「サンデーうぇぶり」で連載されているしょたんの漫画『君は冥土様。』。ぜひアニメ化してほしい!と声が挙がっている注目の作品です。 本記事では『君は冥土様。』のあらすじやキャラクター、今後の展開に繋がっていく気になるポイントを紹介します。元暗殺者のメイド・雪と彼女を受け入れた人好の日常を、ぜひご覧ください。
隔週日曜日「サンデーうぇぶり」にて連載中のしょたんによる漫画『君は冥土様。』。
2020年より連載が始まった本作は、元暗殺者のメイドと訳あり男子高校生の日常コメディです。
もともとは同人誌として発売されており、絵師として知られていた作者のSNSを中心に注目を集めて連載が決まりました。コミックス1巻が発売された際には即重版となるほどの人気ぶり。作品を知らなくても、絵柄に惹かれて購入した人もいたそうです。
また、アニメ化を期待する声も多数挙がっています。コミックス3巻の発売を記念して、本作のテレビCMとPVも放送。横谷人好役を代永翼、メイドの雪役を上田麗奈が担当しました。
まさにこれからくる漫画として注目されていますので、ぜひ今後の情報に注目しましょう。
部屋でのんびりと過ごしていた、高校一年生の横谷人好。ある日、彼の家に「雇ってほしい」とメイドが訪ねてきました。
しかも、そのメイドの前職は殺し屋。雇い主からの依頼で暗殺をしてきたというのです。得体の知れない存在に一度は断った人好でしたが、彼女の意外な一面を見たことで雇うことを決めます。
しかし、メイドは家事が初心者。人好は一から家事を教えながら、メイドとの共同生活をスタートさせます。
本作はごく一般的なご主人様×メイドものではありません。訳あり者同士が主従関係を結びながら本当の家族を目指していくほっこりあり、コメディあり、シリアスあり、純愛ありのストーリー。普通とはちょっと違う主従ものを読みたい人におすすめの作品です。
まずは『君は冥土様。』を読むうえで重要なメインキャラクターを紹介していきます。
見た目は普通の高校1年生。ある日突然やってきた元暗殺者のメイドを怖がっていたが、彼女の意外な一面を見たことで雇うことに。普通ではないメイドとも普通に接したり、自宅前に捨てられていた子犬を躊躇なく飼ったり……と、「人好」という名のとおり、お人好しな性格です。
一見何も不自由がなさそうに見える人好ですが、じつはとある事情により、両親・妹とは離れて暮らしています。本人もその理由はわかっていないようです。とくに父とはあまり仲がよくない様子。
人好のもとへやってきたメイド。元暗殺者で、雇い主の依頼で人殺しをしていました。メイドなのに家事は初心者。初めはまともに掃除もできないほど壊滅的でしたが、人好の指導のおかげで少しずつ家事がこなせるようになります。
暗殺者時代は「シュエ」と呼ばれていたそう。
初めは無表情で感情が読み取りにくかった雪でしたが、人好との生活を送るうちに少しずつ普通というものを知っていき表情にも変化が出るように。とくに大好きな勝田惣菜店の勝田ソースが絡むと、途端に表情が緩みます。
人好の妹。明るく元気いっぱいで、どんな人とも仲良くなれる社交的な小学生。綺麗な人や強い人が好き。姉が欲しかったようで、雪のことを本当の姉のように慕っています。小学生ながら周りの空気を読むことに長けており、兄と雪の仲睦まじい様子をいつも笑顔で見守っています。兄とは離れて暮らしていますが、兄妹仲は良好。
雪と同じ暗殺者。雪を殺すために、人好が通う学校に臨時保健医としてやってきます。その後、ひと悶着ありましたが雪を殺すことを諦めて、新任体育教師・新田として赴任(しかも、人好の親戚のお姉さんという設定)。ふざけて人好に絡み無意識に嫉妬する雪をからかったりと、2人の関係性を静かに見守っている様子。
特技は情報収集と変装。よく人好の家に盗聴器を仕掛けて、話を盗み聞きしています。
ある日、人好の家の前に捨てられていた犬。元飼い主の手紙によると将来は大きくなる犬種で、それが理由で捨てられたようです。お餅のように丸くふわふわしており、色味が揚げたような感じから「あげもち太郎」と名づけられました。ちなみに名付け親は人好。
人好の親友。高身長でお調子者。人好とは中学時代からの付き合いで、複雑な家庭事情から自暴自棄になっていた人好を、最後まで見放さずにいてくれた友人の1人。
人好のもう一人の親友。身長が低く、小動物のようなかわいらしい印象を持っています。大河と同様に、人好とは中学時代からの付き合い。皆のいじられ役。
人好と雪のクラスメイト。兄が学校の生徒会会長を務めており、いつも厳しくあたる兄に認めてもらいたいと思っています。
密かに憧れていた雪とは文化祭をきっかけに仲を深め、友だちに。大人しく引っ込み思案な性格ですが、雪がピンチに陥ったときにはすぐに助けに出る友だち想いな一面も見せています。
ナカの兄。生徒会会長を務めており、家は300年の歴史を持つ日陰流武術。後継者として自分にも他人にも、妹にも厳しくしている実力至上主義かつ完璧主義者。しかし、本当は妹・ナカが大好きな重度のシスコン。いつもナカには厳しくあたっていますが、心の中では重すぎる愛を叫んでいます。突然現れた雪のことを、一方的に敵視。
人好が幼い頃、突然家を離れた母。妹と父は時々あっていますが、母とはそれ以来会えていない様子。人好自身、その理由が何なのかわかっていません。父は海外で働いているようでほとんど家には帰ってきません。
暗殺者だった雪が人好との出会いをきっかけに、普通の女の子になろうと奮闘していく姿が健気でかわいいのです。
雪にとって暗殺は存在意義でした。その必要がなくなってしまった今、これからどう生きていけばいいのか、わからなくなっていたのです。そんなとき人好に出会い温かい心に触れて、もっと早く出会っていたら人生変わっていたかもしれないと思うようになります。
そんな雪に人好は、
「メイドさんはさ!!きっと!殺し屋をやめてさぁ!普通の女の子になりたいんじゃない!?」
(『君は冥土様。』1巻より)
彼の言葉に納得した雪。普通の女の子になろうと人好の力も借りながら、一歩ずつ新しい人生を歩み始めます。
人好と同じ学校に通い始め、初めての学校行事を楽しんだり、友だちができたり。皆の普通がわからず、ときどき変なこともしてしまいますが、それが雪らしくて健気です。
初めは雇い主×メイドという関係だった人好と雪が、少しずつその関係性から本当の家族へとなっていく様子が微笑ましいポイントです。
暗殺以外何もできない雪を放っておけず、メイドとして雇い一緒に暮らし始めた人好。人好の優しさに触れて、ともに暮らしたいと思った雪。お互いに孤独だった2人が共同生活を始め、嬉しいことや楽しいこと、悲しいことを共有していきます。
感情を失くした雪を、いつも温かい心で包み込む人好。離れて暮らす母を思って、一人泣きながら眠る人好を慰める雪。そんな日々が積み重なり、お互いが何よりも大切な存在へと変わっていったのです。
周りから見れば、おかしい関係かもしれません。それでも2人は真剣に本当の家族になろうとしているのです。
部屋で寝ていた横谷人好。そこへ、メイドが訪ねてきました。
「私を使用人として雇っては頂けないでしょうか」
突然の訪問に驚く人好でしたが、とりあえず家に上がってもらうことに。適当に話を聞いて帰ってもらおうと考えていました。しかし、彼女のこれまでの経歴を聞いてみると、とんでもない事実が判明。なんと彼女はただのメイドではなく、暗殺を生業としていたメイドだったのです。
明らかにヤバい人!と認識した人好は、彼女を雇うことを拒否。けれどその後、彼女の意外な一面を見て心を動かされ、メイドとして雇うことを決めます。
基本、表情は変わらず感情を読み取ることができないメイド。しかし、人好と過ごし始めてから、少しずつ表情が感情に変化が訪れます。「自分は一体、ここで何になりたいんだろう……」その答えを見つけていくメイドに注目です。
- 著者
- しょたん
- 出版日
人好の言葉をきっかけに、「普通の女の子」になろうと動き出したメイド。彼から「雪」という名前を付けてもらい、同じ高校に通い始めました。人好と暮らすうちに少しずつ「普通」を知っていき、毎日が楽しいと感じるようになってきた雪。
しかし、そこへ彼女の命を狙う暗殺者が現れ、人好を人質にされてしまいます。雪は人好を救うために動き出しますが……。
人好を人質に取られた雪。自分のせいで彼が危険な目に遭ってしまった、自分は離れるべきなのではないかと考えます。その一方で、彼との生活を手放したくない想いもあり……。人好に出会って知った温かい世界を守るため、必死に考えて答えを見つけた雪の決意に胸が熱くなります。
- 著者
- しょたん
- 出版日
無事、人好を救い出した雪。しかし、なぜかその事件以降、雪を狙っていた暗殺者・グレイスもこの世界で暮らし始めるようになり、新任の体育教師として赴任してきました。
季節は秋。学校の最大行事である文化祭「勝田三大祭」が始まります。その中でおこなわれるケイドロの優勝特典が勝田ソースだと聞いて、気合十分の雪。そこへ、クラスメイトの日陰ナカが協力したいと声をかけてきます。
初めての文化祭と友だちに、心が落ち着かない雪。果たして、大好きな勝田ソースを手に入れることができるのでしょうか。
文化祭の優勝特典である勝田ソースを手に入れるべく、クラスメイトのナカと距離を縮めていく雪。ナカから「友だちになりませんか?」と言われ友だちになりましたが、友だちがどういうものなのかよくわかっていませんでした。そんな彼女が、文化祭を通して友だちがどういう存在なのか気づいた時、驚きの行動に出ます。
- 著者
- しょたん
- 出版日
人好と雪の微笑ましい日常をずっと見ていたいところですが、『君は冥土様。』には気になる点が2つあります。
まず気になるのは、雪の過去。彼女はどういう経緯で暗殺者になったのでしょう。
師に拾われた雪は、各国から集められた最強の暗殺集団「竜生九子(りゅうせいきゅうし)」に所属。そこで暗殺を教えられ、ただ言われるがままに依頼をこなしていたそう。しかし、師以外の人との接触がなかったため、組織の詳しいことは知らないようです。
ただ一つ、雪の過去でわかっているのは妹がいるということ。妹の名はフゥア。今は行方がわからない状況です。雪は情報収集を得意とするグレイスに、妹のことを調査してもらいます。
4巻へと続く第29話以降では、ついに暗殺者になる前の雪の過去が明らかに。なぜ彼女が暗殺者になってしまい、人好のもとへとやってきたのかが判明します。
そしてもう一つ、気になるのが人好の両親の存在。彼はとある事情で、両親・妹とは離れて暮らしています。
そのとある事情とは、一体何なのでしょう。人好が見る夢によると、幼い頃は仲睦まじく暮らしていた横谷一家。しかし、ある日突然、母が妹を連れて家を出て行ってしまいます。その後、父は海外勤務になり人好のことは家政婦に任せっきりに。こうして彼は一人で暮らすようになりました。
なぜ母は家を出て行ってしまったのか。理由を聞きたくても、あの時の父の表情が怖くて聞くことができない人好。第34話で少しだけ理由に繋がるシーンが描かれているので、ぜひチェックしてみてください。
最後に、今回紹介した『君は冥土様。』にちなんで、今注目されているメイドが登場する漫画を3作品紹介します。
2017年より「サンデーうぇぶり」で連載されているイノウエの漫画『死神坊ちゃんと黒メイド』。
5歳の時、魔女に「触れた生物の命を奪ってしまう呪い」をかけられてしまった坊ちゃん。家族からも突き放され、別邸で済むことになります。そんな彼に仕えるメイド・アリスとの日常を描いたラブコメディストーリーです。
2021年にはアニメ化もされています。
お互いに想い合っているけれど、触れることができない坊ちゃんとアリス。見ていて切なくてもどかしい2人の純愛ものだけでなく、坊ちゃんをからかうアリスの逆セクハラシーンも見所。絶妙なバランスで描かれる、2人の日常が愛おしくて微笑ましいですよ。
【アニメ化】『死神坊ちゃんと黒メイド』あらすじと魅力を最新巻までネタバレ!呪いの秘密とは?
アニメ化で話題!井上小春作の漫画『死神坊ちゃんと黒メイド』をネタバレ紹介! 『死神坊ちゃんと黒メイド』はファンタジーラブコメ漫画。好きな人に触れられないという切ない純愛モノなのに、メイドの逆セクハラが面白いとSNSで話題になりました。純愛だけど、ちょいエロな本作から目が離せません! この記事では、2021年にアニメ化された漫画『死神坊ちゃんと黒メイド』の魅力、最新巻のあらすじをネタバレありで紹介していきます。
- 著者
- イノウエ
- 出版日
2020年より「月刊ガンガンJOKER」で連載されている昆布わかめの漫画『最近雇ったメイドが怪しい』。
坊ちゃまが愛しくて仕方ないメイドがからかうも、無自覚タラシの坊ちゃまに逆に翻弄されてしまう攻守逆転ラブコメディです。
大好きな坊ちゃまに信用されたくて、いつもからかうメイド。しかし、純真な坊ちゃまは彼女の言葉を真に受けて、思ったことをそのまま口にしてしまいます。その結果、逆にメイドが恥ずかしくなって赤面してしまうという毎回お約束のパターン。
まさに攻守逆転劇のやりとりに、ニヤつきが止まりません。今後、2人の仲はどう進展していくのかが気になってしょうがない作品です。
- 著者
- 昆布わかめ
- 出版日
2008年から2017年まで9年間「B's-LOG COMIC」で連載されていた乙橘の漫画『少年メイド』。
ある日突然、母を亡くし天涯孤独になってしまった小学生・小宮千尋が、叔父の鷹取円に引き取られ、メイドとして働きながら絆を深めていくホームコメディです。
2016年にはアニメ化もされています。
仕事人間で、唯一できる家事がお菓子作りという叔父・円。そんな彼を見かねて、メイドとして働き始めた千尋。小学生にも関わらず、まるで母のように世話を焼く千尋と円の関係性が微笑ましい作品です。
- 著者
- 乙橘
- 出版日
人好と雪の仲が深まるにつれて気になり始める、2人の家族のことや過去。4巻へと続く話で少しずつ明らかになり、ますます目が離せなくなってきました。今後2人には何が待ち受けているのでしょうか。