我々の太陽系に属する準惑星のひとつには、かつて生命が存在したかもしれない、と科学者たちが語っています。火星と木星の間の小惑星帯に存在し、神秘的で岩の多い星・ケレスの黒い表面の下には、豊富な氷があるのです。
この発見は、『サイエンス』誌と『ネイチャー・アストロノミー』誌掲載の、2つの論文により発表されました。この発見に関わった科学者たちは、小惑星から水その他の資源を採掘したり、人間を月より先の宇宙へ送り込んだりといった商業活動を促進したいと考えています。
アリゾナ州ツーソンにある惑星科学研究所研究員で物理学者のトマス・プリティマン氏によれば、この研究から、ケレスは10%が水であり、今はそれが氷になっているということが分かります。
ケレスのような太陽系を構成する星を調べることは、太陽系がどのようにして成立したのかを知ることの手掛かりになります。プリティマン氏によれば、ケレスは乾燥した小惑星ベスタと比べて、地球や水星・金星・火星といった他の地球型惑星よりも、巨大ガス惑星である土星と木星の氷衛星、エンケラドスやエウロパに似ています。
カリフォルニア州パサデナにあるNASAのジェット推進研究所の宇宙船ドーンの科学者長代理キャロル・レイモンド氏によると、科学者たちの間では、ケレスの隠れたところに塩水の海があるかどうかが議論になっています。もし海があれば、ケレスが太陽系の外に存在する生命に適した星のひとつに加えられるかもしれないのです。
「遠い昔も豊かな水があった星を見つけることによって、初期の太陽系のどこに生命が存在していたのかを知るための糸口を発見できる可能性があります」
ある声明の中で、レイモンド氏はこのように述べました。
プリティマン氏は、今回の発見は、主な小惑星帯の他の星の表面近くにも氷水が存在するという主張を強固なものにすると言います。
宇宙船ドーンが収集した情報によって、ケレスではベスタと違い、水によって鉱物が生み出されていることが分かりました。科学者たちはケレスの内部を知るために、鉱物学のデータとコンピューターモデルを組み合わせて研究しています。
Photo:(C)WENN / Zeta Image
Text:(C)The Independent / Zeta Image
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