足るを知る
今や海外旅行は何も珍しくなくなって、行き先のおすすめスポットや事前にホテルも簡単にインターネットの数ある情報から検索し予約できる。
時は60年代、当時学生だった正木さんは突如猛烈な吐き気に襲われていた。ラジオから海外旅行自由化のニュースが流れてきて横浜からロシア大陸を渡りヨーロッパへと旅に出た。世界が貪るように自然を搾取し、若者達はそんな社会に疑問を持ち始めていた。正木さんはヒッピーが出てくる少し前、西洋文明への怒りから東洋に新しい秩序を求めるビートニクに出会う。吐き気の正体とその怒りは同じ所から来ていた。
正木さんはインドでバッグを盗まれて数年間、路上生活者や寺院の修行僧(サドゥ)のようにほとんど何も持たない暮らしの中、精神世界の旅に出て行ったんだろう。。。
確かにお金がなければ生きてゆけない世の中で、上を見ればきりがない。毎月の支払いの為にもしっかり働き、働けば働くほど自分のより良い暮らしのせいで他の国や自分の国の自然が崩れていってしまう。でも、本当に必要な物って以外とシンプルでいろいろ手放すと楽になれる。これもあれも、という欲がないほど満たされやすく幸せを感じられる。。。そんな旅が教えてくれた本です。
旅を始めてから10年、70年代半ばの正木さんは3人家族になっていて帰国してどんな生活をするか模索する中、フランスでコミューンやフリースクールを経験していた。自給自足すれば就職しなくても生きてゆける!幸福な生活とはどんな生活だろう、最小限の収入と最小限の支出の生活ではないか。
正木さんは今、阿蘇山の麓で有機栽培のお茶などの栽培をしているアンナプルナ農園を営みながら各地に木を植えたり平和活動、執筆しています。
うたう部隊
痩せて、元気も無い兵隊が復員する中、元気よく帰ってきた一隊があった。その一隊は、いつも合唱しています。嬉しい時、つらい時でも、いつ戦闘がはじまるかもしれない、そしていつ死ぬかも分からない時にでも胸一杯歌っていました。
人生という旅路でつらい状況においても元気に乗りこなす力。それは人々が団結し響き合う事にあるんだ!と思わせてくれる、人類愛フィクション。
ビルマの竪琴は時代背景的にも戦争中であって1947年から童話雑誌、赤とんぼに掲載されていた。その当時の人々の心に生きる道を見出させ、希望と信頼の光を復活させた。
人生とは、ある計画をしている時に起きた別の出来事
「Life is what happens to you while you are making other plans.」
星野さんが旅先で出会った言葉だ。
子供の頃あるアラスカの写真をみて感動した星野さん。1969年、高校生の頃その写真の撮影地を手掛かりにたくさんの手紙を書く。そのうちの一つであるエスキモーの酋長に招かれたのがきっかけで、アラスカに住み写真家になった。長い時間をかけ異国の地、人との関わりを持ってきた星野さんの言葉はすんなりと心に染みわたる。
大自然からたくさん学ぶこと、人との絆、人生に対する肯定的な態度を再発見させてもらえます。