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麻生みことのおすすめ漫画年代順5作品!『そこをなんとか』で人気!

更新:2020.12.2 作成:2017.1.15

白泉社を中心に活躍する麻生みこと。人気作『そこをなんとか』は、2012年にはテレビドラマ化もされました。麻生みことの作品に共通するのは、リアリティのあるキャラクターたちと、そのやりとりにおける言葉選びの素晴らしさです。

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女性漫画家・麻生みこととは?

麻生みことは、熊本県の出身の漫画家です。既婚者であり、本人いわく「ヘタレ漫画家」。1990年に「麻生美琴」で応募した『TWINS』で白泉社アテナ新人大賞新人賞を受賞し、1991年には同作が雑誌「LaLa DX」に掲載されデビューを果たしました。

デビューまでトントン拍子だった麻生みことは、その後少しの間行き詰まります。その期間、「一年間遊んだのが良かった」と語る彼女。その経験が人の心情の描写に役立ち、物語の作り方も変わっていったそうです。麻生みことの作品の登場人物の魅力の根源は、こんなところにあるのかもしれません。

また、スランプに陥ると犬と遊ぶそう。煮詰まったときに、まったく違うことをしてみると道が開けるというのはどんな職業でも共通しているのかもしれませんね。

麻生みことの代表作!

麻生みことにとっての初のコミックスとなる今作。麻生の代表作のひとつでもあり、花とゆめコミックスから全10巻・白泉社文庫から全5巻が発売されています。
著者
麻生 みこと
出版日
2008-01-11

平凡な女子高生二美。二美は、なぜだか学園のアイドル美女2人と親友同士。ひとりは、学年3位を落ちたことが無い才女である理々子。もうひとりは、県内2位のスプリンター(短距離走者)の美晴。レベルもプライドも高い彼女たちは、当然男性の理想も雲よりも高いのですが、学年一の美男子高雄には一目置いています。勉強も運動もできる神様、高雄。二美はそんな彼と付き合い、さまざまな人との関係の中、複雑な感情を抱きながらも成長をしていきます。

身も蓋もない言い方ですが、なぜ特に抜きんでた才能もなく特別美人でもない二美が、アイドルのようなふたりと親友なのでしょうか? 学園一の美少年の高雄と付き合えたのでしょうか? それは、二美がいつでも自然体であるからです。

「いや、ただ、変わってんなあ。君って」
(『天然素材でいこう。』から引用)

出会ったばかりのころ、高雄が二美に対してそう言ったとき、彼の顔は満面の笑みでした。自分とふつうに接してくれる存在が嬉しかったのです。

相手のことを、特別視しない。変にフィルターをかけず、相手の中身をきちんと見る。そういうことができるのが主人公二美の魅力であり、だからこそ親友のふたりを始め、人が集まる所以なのではないでしょうか。

人間には良い面も、悪い面もあります。本作ではそうした人の心情が丁寧に描かれており、思わず感情移入して、主人公たちと一緒に泣いたり笑ったりいてしまうシーンがちりばめられています。まっすぐな主人公たちの、青春群像劇をぜひお楽しみください。

目指せ、イイ女?

雑誌「MELODY」で連載され、現在単行本全8巻が発売されています。舞台は都内某T大で、女子大生、頭もよくて綺麗でまさに才色兼備な主人公……しかし、ふつうの才色兼備とは違うのです。ハイテンション上京物語、元気になれる麻生作品のひとつです。
著者
麻生 みこと
出版日

主人公羽柴ヒロミは、厳格な父に認めさせるため、大好きだった姉のため、「国立で有名で東京だったから」という理由で猛勉強、某日本最高学府T大に入学します。しかし、入学早々浮きまくり。女子からは逃げられ、男子からは盛られる毎日を過ごしていました。ただ自腹で一緒にゴハンが食べたいだけなのに上手くいかない日々。そんなヒロミが、ヒデキ、ゴローと出会い、生活は変化していき……。

まず、主人公のヒロミは有名大学に入学するほどですから、頭が良いです。そして美人。そうなると少々鼻につく人物を想像しますが、実はヒロミは大学デビュー。元々はがり勉で地味なキャラだったのです。大学で久々にヒロミ再開したとき、あまりの変貌ぶりにヒデキも驚いていたほどです。

「ハードルは避けるモンじゃない。越えるモンでしょ」
(『GO! ヒロミGO!』から引用)

ヒロミの根性が感じられるセリフです。ヒロミは、高校時代の楽しみは全部捨てて、力を貯めて、T大の合格を勝ち取っていたのです。東京に出て「イイ女」になる……その誓いのパワーには、すさまじいものがありました。始終ハイテンションでバイタリティ溢れるヒロミに、読んでいて力を貰える作品になるでしょう。

麻生みことが描く弁護士!

「MELODY」にて2007年6月号から連載された本作。2012年にテレビドラマ化され、2014年には第2シーズンが放送されるほどの人気作となっています。作品名は、主人公楽子の口癖「そこをなんとか!」にちなんでいます。
著者
麻生 みこと
出版日
2008-03-05

司法制度改革により弁護士の就職難が発生し、主人公改世楽子も例にもれずその一人でした。楽子はかつてのバイト先で知り合った菅原を頼り、事務所に入所、弁護士として業務に当たっていきます。

弁護士を題材とした漫画、というと堅苦しいイメージを抱きがちですが、本作の主人公はどちらかというと呑気、天真爛漫な性格です。菅原と知り合ったのもキャバクラでバイトをしていたときであり、賑やかであることを理由に住まいも外国人が多いゲストハウス。見た目もあいまって、依頼人からは本当に弁護士かと疑われることも。そんな楽子が主人公だからこそ、小気味よく読めるのだと思います。

作品のタイトルでもある楽子の口癖、「そこをなんとか!」。この口癖からも、依頼人のために食い下がろうとする彼女の性格がうかがえます。利益・不利益だけでないまっすぐな姿勢には、好感を持てますね。

法律を扱う物語でありながら、爽快感の残る読後感でテンポよく読めてしまうので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?

麻生みことが舞台にしたのは、実在する京都の路地!

京都のとある路地(ろぉじ)にある長屋の住人達の恋模様を描いた作品です。「短編の名手」とされる麻生みことが描くオムニバス形式の作品となっています。舞台のモデルは京都市に実在する、あじき路地です。

製本職人、銀細工職人など、「ふきこ路地」に住む若い職人たちの恋模様が、連作で描かれています。「主人公」というべき固定の主人公はいないのですが、それゆえに視点が変わり路地の見え方が変わり、楽しめます。別の回の主人公が端役で登場していたりするのも、楽しみのひとつではないでしょうか。
著者
麻生 みこと
出版日
2010-02-05

恋模様に加え、この作品はそれぞれの職人たちの「職」についての描写がとても細やかです。たとえば、第1話でも、製本職人の小春が客の十和田に「かがり」について説明しているシーンがあります。かがりとは、製本の過程で紙を本の状態に綴じていくこと。「印刷屋さんから上がってきた全紙サイズの紙3回たたんで、これで16ページ」、「それを一折一折縫い付けていくんです。緩まんようにぴっちりと」。これだけでもとても手間がかかっていることがわかります。その後もさまざまな行程を踏み、まさに「世界で一冊だけのお客様の本」となるのです。

ところでこの第1話の主人公小春のポリシーは、「私情厳禁」。お客様の言われた通り、要望通りに本を制作しています。しかし譜面を持って訪ねてきた十和田は、全てお任せで、と言いました。プロならできて当然だと。小春は十和田からの依頼の案を考え、彼とかかわるうちに、つい他のお客様の依頼にも突拍子もないアイデアを提案してしまったりします。大変な分、達成感は大きく、つい油断してしまった小春は、自ら「私情厳禁」のポリシーを破り、つい十和田が依頼しに来た理由に踏み込んでしまうのでした……。

作品を通して、独特の雰囲気が流れているのも魅力的です。舞台である京都独特の、と言ったら失礼かもしれませんが、やはり穏やかな印象を受けます。前述の小春の話での中でも、不躾な態度の十和田に対し、「ぶぶ漬けでも出しったったら良かった」などクスリとくる小ネタも挟んであるのが魅力的です。

ハッピーエンドのお話も、少し悲しい結末のお話もある『路地恋花』。職人たちの情熱を感じられる、素敵な作品です。

『路地恋花』に続く麻生みことの傑作

2012年から雑誌「good!アフタヌーン」で連載され、単行本全4巻で完結しています。畳む予定だった海辺の旅館の主人と、そこに転がり込んできた仲居さんのお話で、これまでのハイテンションな麻生みこと作品とは一味違った雰囲気を楽しめる作品となっています。
著者
麻生 みこと
出版日
2013-08-07

海沿いにある辺鄙な宿「とびうお壮」。長年勤めていた中居さんが亡くなり、宿の料理人兼主人の旦那さんは、とりあえず予約が入っている分はこなそうと中居さんを急募します。そこに応募してきたのが、梢さん。旦那さんは「君みたいな若くてきれいな女の子が微々たる給料で……」と言って、追い返そうとしますが、梢さんはすでにアパートを引き払ってきたと言います。そのままペースに乗せられて、たった2人での営業が始まって……。

旦那さんは、梢さんを初めて見たときに「熱帯魚のような」と表現しています。今までの麻生みこと作品では、元気いっぱいの女主人公が多い印象でしたが、この作品でのヒロイン梢さんは正体不明、ミステリアスな美人さん。梢さんの不思議な魅力には、旦那さんのみならず、読んでいる読者すら翻弄されそうになるほどです。

旦那さんが梢さんの掌の上で転がされるという構図は、見ていて微笑ましく、きゅんとくるポイントも多いです。ふたりの掛け合いを見ていると、できるなら自分も「とびうお壮」に泊まってみたいと感じるはず。伏線も綺麗に回収してあるので、また初めから読みたくなる作品だと思います。

とにかくテンポが良く、一貫してサクサク読めると評判の麻生みこと作品。手軽に楽しめるのに、奥が深い人間描写に引き込まれるファンの方も多いのではないでしょうか?まずは1冊、手に取ってみてくださいね。