2017年は遊びも、ぐうたらも、勢いよくいきたいと思います。さて、連載第二回目は、幼き頃に読んで、ずっと脳裏から離れない個性的な本たちをご紹介いたします。
唱えるだけで楽しい言葉「なんじゃもんじゃ」
まずタイトルにハートを射抜かれました! この本にハマったわたしは、ことあるごとに「なんじゃもんじゃ」「そんなもんじゃ、どんなもんじゃ」と、なんじゃもんじゃ博士の口癖を連呼していました。
親に怒られても「そんなもんじゃ、どんなもんじゃ」、給食を食べても「そんなもんじゃ、どんなもんじゃ」………。唱えるだけで楽しい言葉でした。ストーリーは、なんじゃもんじゃ博士とゾウアザラシくんが山や木など自然物たちに出会って、決定的な何かが起こるわけでもなく、起承転結があるわけでもない冒険をするという、シュールな内容。
ただ、頭の中で、幼きわたしは、なんじゃもんじゃ博士とゾウアザラシくんと共に、確かに同じ世界を見ていたと思います。頭の中の友達といいますか。共に過ごした思い出は、今でもわたしに呑気さとユーモアを与えてくれます。
「鼻毛が出ている水平さん」の秘密
まず、主人公のジャリおじさんは、水兵さんのような格好をして、無表情なうえに、常に鼻毛が出ている。ものすごく長い鼻毛が、数本出ている。はじめて読んだとき「うそでしょ、信じらんない」と思いました。
幼女ですし、キラキラしたものや、ファンシーなもの、マジカルなものを求めているのに、なぜ鼻毛が出ている水兵さん風の格好をした、しかも語尾に必ず「ジャリ」を付ける、ロン毛の男性と心の旅に出てしまったのか。意味がわかりませんでした。
ワニに出会ったり、ジャリおじさんのドッペルゲンガーに出会ったり、くだものの妖怪みたいなのに出会ったり、内容もナンセンス絵本の極み。「うそでしょ」と思いながらも、毎晩毎晩読んでいました。無くなると発狂するくらい心の友でした。
大人になってから調べてみると、鼻毛ではなく、鼻の頭にひげが生えているそうです。そして、作者があの大竹伸朗だということを知るのは、20歳になってからのことでした。