おすすめのコメディ小説5選|笑えて感動する?

更新:2024.4.12

笑えて感動するおすすめのコメディ小説を5冊紹介します。 また、どうしても自分で選ぶことができない人におすすめな選書サービスも紹介します!

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面白いコメディ小説に必要な10つの要素

ユーモア:コメディ小説の核心となる要素。予期せぬオチ、言葉遊び、風刺などを通じて読者に笑いを提供します。

独創的なキャラクター:個性豊かで魅力的なキャラクターが、物語に活気を与えます。

軽快なストーリーライン:テンポよく進む物語は読者の興味を引きつけ続けます。

日常生活の風刺:日常の些細な出来事や社会的なテーマをユーモラスに描くことで、共感や笑いを誘います。

ユニークな設定:普通では考えられないような奇想天外な設定が、作品に新鮮さをもたらします。

対話のウィット:キャラクター間の機知に富んだやり取りが、物語にリズムを生み出します。

予想外の展開:読者の予想を裏切るような展開やサプライズが、面白さを加えます。

軽快な文体:読みやすくユーモラスな文体は、コメディの魅力を引き立てます。

社会的なメッセージ:笑いの中にも、社会的なメッセージを織り交ぜることができれば、深みのある作品になります。

見事な結末:最後にきちんと物語が収束し、満足のいく結末が読者にとって重要です。

 

『雨の日も、晴れ男』

「雨の日も、晴れ男」は、水野敬也による独特なユーモアを体験できる小説です。この作品は、主人公・アレックスが日常で遭遇するさまざまな不運と、その中で見せる彼の楽観的な姿勢を描いています。晴れの日には必ず何か良いことが起こると信じていますが、実際は雨の日に限って珍妙でハプニングに満ちた出来事に巻き込まれてしまいます。これは、2人の幼い神様がその遊び心から、アレックスの運命に「不幸」を追加してしまったからでした。

アレックスは不幸にまみれている男です。雨の日に間違えたバスに乗り、会社に遅刻。その日は運悪く人事異動のタイミングで、怒りを買ったアレックスは解雇されてしまいます。別の日には詐欺にあい、火事で家を失い、妻子に去られる…アレックスの不幸はとどまるところを知りません。しかしアレックスは前向きです。「お前はクビだ」と言われても「お前はチクビだ」と言われたのではないかと真剣に悩んだりするところに、彼のやわらかい人間性が現れています。

アレックスの代わりに、私たちは「神様はなんてことをしてくれたんだ」と怒りながら、しかしアレックスのポジティブさに「アレックスはいい人間だ」と微笑みながら読み進めることができるでしょう。アレックスの不運ながらも前向きな姿勢に感情移入しつつ、彼の奇想天外な遭遇に心から笑うことができます。

著者
水野 敬也
出版日
2008-06-10

 

『店長がバカすぎて』

『店長がバカすぎて』は、早見和真による小説で、吉祥寺の書店・武蔵野書店で働く契約社員、谷原京子の物語です。京子は文芸コーナーを担当し、薄給にもかかわらず本を愛する熱心な書店員。しかし、彼女の周りには問題を抱える人々がいます。特に、店長の山本猛は話の通じないバカな人物として描かれており、京子は彼との仕事によりストレスを感じています。この山本店長は時々、鋭い洞察力を見せることもあるが、それが偶然かどうかは不明確で、読者を惹きつけるキャラクターとなっています​​。

物語は、ただのコメディとして始まりますが、途中からミステリーの要素も加わります。何気ない言動や描写が実は重要な伏線となっていて、京子の周囲に散りばめられた謎が徐々に明らかにされます​​。

この小説は、書店員へのエールとしても機能しています。出版業界の現状や書店員の日常がリアルに描かれており、普段は見過ごされがちな仕事の側面を浮き彫りにしています。書店員としての日々の業務や、書店での生活を通じて、本への愛情や読書の魅力を知ることができるでしょう。また、本作は2020年本屋大賞にもノミネートされており、その魅力は多くの読者に認められています​​​​​​。

『店長がバカすぎて』は、笑いあり、謎解きありの小説で、特に書店や本を愛する人々にはおすすめの一作です。また、続編として「新!店長がバカすぎて」も存在し、シリーズとしての魅力も楽しめる作品です​​​​。

ストレスが多い現代社会において、息抜きとなるような読後感を与えてくれると思います。

著者
早見和真
出版日
2019-07-13

 

『総理大臣にされた男』

「総理にされた男」は、中山七里によって書かれた小説で、売れない舞台俳優が総理大臣の替え玉になるというユニークな設定の作品です。この物語では、主人公が政治の知識が乏しいにも関わらず、総理大臣のモノマネが得意ということから、総理大臣の替え玉として国を動かす羽目になります。主人公は官房長官や友人の准教授の助けを借りながら、自分のモノマネ芸を駆使して、国会議員、官僚、国民などを騙し続けます。

この物語はエンターテイメント性が高く、政治や経済に関する知識が必要最低限に留まるため、特に前提知識がなくても読みやすい内容となっています。一般市民の視点から政治を描いているので、読んだあとは現実の政治について興味がでてくるかもしれません。そのあとに再度読み直すと、よりコメディ要素を感じられる読後感になるでしょう。

SNSの感想を見てみると、この小説の魅力はその非現実的な設定にあり、あり得ないと感じる点がかえって新鮮な驚きや興味を生む、と評している人が多いです。設定が非現実的であるため、作品に対してツッコミをしながら読める点はいいですね。

著者
中山 七里
出版日

 

『探偵が早すぎる』

「探偵が早すぎる」は井上真偽の小説。2019年にドラマ化もされました。莫大な遺産を相続することになった高校生の一華と、彼女の命を狙う本家の大陀羅一族との間で展開される、命を守るための知恵と策略が光る作品です。一華の命を守るために雇われた「早すぎる探偵」千曲川が、犯人のトリックを予測し、返し技で解決していく様子が描かれています​​。

この小説の最大の魅力は文字通り「早すぎる解決」にあります。複雑で巧妙なトリックや策略が展開される一方で、一華は命を狙われていることを自覚する前に事件が解決してしまうようなスピーディな千曲川の手腕が笑いを誘います。「いままでにない探偵小説」が読みたい方に特におすすめできる一冊です。

2018年にはテレビドラマ化もされ、滝藤賢一と広瀬アリスが主演を務めました。このドラマは、原作の面白さをさらに引き立てる形で、映像作品にしたことでよりテンポの良さを実感できます。原作とドラマ、どちらも一緒に楽しむのがおすすめです。第1シリーズは2018年7月19日から9月20日まで、そして特別ドラマが2019年12月13日と20日に2週連続で放送されました。さらに、第2シリーズ「春のトリック返し祭り」が2022年4月14日から放送されています​​。

井上真偽の作品は、トリッキーで読みごたえのあるミステリでありながら、コメディ要素も含まれており、爽快かつ深い読後感が魅力です。「あたらしい探偵小説」を求めている人はぜひ読んでみてください。

著者
中山 七里
出版日

 

『ゴールデンスランバー』

伊坂幸太郎の小説「ゴールデンスランバー」は、伊坂幸太郎作品の中でも特にユニークな設定と、世界観で知られています。彼の作品は「伊坂ワールド」と称されるほど独特な魅力があり、読み始めると夢中になること請け合いです。特に伏線回収の面白さは、終盤になると怒涛の勢いで展開されるどんでん返しが特徴的です​​。

「ゴールデンスランバー」のあらすじを軽く紹介すると、まず首相が衆目の中で”爆殺”されます。爆殺です。そして主人公の青柳は首相暗殺(暗殺もクソもないと思いますが)の濡れ衣をきせられ、孤独な逃走劇が始まる。というものです。はじめはなかなか読み進められない、という人もいますが、後半になるにつれてページを送る手が止まらなくなるというパターンが多いです。

冒頭の爆殺から始まり逃走劇が始まるという流れからスピーディなコメディを予想されるかもしれませんが、実際は過去と現在を行き来しながら伏線の設定と回収を行う、複雑で深みのある読書体験をすることができます。

伊坂幸太郎の作品は映画化が多いですが、「ゴールデンスランバー」も監督は中村義洋、主演は堺雅人という構成で映画化されています。本と合わせて楽しむことで、さらに深い理解を得ることができるでしょう。映画と本を通して、伊坂幸太郎の世界観を堪能するのも一つの楽しみ方として有名です!

著者
伊坂 幸太郎
出版日
2010-11-26

まとめ

今回紹介したコメディ小説は、笑いと感動、そして時には考えさせられる要素も兼ね備えた、読み応え抜群の作品ばかりです。日常生活に疲れを感じたとき、くすっと笑いたい気分のとき、これらの小説を手に取ってみてはいかがでしょうか。

登場人物たちのユニークな個性や、予想外の展開に巻き込まれながら、ページをめくる手が止まらなくなるはずです。そして、物語の結末を迎えたとき、満足感とともに、また新たな作品を読みたいという気持ちが湧き上がってくることでしょう。

余談ですがコメディ小説って感動できることが多いですよね。

本記事で紹介した作品や、お気に入りのコメディ要素がある小説について、ぜひSNSで感想を共有してみてください。

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