WEAVERのかわべです! 2017年になりました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。WEAVERは春にはCDのリリース、ライブハウスツアーが決定しております。ツアーは全国細かく回りますので、お近くの会場に是非観に来てもらえると嬉しいです。
さて、3年前のちょうど今頃は、僕はロンドンで暮らし始めた頃でした。その年の夏が始まるくらいに帰国したので、約半年の間、英国で暮らしていたことになります。今回は英語学習者にオススメの英語の本を4冊、ここで紹介したいと思います。
ロンドンには、まずは行く前から大変でした。ビザをとったり、学校の手続きをしたり、暮らす場所の確保をしたり、すべてて自己責任でしたので、異国で暮らし始めるというのはすごく面倒だなと思ったことを覚えています。
暮らす前にもそんな風に大変なことがありましたが、暮らし始めると、もうここでは書ききれないほどに様々なことがありました。良いことも辛いことも、すべて「素晴らしい人生経験」として、クリエイティブの血肉となっているわけですが、英語の勉強ができたことも、とても大きな経験となっています。
日本人の中には、海外にちょっとでも住むと急に流暢に話せるようになると思っている方もいますが、実際はそうではありません。流暢に話せるようになるには2年はかかる、とも言われています。しかし半年も暮らすと、相対的に見て、英語が得意になります。そんな僕が、今回は英語学習者にオススメの英語の本を5冊、紹介したいと思います。僕がロンドンで読んでいた本もあります。
英語の精読は日本の授業で散々やりますが、多読というのはあまりやらないのではと思います。多読とは、わからない単語が出てきても一つ一つ辞書で調べたりせず、文脈から判断して読み進め、とにかくたくさんの文章に触れる学習法のことです。よく使われる単語は繰り返し出てくる為、自然と覚えてしまいます。村上春樹さんも、学生の頃にたくさんの英語の本を読んでいたと言いますね。
日本語の訳が付いているものもありますので、英語に、また海外の文化に興味がある方は、ぜひ手にとってみてください。
- 著者
- ブライアンW. ポール
- 出版日
日本に住むイギリス人の方によって書かれたエッセイです。英語の先生などもしているため、文章にユーモアがあります。
本の最後に、難しい表現については日本語で解説がなされていますが、その他はすべて英語です。和訳が付いていない本は、最初は敬遠されがちですが、こちらは読みやすいのでオススメです。読みやすい理由としては、平易な英語で書かれていることもありますが、それ以上に、日本のことが書かれているという点にあると思います。英語の本は当然内容も海外のことが書かれてあるものが多いので、文化や景色に馴染みがなく、さらに英語の難しさも相まって理解し辛いことがありますが、この本はそのような心配はありません。内容は長い間日本に住んでいる英国人が、日本で見てきた興味深いことや文化の違いなどについて面白おかしく書いています。
またイギリス人ならではの視点で、アメリカの英語との違いについて書いてある章もあります。例えば、イギリス人は住んでいる場所を「flat」というが、アメリカ人は「apartment」というように、同じ意味でも単語が違うというようなことです。僕もロンドンでは条件の合う「flat」を懸命に探していたことを覚えています。短いエッセイがたくさん掲載されている本なので、読みにくい章は途中で飛ばし、また別の話を一から読むこともできます。小説のように、一度わからなくなって進めないという心配もないですね。
- 著者
- StuartVarnam-Atkin
- 出版日
- 2011-11-17
こちらも、英国で生まれ育ち、人生の半分以上を日本で暮らし、執筆家、ナレーター、講師など様々な仕事をしているStuart Varnam-Atkinさんの本です。こちらも本物のイギリス英語に触れることができるエッセイです。イギリス人ならではの視点で、日本の文化の面白さや興味深い点について言及しています。
何が便利かと言いますと、ページをめくると丸々日本語訳が付いていることと、難しい単語や表現は、右下で解説がなされていることです。英語の本を読みたいけれど、完全に英語だけの本はまだ自信がない、という方にもオススメです。単語を覚えるのにも役に立ちますね。
イギリスでよく使われる単語「posh」について書かれている章もあり、イギリスの空気感も感じられる本だと思います。著者は『トラッドジャパン』という、日本の良さを英語で伝える方法を学ぶことができる番組のコメンテーターもしていました。これから海外で過ごす方は、観ていて損はない番組だと思います。併せてオススメします。
- 著者
- ["F・スコット・フィッツジェラルド", "出水田 隆文"]
- 出版日
- 2013-05-25
アメリカ文学を代表する小説を、比較的簡単な英語表現に書き換え、さらに日本語訳も付いている本。映画としても有名で、日本では村上春樹さんが訳したことでも有名ですが、英語で読みたい、しかし英語だけで読むのは難しい、という方にオススメの本です。CDも付いていて、僕もたくさん聴いていました。なぜかロンドンでアメリカの文学をアメリカの発音で聴いていたことは、今思えば不自然ですね。
物語自体がおもしろいので、飽きることなく、英語でもどんどん引き込まれていきます。名作であっても、海外の文学に共感しにくいことは度々あると思いますが、その理由は、僕たちがその時代背景を知らないからだと思います。日本の大正時代の文学を、海外の日本語学習者に読ませるようなもので、馴染みのないものを理解するのは難しいです。この本ではその時代背景の説明も、丁寧に冒頭でしてくれているので、より英語でも読み進めやすいでしょう。そして、困った時には右のページの日本語に助けてもらう、というやり方で読めるはずです。いい英語の勉強になること間違いなしです。
Penguin Readers: Level 6 OLIVER TWIST
2008年12月04日
イギリス文学で最も有名な作家の一人Charles Dickensによる小説です。英語学習者にとってPENGUIN READERSはおなじみではないでしょうか。僕もこのシリーズの小説をいくつも読みました。素晴らしい文学たちを、英語学習者の為にわかりやすく、そして役に立つように書き変えてくれている本のシリーズです。レベルごとに分けられていて、自分にあったレベルの本を選べるのも便利です。この『Oliver Twist』は最も高いレベルに属しているので、何冊か読んで慣れてからの方が良さそうですね。
僕はロンドンに住んでいる時に、せっかくだからここでイギリス文学を読みたいと思い、本屋さんでこれを買いました。孤児であるオリヴァーは、様々な不幸に見舞われロンドンへと逃げ、そこでフェイギンの窃盗団に無理やり入れられます。それから幸運にも保護されたり、また窃盗団に戻る羽目になったり、逆境に耐えながらも成長していくストーリーです。物語にはナンシーというフェイギン側の人が登場するのですが、オリバーを助けてくれようとします。個人的には彼女に幸せになってもらいたかったです……。
社会福祉制度のしっかりしていない、19世紀のイギリスの貧困、そして貧富の差なども感じ取ることのできる小説です。
- 著者
- J. K. Rowling
- 出版日
誰もが知っている、みんな大好きハリー・ポッターですね。多くの英語学習者が、映画も観たし、日本語でも読んだし、どうせ子ども向けの本だし、と軽い気持ちで読み始め、脱落すると聞きます。ハリー・ポッターは簡単だと思って読み始めると、とても難しいです。僕もかなり苦労して読みました。
魔法や道具など、ホグワーツ自体あまり日常的とは呼べない状況なだけに、馴染みのない単語も出てきます。しかし、読みすすめていくと、繰り返し同じ単語が出てくるので、理解も早くなり、読むスピードもあがっていきます。
決して簡単ではないですが、ハリー・ポッターが好きという情熱があれば、乗り越えられると思います。英語の本なのに、こんなに感動しながら読める、という経験をすれば、どんどん英語を読むことが楽しくなってくると思います。
英語がまだ難しいな、という方は、これを読むことを目標にすれば、英語の勉強も楽しくなるかもしれませんね。