『アフターゴッド』とにかく​​画力がやばすぎる!グロくて美しい絵に注目!

更新:2023.3.6

『アフターゴッド』は、「神」と呼ばれている正体不明の巨大生命体IPO(イポ)が出現したことによって国土の半分は住めなくなり、多くの人が神に殺されている状況に陥った日本が舞台。 神が現れてから30年間、人類は一度も神に攻撃を当てることもできず、ただただ神の存在に怯えることしかできません。 そこに、神と同じ目を持つ主人公の和花が現れたことによって、人類と神の運命が大きく変化していきます。

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 『アフターゴッド』のあらすじ

正体不明の巨大生命体IPO(イポ)が日本に現れてから30年経った、2021年3月。

IPOは「神」と呼ばれており、神の目を見た人間は死んでしまいます。

そのため、神がいる場所は危険区域となっていて、日本の半分は住めない状態になっていました。

IPOの研究員である時永(ときなが)は危険区域の東京パトロール中に、友達を探すために佐賀からやってきた神蔵和花(かみくら わか)という少女に出会います。

二人は「神の手下」と名乗る宇月よんに襲われてしまいますが、神と同じ目を持つ和花の能力によって、危機を脱しました。

和花の能力を目の当たりにして「神を倒せるかもしれない」と思った時永は、強引に和花を研究所に連れていき、一緒に神を倒すように説得します。

そして、時永と和花は神を倒す戦いに身を投じていくのです。

果たして、時永の所属するIPOの研究所と和花は人類が30年間倒すことができなかった神を殺すことができるのか。

『アフターゴッド』の舞台は現代の日本とほとんど同じですが、圧倒的な画力やキャラデザインによって、別世界のような世界観を味わうことができます。

鬱々とした世界観と先の読めない展開で「チェンソーマンや呪術廻戦好きな人ならハマる」といった声も多い作品です。

著者
江野 朱美
出版日

見惚れてしまうくらい絵が綺麗

『アフターゴッド』の1番の魅力は圧倒的な画力です。「画力エグ」「絵がめちゃくちゃうまいなこの人」というコメントが多く見つかりました。

作者である江野朱美さんは、前作の『亜獣譚』で「第3回 次にくるマンガ大賞 Web部門」を受賞しています。

『アフターゴッド』の絵を見て、『亜獣譚』と同じ江野朱美さんの作品であることに気づいたファンが大勢いました。

読んだ人の記憶に残るほど、インパクトのある画力が作品を盛り上げてくれます。

例えば下記のシーンは『アフターゴッド』の1番最初のページです。

出典:『アフターゴッド』1巻

女子高生がおそらく神と考えられる生き物と出会っているシーン。

漫画とは考えられないくらい細かい線と、幻想的な気分を感じさせるデザインがなんとも言えない美しさを感じさせます。

最初からインパクトのある絵が登場することによって、一気に『アフターゴッド』の世界に飲み込まれてしまうことでしょう。

また、こちらのようなグロテスクなシーンでも、どこか美しさを感じてしまいます。和花の目の能力が発現した時の場面です。

出典:『アフターゴッド』1巻

目から植物や得体の知れないものが飛び出ていて、不気味でインパクトのある絵ですが、引き込まれるような美しさも感じられると思います。

他にも宗教画を見ているような神々しさを感じる絵や、見開きページで登場する絵などがとても綺麗で、スマホで読むがはもったいないくらいの迫力があります。

和花の能力の正体とは?

和花の目を見た人は体が動かなくなったり、精神を崩壊させられたりします。さらに和花は頭を貫かれてもあっという間に治癒する回復力や人間離れした運動能力を持っているのです。

そして、感情が抑えきれなくなると凶暴な別人格が現れ、どんな敵も倒してしまうほど危険な力もあるようです。

特に怒りが沸いたり、考えることをやめ相手がどうなってもいいと思った時に別の人格が出てきてしまい、必要以上に人を傷つけてしまうのです。

神を倒せる可能性を持っている和花ですが、自分では力をコントロールすることができません。

本当は人を傷つけたくないが、自分でもこの能力をどう扱っていいのか悩んでいる様子。

出典:『アフターゴッド』1巻

和花は能力をコントロールして神を倒すことができるのか、そしてなぜ和花は能力を持っているのか、先の展開が気になります。

その他にも多くの伏線が貼られているので、どんな結末が待っているのかワクワクしながら読み続けられるのも『アフターゴッド』の面白いポイントです。

絶望感のある展開とキャラが持つ暗い過去で胸がギュッとなる

神を倒すために和花と研究所の人たちは立ち向かっていくのですが、キャラクターたちが心に大きな傷を負ったり、仲間が死んでいったりなど、心がギュッとなる展開が多いです。

また、登場人物たちの過去や抱えている背景も辛いものばかり。

和花もその一人で、実は神によって親友のしをんを失っていたのです。

親友のしをんは家で強制的に認知症の祖父母の世話をさせられており、いつも体に怪我を負っていました。

生きるのが辛くなったしをんは、「神と会えば幸せに死ねる」という噂を聞き、神へ会いにいって死んでしまいます。

神のせいで友達を失った和花は、神に復讐するために東京へやって来たのでした。

出典:『アフターゴッド』1巻

そのほかにも時永の病や辛い過去、研究所の仲間たちの壮絶な人生など、暗い背景が丁寧に描かれています。

さらに、先ほど紹介した画力によって、登場人物たちの葛藤や絶望感をよりリアルに感じることもできます。

読むのがしんどくなるような、暗い作品が好きな方にはおすすめです。

苦しみを受け止め合う姿に心が温まる

重苦しい世界観ですが、キャラ同士がお互いの苦しみを受け止め合うような、人の暖かい絆が描かれているところもあります。

和花は神を殺したいと思ってはいるものの、その怒りによって自分の能力が暴走し、誰かを殺してしまうのではないかと恐れていました。

時永は和花に「恐怖から目を逸らさずにいれば必ず助かる」と伝え、能力をコントロールできるようにするために協力することを約束します。

さらに時永は和花に対して、和花の心の奥底には優しさがあることを認め、神への復讐心や友人を苦しみから救えなかった気持ちも受け入れていきます。

和花は時永に自分を受け入れてもらったのが嬉しかったのか、ただただ静かに涙を流して...。

出典:『アフターゴッド』1巻

胸が苦しくなるような展開が多い中で、人間同士の絆が深まっていくシーンが描かれていると一気に心が温かくなる感覚を味わうことができるのも『アフターゴッド』の魅力となっています。

まとめ

鬱々とした世界観と、状況を整理しきれないくらい次々に進んでいく展開で、最後まで没頭して読むことができます。

またページをめくると一気に雰囲気が変わるほどの画力によって、思わずゾクっとしてしまう瞬間をたくさん味わうことができるでしょう。

感情を大きく揺さぶられながら、美しい絵も楽しめる『アフターゴッド』をぜひ読んでみてくだい。

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