染谷有香×樫尾篤紀W主演!音(ASMR)で出会った男女の究極の愛を描く!映画『SOUNDofLOVE』の魅力に迫る!《鈴木藍プロデューサーインタビュー》

更新:2024.10.8

「ASMR」とは、聴覚への刺激で得られる快感のこと。昨今世界的にブームとなっているこのASMR動画を配信する者と、またそれを享受する者との、歪な愛の形を描いた映画『SOUNDofLOVE』が2024年秋公開になります。 今回は映画の公開を記念してプロデューサーの鈴木藍にインタビューを敢行!これまでの日本映画では類を見ない独特な世界観の映画『SOUNDofLOVE』の観どころ、キャストの魅力、撮影現場での様子などをお聞きしました。

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【映画『SOUNDofLOVE』ストーリー】

守屋は清掃の仕事をして生計をたてていた。唯一の趣味はASMRの配信を聴くことだった。明葉(AKIHA)は女性の配信者。彼女は、顔を隠して、声や、食べる音、物を触る音など様々な音を動画で配信していた。守屋はこの明葉の配信にハマっていた。時間をみつけては、明葉のASMR動画を楽しみに日々を過ごしていた。

そんなある日、明葉がハイヒールを履いて公衆トイレを歩く音をLIVE配信していた。その配信をみていた守屋は驚きを隠せない。なぜなら、その公衆トイレは、守屋がいつも清掃をしている場所だったからだ。

音でつながる見知らぬ男女。顔も見えない、素性もわからない―。そんな彼らに待ち受ける運命とは!?

 

「人間味のある作品になったな」ー鈴木藍プロデューサー特別インタビュー

 

■まずはプロデューサーを目指された経緯を教えてください。

最初は、大学で脚本の勉強をしていたので、この書いてきた経験を活かせる仕事がしたいなと思いました。脚本を読める、作れる立場の人になりたいと思って、プロデューサーを目指しました。今、一から作品を作り上げていく工程が充実していて。大変なこともたくさんあるんですけど、一から作品に携われるということでプロデューサーになりました。

 

■脚本家として進む道はなかったのですか。

今でも脚本を書きたいなという思いはあって、たまに思いついたら書くというのはあります。ただ、もし自分が脚本を書くのであったら、プロデューサーは別の方にお願いしたいなと。自分が書いたものをほかの人に理解してもらい、表現してもらって面白いと思ってもらった時に、「いい仕事したな」と思えるのかなあと。自分が書いて、自分がプロデュースできるという自信が持てるくらいまでいったら、一番ですけどね。

 

■本作の企画はどうやって立ち上がっていったのですか。

私が入社したときから本作の監督である吉川監督がもうすでにASMRを題材にした企画を作っていたのですが、去年、企画が具体的に前に進むきっかけがあり、そこから作品を実際に動かすことになりました。そこで、(会社から)プロデューサーとして頑張ってほしいと言われ、現在に至ります。

 

■初プロデュース作品とのことですが。

今まで、AP(アシスタントプロデューサー)として、作品に関わってきたんですけど、こんなに決めないといけないことが多いんだということを改めて実感しました。現場自体は大変だったんですけど、やりがいがあって楽しくできました。

 

 

■ASMRを題材にした映画とは。

映画の醍醐味って、音だと思うんですね。映画館で観ることとテレビで観ることの大きな違いって音だと思うので、そこに注目した作品だったら面白い作品になるなと思いました。企画を動かす前に、吉川監督から脚本を読ませてもらっていたんですよ。その時は、「私にはわからない世界ですね」と話してたんですけど、実際に企画を動かし、現場のスタッフの方々と話していくなかで、脚本を改めて読み「こういう所が面白かったんだな」と実感しました。

 

■完成した作品を観て率直にどう感じましたか。

ただ音の映画、ASMRの映画というよりは、もっと守屋(樫尾篤紀)と明葉(染谷有香)のそれぞれの生きてきた生き方の過程や、最終的な決断など、人間味のある作品になったなと思いました。

 

■W主演のお2人については。

染谷さんは、その独特の雰囲気、オーラがあって、染谷さんがいるだけで世界観が生まれるというか、そういうところが魅力的で、この作品の明葉にぴったりだなと。樫尾さんは、すごく真面目で、撮影前も監督とディスカッションしたりして、この守屋という難しい役に向き合ってくれる方でした。

 

■撮影現場での染谷さんと樫尾さんは。

2人でコミュニケーションを取りつつ、やっていらっしゃった感じですかね。現場ではいい距離感というか、守屋と明葉のお互い一定の距離感がある関係性というのは現場でも意識していただいていたのではと思います。

 

■吉川監督とは、これまでもご一緒されていますが。

吉川監督の演出のものは1、2本APでやっていて、1本目は吉川監督が初めてドラマの監督をやるという時で。それから4年経って、本作をやることになりました。長編初監督ということもあると思いますが、自分がやりたいことが、はっきりしていて。それをスタッフにも、キャストにも真摯に伝えていました。本作は特にオリジナルということもあり、気合が入っているといった感じでした。音も画も照明も、もちろん美術、衣裳メイクもそうですけど、かけられる時間が限られていた中で、スタッフの方々もみなさんいい作品にしようと思ってやってくださっていました。

 

■ここだけは観てほしいというポイントは。

全体を通して観てもらえると、守屋と明葉の感情それぞれの変化がみえてくるので、そこを観ていただければと思います。また染谷さん、樫尾さんお2人の表情がとても素敵なカットが多いので、そこも注目していただきたいなと思います。

 

■この作品をどういった方に観てほしいですか。

自分に否定的になる不安な要素がエンタメに昇華された作品だと思うんですね。そういう自分って変かなとマイナスに捉えている方に、「前向きに自分らしさとして持っていていいのでは」と語りかけてくれるような作品になっていると思うので、そういう方にも観てほしいなと思います。

 

■今後、作りたい作品などありますか。

泣いてるけど、笑ってしまうような作品が好きで、表向きはコメディだけれども、ぐっとくるようなものがあるといった作品を作りたいなと思っていて。まだ具体的にはないんですけど。私自身がドラマを観ていて救われた経験、つらいことを忘れられる瞬間があって脚本家を目指したので、観ていて前向きな気持ちになる作品を作りたいなと思っています。

 

■具体的に好きな作品はありますか。

宮藤官九郎さんの作品、特に『木更津キャッツアイ』が好きで、ポイントポイントでセリフがぐっとくるというか、ああと思う瞬間があって。『ライフ・イズ・ビューティフル』という往年のイタリア映画でも、圧倒的につらい立場に主人公たちはいるけど、観ているとつい笑ってしまう。テーマ性はあるけどエンタメに昇華された作品が作れたらいいなと。

 

【作品情報】

映画『SOUNDofLOVE』

出演:染谷有香、樫尾篤紀、希代彩、和田聰宏 ほか

脚本・監督:吉川鮎太

主題歌・挿入歌:「vector」E.scene

2024年 9月27日(金)池袋シネマ・ロサほか全国順次公開

公式サイト:https://soundoflove2024.com/

 

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