本から想像した世界と、映像化された世界
バクステ外神田一丁目、堀内華央理です。寒さが増し、外での吐息が白くなってきた時期……外出をなるべく控えたくなりますが、考えようによっては暖かい室内で読書を楽しむにはぴったりな時期かもしれません。
私は読書も大好きですが、映画、ドラマ、舞台鑑賞などもすごく好きで、時間があるときは映画や舞台の、演じられている世界を楽しんだり、読書で想像の世界に浸ったり……どちらを楽しむか悩んでしまいます。それゆえ、個人的に好きな本が映像化、舞台化されるのは嬉しく、自分が本を読んで想像した世界と、実際に映像化された世界を比べてみたり。今回は映像化、舞台化されたことのある作品を紹介させていただきます。
本を読むことが禁じられた世界
1966年に映画化された作品。物語はテレビやラジオなど、視覚的、感覚的なものしかない世界の話。本を読むこと、所持することも禁じられ、見つかればすぐにファイアマンという、本を焼き払う役職の人に処分され、逮捕されてしまう……。主人公のモンターグは、ファイアマンの職業に就きながらも本に興味を持ち、何冊か仕事で没収した本を自宅にこっそり持ち帰っていました。ある日、クラリスという女性と出会うことで、それらの本を読み始め、本を禁ずる社会に疑問を持ちます。
読書が大好きな私としては、想像すら難しい世界が舞台。人間の飽くなき知識への欲求、抑圧された人々の葛藤などが見事に描かれています。それと同時に、自分がもしこの世界に住んでいたら……なども考えさせられました。社会の言いなりになり、思考力を失い、与えられるものだけを咀嚼するだけの人間側になるのか、モンターグのように勇気を持って社会のあり方を変えようと行動するのか……たくさんのことを考えさせられる作品です。物語の中で没収される本には有名作がたくさん登場し、知っている本もあると思いますので、そこも楽しめるポイントです!