人と人の繋がりの中にこそ、ドラマが生まれる【橋本淳】

更新:2021.12.1

これを書いてる今、大寒波がやってきて、凍えに凍え。風邪など引きやしないかと、怯えに怯えている状態です。心身ともに冷え切っています。そんな時、読書をして感性だけは暖かくなんてのは如何でしょう? (半ば強引なマクラですが聞く耳持たずで失礼)

1987年1月14日生まれ。2004年にドラマ『WATERBOYS 2』でデビュー。『連続テレビ小説 ちりとてちん』(07~08年)でヒロインの弟・正平を好演。以降、TV、映画、舞台と幅広く活躍中。 最近の出演作 舞台では、『君が人生の時』(17)、KERA・MAP『キネマと恋人』(16)、『クレシダ』(16)、『月・こうこう,風・そうそう』(16)、二兎社『書く女』(16)、KAAT『ペール・ギュント』(15)、新国立劇場『海の夫人』(15)、城山羊の会『トロワグロ』(14)、『HISTORY BOYS』(14)、新国立劇場『ピグマリオン』(13)、『耳なし芳一』(13)、ベッド&メイキングス『未遂の犯罪王』(12年)、『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』(12)、新国立劇場『温室』(12)など。TVでは『悦ちゃん』(17)、『PTAグランパ』(17)、『連続ドラマW グーグーだって猫である2』(16)、『連続ドラマW 夢を与える』(15)、『大河ドラマ 軍師官兵衛』(14)、『闇金ウシジマくん』(10)、『半分の月がのぼる空』(06)など。映画では『At the terrace テラスにて』(16)、『風が強く吹いている』(09)ほか。 ◆◆◆今後の出演作品◆◆◆
泡の子 LINE

人と人の間にあるものこそが、ドラマのすべて。
人間同士の交流、関係性、繋がり、
様々なやりとりの作品を今回選びました。
あなたに少しでも影響してくださったら幸いです。
それもまた繋がりです。では。

忘れてしまいがちな大切なモノ

著者
寺地 はるな
出版日
2017-01-11

『ビオレタ』でデビューした注目作家の感動作。
寺地さんの作品の空気感が好みで今回も、と。

母が死んだ。
号泣する姉、光実。涙が出ない弟、歩。
そんな双子の姉弟が、母の意思を、家業(であるワイナリー)を守ることを決意する。
暖かな濃厚な涙を誘発するような感動作。
一本のワインを様々な行程を重ねて丁寧に手間暇掛けて醸造するように、
人々もそれぞれの溝や、心の闇が、ゆっくりと優しくほどけていく。
最後のぶどうが実った時には、心に人肌の温もりを感じた。
日常に疲れた皆様に、
忘れてしまいがちな大切なモノを、思い出させてくれる本作を、是非。

心に刺さった一節
“もっと周りの人間のこと信用すれば”

揺れる者の物語

著者
いとう せいこう
出版日
2015-02-06

紹介せずとも、様々なところで評判を聞く本書。
小生、恥ずかしながらそういうことに疎く、
ジャケットとタイトルで、手に取った次第であります。
しかし、出会ってしまったら同じこと、この不思議な文体の虜に。
過去日本に起きたこと。

広島、長崎、東京、神戸、福島、様々なことを想起させられる。
生者と死者と狭間に揺れる者の物語。
今こそ想像力を、今こそ読むべきかと。
DJアークの「想ー像ーラジオー。」
のジングルが、貴方の耳に、いや頭にどう聞こえてくるのでしょうか?

心に刺さった一節
“なんでもかんでも口に出しとくことにしてるんだよ。伝えそこねて後悔したくないんで”

リアリティのある政界ストーリー

著者
原田マハ
出版日
2016-12-03

“もしも私が総理大臣になったら、何かあなたに不都合はある?”

20××年、妻である相馬凛子は第111代総理大臣となった。
夫である相馬日和は、ファーストレディならぬファーストジェントルマンとして、
総理を、妻を、支えていくことを決意する。
しっかりとした信念を持ち、突き進んでいく凛子
周りからのんきなおぼっちゃまと言われる、天然な日和
そんな2人が織りなす政界エンタ。
消費税、原発問題、社会福祉、そして暗躍している陰謀
それにどう立ち向かうのか。
日本はどうなっていくのか。
女性都知事が誕生した今、ただの小説には感じられない物語。
近い将来、こういう時代が訪れるかもしれない。

心に刺さった一節
“絶対に、絶対に、絶対に、私たちは後戻りしてはなりません”

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