モロッコ音楽奏者の選ぶ「今すぐ旅に出れる本」

モロッコ音楽奏者の選ぶ「今すぐ旅に出れる本」

更新:2021.12.1

旅に出たくても、そんな時間やお金がない。。。 でもこの一冊があれば、今すぐ旅の世界に出れる。 それは本を通してその瞬間であったり。 旅に出たかった自分の背中をそっと押してくれて、実際にもう旅にでよう!! そんな感覚にさせてくれる出会いの本を集めてみました。

ブックカルテ リンク

足るを知る

今や海外旅行は何も珍しくなくなって、行き先のおすすめスポットや事前にホテルも簡単にインターネットの数ある情報から検索し予約できる。

時は60年代、当時学生だった正木さんは突如猛烈な吐き気に襲われていた。ラジオから海外旅行自由化のニュースが流れてきて横浜からロシア大陸を渡りヨーロッパへと旅に出た。世界が貪るように自然を搾取し、若者達はそんな社会に疑問を持ち始めていた。正木さんはヒッピーが出てくる少し前、西洋文明への怒りから東洋に新しい秩序を求めるビートニクに出会う。吐き気の正体とその怒りは同じ所から来ていた。

正木さんはインドでバッグを盗まれて数年間、路上生活者や寺院の修行僧(サドゥ)のようにほとんど何も持たない暮らしの中、精神世界の旅に出て行ったんだろう。。。

確かにお金がなければ生きてゆけない世の中で、上を見ればきりがない。毎月の支払いの為にもしっかり働き、働けば働くほど自分のより良い暮らしのせいで他の国や自分の国の自然が崩れていってしまう。でも、本当に必要な物って以外とシンプルでいろいろ手放すと楽になれる。これもあれも、という欲がないほど満たされやすく幸せを感じられる。。。そんな旅が教えてくれた本です。
著者
正木 高志
出版日
旅を始めてから10年、70年代半ばの正木さんは3人家族になっていて帰国してどんな生活をするか模索する中、フランスでコミューンやフリースクールを経験していた。自給自足すれば就職しなくても生きてゆける!幸福な生活とはどんな生活だろう、最小限の収入と最小限の支出の生活ではないか。
正木さんは今、阿蘇山の麓で有機栽培のお茶などの栽培をしているアンナプルナ農園を営みながら各地に木を植えたり平和活動、執筆しています。

うたう部隊

痩せて、元気も無い兵隊が復員する中、元気よく帰ってきた一隊があった。その一隊は、いつも合唱しています。嬉しい時、つらい時でも、いつ戦闘がはじまるかもしれない、そしていつ死ぬかも分からない時にでも胸一杯歌っていました。

人生という旅路でつらい状況においても元気に乗りこなす力。それは人々が団結し響き合う事にあるんだ!と思わせてくれる、人類愛フィクション。
著者
竹山 道雄
出版日
1959-04-17
ビルマの竪琴は時代背景的にも戦争中であって1947年から童話雑誌、赤とんぼに掲載されていた。その当時の人々の心に生きる道を見出させ、希望と信頼の光を復活させた。

人生とは、ある計画をしている時に起きた別の出来事

「Life is what happens to you while you are making other plans.」
星野さんが旅先で出会った言葉だ。

子供の頃あるアラスカの写真をみて感動した星野さん。1969年、高校生の頃その写真の撮影地を手掛かりにたくさんの手紙を書く。そのうちの一つであるエスキモーの酋長に招かれたのがきっかけで、アラスカに住み写真家になった。長い時間をかけ異国の地、人との関わりを持ってきた星野さんの言葉はすんなりと心に染みわたる。
著者
星野 道夫
出版日
1998-06-30
大自然からたくさん学ぶこと、人との絆、人生に対する肯定的な態度を再発見させてもらえます。

巡礼の旅

キリスト教の3大巡礼地でスペインにあるサンチャゴ・デ・コンポステーラをパウロ自身が歩んだ経験を基に書かれていて、日本でいえば四国88カ所巡りのような感じなんだろうか。。。
人は夢を叶えてそれを使ってどうするかもわからずただ夢を追い求めてしまったりするもので、それを使ってどうしたいのかを最初にはっきりさせることが夢を叶えるために必要なこと。祈りと共にたくさんの人が歩んできた旅路からのインスピレーション本。

著者
パウロ・コエーリョ
出版日
パウロの作品ではアルケミストの方が読みやすく有名だが、星の巡礼は彼のデビュー作だ。ずっと作家になりたかったパウロはサンチャゴの巡礼を機に、今できることを確実にやることの大切さを知り、夢を生きる事にした。特別な人だけが夢を実現できるんじゃなく、夢を生きた人が夢を実現できる。それまでは特別な人になろうとしていて、夢を生きていたんじゃない。パウロがそれに気がついて小説を書いたのが星の巡礼です。

インスタント・トリップ

ジミヘンやレッド・ツェッペリン、世界中のアーティストが惹かれやってきたモロッコを画家の大竹伸朗が独特のリズム感とラフなスケッチ画と共に描き出す異国の世界。観光名所なんてほとんど出てこない独特な視線でみたモロッコの日常や町並み。難しく考える必要なんて無く、ただただモロッコにいざなわれる。

著者
大竹 伸朗
出版日
直感的に入ってくる言葉。その感覚に身を委ね、きっとモロッコにいってみたくなるはず。

実際に外にでてゆくだけが旅なんじゃなく、日々の生活そのものも人生という旅だと思う。そんな日々の生きるヒントが詰まった本を選びました。

この記事が含まれる特集

  • 本と音楽

    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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