテているから恋愛に慣れていそうな彼ですが、自分から人を好きになることはなかったようです。
そして、宵も先輩のことが気になっているものの彼の行動から真意が読めないため、振り回されてばかり。
人を好きになったことがない2人は微妙にすれ違ったり、急に接近したりと相手の様子を伺いながら、お互いが心地よいと思える距離を探っていくのでした。周囲から見れば明らかに両想いという2人のくっつきそうでくっつかない、不器用な恋の展開に注目です。
つづいてこちらでは、『うるわしの宵の月』のおすすめキュンシーンを2選紹介していきます。
前日の雨で体調を崩してしまった宵が、偶然保健室にいた市村先輩に看病されるというシーンです。
どんなに体調を崩していても人に頼ろうとしない宵に、市村先輩が手を差し伸べてくれます。
「弱ってる時ぐらい、素直に頼んなよ。オレの前じゃ、王子じゃなくていいんだからさ」
(『うるわしの宵の月』1巻より)
いつもはふざけている先輩が、紳士な態度を見せる瞬間にキュンとされられます。さらに注目なのが宵から甘えてきたと思わせないように、強引に自分から近づくというさりげない気配りを見せているところ。
初めは抵抗していた宵も、先輩の優しさに思わず甘えてしまいます。
お試し交際が始まり、初デートをする2人のシーン。
自らデートに誘った宵でしたが、先輩のLINEの返事がそっけなかったことがずっと気になっていました。いざ、デートをしてみると楽しそうな先輩。宵は気になって思わず聞いてしまいます。すると市村先輩は照れくさそうに……。
「オレ ああいうの 大体 既読スルーすんだけど。一応 即レスしたつもり。…あれでも」
(『うるわしの宵の月』2巻より)
普段はこちらの反応を見て余裕そうな先輩の見たことがない表情と本音に、思わず宵も顔を赤くして固まってしまいます。
お互いに恥ずかしくなってしまい、ただ足元を見つめて無言になってしまった2人。じわじわと2人の間の温度が上がっていて、見ていてニヤけてしまいます。
美しい容姿と立ち振る舞いから「王子」と呼ばれている女子高生・滝口宵は、ある日、学校で自身と同じように「王子」と呼ばれている一つ上の先輩・市村琥珀に出会います。初対面にも関わらず、いきなり人の顔を見て「男?」と言ってくる先輩。
こんなデリカシーのない人が王子だなんて信じられない!と思った宵でしたが、初めて女の子扱いされ戸惑ってしまいます。グイグイと距離を縮めてくる先輩に押される形で、一緒に過ごす時間が増えてきた宵は、少しずつ彼の良さに気づき始め……。
1巻の注目ポイントは、宵が市村先輩に心惹かれていく過程です。
初めは先輩を警戒していた宵。しかし、王子っぽい部分も含めて宵の良さだと言ってくれたおかげで、少しずつ先輩へ向けるまなざしや想いが変化していきます。
- 著者
- やまもり 三香
- 出版日
軽いノリから始まった2人の交際。宵の思い切った誘いで初デートを迎えます。緊張とドキドキでガッチガチな宵に対し、終始余裕たっぷりで楽しそうな市村先輩。しかし、デートの終盤で先輩の意外な顔を見ることに。
さらに先輩への想いが膨らむ宵は、先輩が自分のことをどう思っているのか気になるばかりですが……。
2巻の注目ポイントは、宵に向ける市村先輩の想い。
宵は早い段階で先輩に好意を寄せていると気づきます。一方、市村先輩は自分が宵に向けているものが恋なのかどうか、まだわかっていません。しかし、宵のかわいらしい一面を見て惹かれずにはいられない市村先輩。気持ちがはっきりしないまま、宵への独占欲が増していきます。
- 著者
- やまもり 三香
- 出版日
単行本2巻以降では、これまで以上に市村先輩が宵に大接近します。友人の仙太郎から宵へ向ける想いは、恋だと指摘されてしまいます。それでも、この気持ちが恋なのかはまだ確定できないと断言する先輩。
宵へ向ける感情の正体を知りたいという気持ちが膨らみ、さらにグイグイと宵に急接近していきます。
そんな先輩の行動に翻弄される宵の乙女な表情も見所ですが、最新話ではそれ以上に気になる新キャラクターが登場。
宵のクール系正統派王子とも、市村先輩のワイルド系やんちゃ王子とも違う、大人しそうなかわいい系王子です。宵の父が経営するカレー屋から出てきた彼は、一体何者なのか?そして、宵たちにどう関わってくるのか今後の動きに注目です。
ここでは作者・やまもり三香のインタビューより、『うるわしの宵の月』が誕生するまでの制作秘話を少しだけ紹介していきます。
宵が誕生するまで、さまざまな苦労があったそう。ソフトウルフカットで勝ち気な女の子からロングヘアーの美少女へ。最終的にはいろいろと悩んだ末に「男の子っぽい女の子が描きたい」という原点に戻り、今まで描いてこなかった王子キャラの宵が完成しました。
市村先輩も初めはずっとフードを被っている寡黙キャラでしたが、それでは宵と絡まない!となり、今の形に仕上がったそう。
その後、キャラクターが決まってからタイトルが決定します。『うるわしの宵の月』というタイトルには、主人公の女の子を見つめている男の子視点というイメージが盛り込まれているそうです。
本作に登場する学校やお店は、モデルが実際に存在するものがあります。まず、宵たちが通う学校は大阪の履正社高校で、宵の父が営むカレー屋は下北沢にある「NASU OYAJI CURRY」というお店。
さらに本作において印象的なのが、宵が通う学校の制服。日本ではめずらしい、タイトスカートが制服として起用されています。これについて作者は、宵があまりにもプリーツスカートが似合わず、何が似合うかと探しているなかでタイトスカートが1番しっくりきたそうです。
最後に作者・やまもり三香について紹介します。
もともと絵を描くことが好きだった作者。中学3年生のときに、一度「りぼん」に漫画を投稿しようとしたらしいのですが、受験勉強が重なって断念。そのまま何もしない日々が続きます。
しかしある日、母親から「実家の寿司屋で一生皿洗いをするか、漫画家になるか決めなさい」と焚き付けられて動き出し、2005年に『君のクチビルから魔法』で漫画家デビューを果たしました。
やまもり三香の特徴は、優しさと儚さ、そして温かさが絶妙に混ざった色合いです。デジタルで描きあげる漫画家が多いなか、いまだにカラーをアナログで行なっている作者。デジタルでは描けない微妙な色の陰影や淡さが、登場人物たちをよりリアルに感じられます。
とくに単行本の表紙は印象的でした。宵と市村先輩の2人だけで余計なものがない表紙には、一目見ただけで惹かれてしまう魅力があります。
代表作は、『ひるなかの流星』や『椿町ロンリープラネット』。ホンシェルジュでは、やまもり三香の代表作を紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
やまもり三香のおすすめ胸キュン漫画4選!実写化作品『ひるなかの流星』など
今回は、とにかく甘い!甘すぎるくらいの素敵な恋愛模様を収録したやまもり三香の作品をご紹介します。思わずにやけてしまうような、極甘ラブストーリーなので、ひとりで見るのをおすすめしますよ。
- 著者
- やまもり 三香
- 出版日
- 2011-10-25
- 著者
- やまもり 三香
- 出版日
- 2015-08-25
新たなイケメン王子が登場し、ますます展開が気になる『うるわしの宵の月』。市村先輩はいつ宵への恋心を自覚するのでしょうか。そして、宵はそんな先輩にどうアプローチしていくのか。乙女な宵の表情にとにかく萌え死んでしまいそうです。連載が始まったばかりなので、今から読み初めても遅くありません!ぜひこの機会にお手にとってみてください。