ハリーポッターの主人公が飼っているのでお馴染みの白いフクロウ。他のフクロウとは違う神々しさをもつその姿は多くの人が魅了されているかと思います。 今回はシロフクロウの生態とフクロウにまつわる書籍を紹介していきます。
フクロウの仲間の中では大型で、北極圏のツンドラ地帯に分布する寒い地域に生息するフクロウです。 大きさは全長50㎝~65㎝、翼を広げると140㎝~160㎝あります。体重は1.6㎏~2.0㎏前後で、メスの方がオスよりも大きいです。
北極圏のツンドラ地帯に分布する寒い地域に生息するフクロウです。
生息地が寒い地方なので体温保持のため、足の指まで羽毛が生えており、黒いくちばしのまわりも羽毛で覆われています。
シロフクロウは他の仲間と異なり草原や湿地帯、岩場などの開けた場所に生息していますが、海岸や農地などでも見ることができます。
また、シロフクロウは渡り鳥で繁殖期の春と夏は北極圏まで北上しますが、夏が終わるとロシアや北アメリカやヨーロッパまで南下する傾向にあります。
日本にも渡ってくることがあり、シロフクロウは冬鳥として北海道に渡来しますが、秋田や岐阜、鳥取、石川などの本州の一部でも見られることがあります。まれに夏でも目撃できることがあるようです。
繁殖地ではレミング(ネズミの一種)などの小型の小動物を主に捕食します。獲物を探すときは岩の上や木の切り株など、見通しよい場所にとまって獲物を探します。
レミングは夜行性で、地下や雪の下にトンネルを掘り巡らしていているため、レミングの掘った穴の上でぴょんぴょんと飛び回りその音に驚き顔を出したところを捕まえたり、人の仕掛けた罠の位置を記憶して罠にはまった動物を自分の手柄にするという賢さも持ち合わせているそうです。
親鳥は子育てシーズンに1500匹ものレミングを狩るため、シロフクロウの雛が育つかどうかはレミングの生息数と関連づけられていて、レミングの数が少ないと雛の生存率は下がり、逆に豊富にいるとオスは複数のメスとつがう余裕が生まれることもあります。
地面がほぼ一年中凍結し、岩石のように硬くなっている土地あるいはそのような自然現象をさす概念。凍原とも言われます。降水量も少なく、短い夏の期間を除いては植物がほとんど生育できない地域です。地理的には、カナダの北部やロシア北部など、北極圏、またはそれに近いところで見られます。ツンドラは植物だけでなく、動物が生息するのにも厳しい環境となっていて、基本的にはツンドラで見られる植物といえばコケ類や地衣類(ちいるい)です。
フクロウといえば夜行性の種が多いのですが、シロフクロウは日中でも活動することができる珍しいフクロウです。その理由はシロフクロウが住んでいる地域が関係しています。
シロフクロウの生息地は基本的に北極圏に近い地域のため、北極圏に近づくほど夜が非常に短くなっています。特に、北極圏の夏は夜がほとんどない白夜となっているので、太陽が昇っている状況でも動けるよう生態が進化したと言われています。
シロフクロウの特徴でもある白を基調とした体色は、雪の中で暮らす彼らにとっては保護色の役割をしています。
ただ実はオスだけが真っ白で、メスは黒や褐色の縞模様となっています。オスは雪のように全身がまっ白で、メスや若鳥では顔や胸部を除いて黒褐色のまだらが入ります。オスかメス化を見分けるポイントでもあり、これは他のフクロウではみられない特徴となっています。
一般的には、「羽角」のあるものを総称して「ミミズク」と呼び、ミミズクを除くものを総称して「フクロウ」と呼びます。
羽角は頭の左右にある一対の羽毛の束で、耳のように見えることから、耳があるのが「ミミズク」、耳がないのが「フクロウ」という言い方もされることがあります。
基本的には、羽角(耳)の有無で区別できるが、中には区別できないものもいる。
- 著者
- ["ハイモ・ミッコラ", "早矢仕 有子", "五十嵐 友子"]
- 出版日
世界に生息するフクロウの全286種が完全収録され、珍しい一面などを含め750枚もの写真が掲載されています。
種類ごとのそれぞれの外見、鳴き声、獲物と狩りの手法、生息地、現況と分布、亜種のほか、類似の種についても詳しく解説されています。
この一冊を持っていれば、間違いなくフクロウ通です。
- 著者
- マリアンヌ・テイラー
- 出版日
- 2014-08-18
シロフクロウをはじめ、イギリスの童話でおなじみのモリフクロウなど、なかなか動物図鑑では珍しいポートレートショットが一味違う雰囲気を演出しています。魅力で貴重なフクロウ36種が生態と写真を楽しめます。
それぞれのフクロウの特性・生息地・獲物・狩りのスタイル・地鳴きやさえずりに関する詳細データ、ルポタージュ写真、魅惑的なフクロウの歴史のあれこれなど、フクロウの関連書のなかでも珍しいショットが多い一冊になっています。
- 著者
- ♪鳥くん
- 出版日
日本初のプロのバードウォッチャー”鳥くん”が監修したフクロウの「かわいい」にこだわり抜いた一冊です。くりくりとした大きい目や、もふもふの羽毛がかわいい世界中のふくろうたちに癒されます。
枝などにとまっているふくろうの姿だけでなく、柔らかそうな羽毛のひなのほか、毛づくろいをしている、首を傾げているなど、フクロウのかわいい仕草を捉えた写真をたくさん載せています。
フクロウ好きの方にはもちろん、かわいい動物にキュンキュンしたい方にもオススメです!
今回はシロフクロウの生態についてとフクロウをより深く知ることのできる書籍を紹介しました。野生で出会うことは難しいかもしれませんが動物園やフクロウカフェなどでも見ることができるので、体の模様やもふもふ具合などに注目して観察してみてくださいね。