飛び降りたくなった日の3冊【QOOLAND・平井拓郎】
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飛び降りたくなった日の3冊【QOOLAND・平井拓郎】

更新:2020.11.30 作成:2017.1.29

人間をそれなりに長くやっていれば、いろんな日があります。楽しい日もあれば、心がけたたましく鳴る日もあります。今日は視界がまっくらになってしまったとき、光明となってくれた3冊をご紹介します。

平井拓郎プロフィール画像
バンド「QOOLAND」Vo/Gt
平井拓郎
QOOLANDのヴォーカル・ギター。2011年に川﨑 純(Gt)、菅 ひであき(Ba)、タカギ 皓平(Dr)とともにバンドを結成。2013年にロッキング・オン主催コンテスト、 RO69JACKでグランプリを獲得。2016年12月14日、ユニバーサルミュージックより、メジャーデビューアルバム『本気で演りたい』をリリース。オフィシャルサイトにて日刊ブログを22時に更新。年間150冊以上は読む読書家。2017年9月にはメジャー2ndアルバム『あしたを面白く』がリリースされた。http://qooland.com/
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僕は死ぬことについて考えたことがない人などいないと思っています。死は誰しもに平等に用意されている未来であり、生きとし生けるものが絶対に逃れられないものです。ときに自分でそのスイッチを押すこともできるし、他者に強制的に押されることもあります。

生物には生存本能があります。つまり死は元来避けたいもののはずです。ですが、不思議と「僕たちは死ぬことを求めているのではないか」と感じるときがあります。

起きていること自体が病気という考え方があります。眠ることがとても心地よくて、起きていることは疲れます。見方によっては、僕たちの意識は意識を失うことを望んでいる節があると思うのです。眠っているのを起こされるのは不快です。そう思うと、覚醒は本能的に不快なのではと感じてしまうのです。

僕は毎日のように酒を飲み続けていました。これは「たしなむ」ではなく、覚醒がつらいからただ頭を麻痺させたかったからです。

僕は今日、生きている人たちのことを、「死にたい夜を越えてきた人たち」だと思っています。みんな大なり小なり「死にたい」を抱えながらも、うまく付き合って、今日まではとりあえず生きてきたのだと感じています。

人間をそれなりに長くやっていれば、楽しい日もあれば、心がけたたましく鳴る日もあります。今日は視野が狭まり「生きるか死ぬか」ばかり考えてしまったとき、光明となった3冊をご紹介します。

生きていたくないけど、死にたくない

著者
中島 義道
出版日
戦う哲学者である中島義道先生の著作。タイトルをワガママと読むか本質的と読むか、人によって分かれるでしょう。

目次を見ると
1 生きていたくない
2 世間に従いたくない
3 働きたくない
4 ひとから評価されたい
5 ひとから愛されたい
6 死にたくない
と強烈なテーマが並びます。

架空の人物と中島先生の対談というおもしろい形式で読みすすめられます。僕の大好きな「わかりづらいことをわかりやすく」書かれている一冊です。「生きていたくないけど、死にたくない」という感覚についての議論はおもしろいです。

「後戻りできないこと」について

著者
養老 孟司
出版日
2004-04-16
大ベストセラー『バカの壁』の著者である養毛孟司先生の著作。バカの壁の続編にあたるような位置づけで書かれています。

「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いに対して「殺したら二度と作れないから」という答えで話が転がります。「後戻りができないからダメだ」という言葉が、本書を読み進めていくうちに、みるみる増幅していきます。

人類はスペースシャトルで宇宙に行くことを凄いと思っていますが、蚊という生命を一匹作れるかというとそんなことは絶対にできません。あらゆる「後戻りできないこと」について、考えさせられました。改めて、すべての生物の死亡率は100%であることを正面から突きつけられるような一冊です。

生きるための哲学を知る

著者
鶴見 済
出版日
1993-07-01
ライターである鶴見済先生の著作。有害図書として指定されるも100万部以上を売り上げたこのミリオンセラーに、僕は中学生のとき、出会いました。厳重なビニールパックのため、立ち読みもできなくされ、「18歳未満の購入はご遠慮願います」という帯の言葉を背負い販売されていたた本書は僕にとって、怖いけどどこかワクワクするものでした。

レジに持っていくも店員に販売を断られました。当時は通販もまだ使えなかったので、買える本屋を探すために、隣り町まで自転車をこいだことを覚えています。「手に入らないものほど欲しくなる」という感覚を本で味わったのはこの本が初めてでした。

「生きていくために死ぬ方法を知る」として書かれたこの本のアイデンティティは「後ろを見ることで前にも進める」という哲学に変形し、今も僕の中で大きなウエイトを占めています。