飛行機に乗りたくなった本【真舘晴子】
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飛行機に乗りたくなった本【真舘晴子】

更新:2020.11.24 作成:2017.2.9

はじめて外国に行ったのは15歳で、成田空港から一人でパリ行きの飛行機に乗った。ドキドキした。一人で搭乗口に向かっていく。荷物も預けてしまって、そのとき頼れるのは自分の身ひとつ、大きすぎる不安と、友達や家族の顔を思い出して涙が出そうになる。

真舘晴子プロフィール画像
バンド「The Wisely Brothers」Vo/Gt
真舘晴子
都内高校の軽音楽部にてThe Wisely Brothers結成。 真舘晴子(Gt, Vo)、和久利泉 (Ba, Cho)、渡辺朱音(Dr, Cho)からなるオルタナティブかつナチュラルなサウンドを基調としたスリーピースガールズバンド。 2014年、下北沢を中心に活動開始。 2017年1月、7inchアナログ「メイプルカナダ」リリース。 2017年3月、「HEMMING EP」リリース。 2017年4月、「HEMMIG UP! TOUR」開催。 http://thewiselybrothers.tumblr.com https://www.instagram.com/wiselybrothers/
私は空を飛ぶんだ。

思い出してみると、それからも一人で飛行機に乗っていくつかの国に行った。
ストックホルムでは中心地までのバスの中から見えた何気ない郊外の景色に息をのんだ。カンボジアの空港は夜でもやっぱり暑くて、空港を出ると高い位置からオレンジ色のライトがお客さんを待つトゥクトゥク運転手たちを照らしていた。
アラブの空港でのトランジット中、日本は真夜中なのにもかかわらずいつもと変わらないようなメールをしてくれた友達がいたりして、アラブでの私を驚くほど安心させた。

当たり前に意識のある自分と、
周りの人たち、外の空気、
いつもと同じ時間を過ごしているはずなのに、なぜこんなに愛おしく感じるのだろう。
一体私は何を見ているんだろう。

今月、飛行機に乗ってフランスに行く。
行ったことのある国にもう一度行くのは、はじめてのことなんだ。

今回はそんな飛行機でどこかへ行ってみたくなった本たちを紹介します。

どうしてもパリに行きたかった

著者
猫沢 エミ
出版日
2006-12-02
どんな場所にいても自分が自分であることは変わらない。
だけど気になるひとを知りたいように、好きになるかもしれない国を知りたい。
どんな性格でどんな怖さがあって、どんな美しい気持ちがあるのか。
もちろんそれは体感しないと分からないことである。
外国を、日本でない国をほとんど知らない高校一年生の私はどうしてもパリに行ってみたかった。

パリの街についてのこと、ひとのこと、フランス語のこと、ふと流れた音楽とか、気持ちのこと。パリで暮らしていたときの猫沢エミさんのことばで綴られた日記は、登校中の私にパリへ行く予行練習をさせてくれたみたいだった。
パリで一緒に暮らしていた猫さん、ピキも登場する!

落ち込んだときは地図を開く

著者
出版日
2016-10-14
私は地理が好きだった。
高校のときに地理の授業で使ったプリントや地図帳は引っ越しても本棚に並べている。
いろいろなことで落ち込んだときは地図を開く。
青い部分や緑、茶色の部分、地球にはいろんな場所があってそこに住んでいる人がいる。
同じ時間がみんなに流れている。
先日、時間も気持ちもなんとなくギリギリの朝に谷川俊太郎さんの「カムチャッカの若者がきりんの夢を見ているとき」とはじまる詩を思い出した。
私がこうしている裏で誰かが川のほとりで笛を吹いていたり、白熊がこぐまに別れを告げたりしているかもしれない。
はぁ、そう考えたらなんだか泣けてくる。大好きな地図帳。
もちろん日本地図も楽しい。

北欧インディポップの誘い

著者
Twee Grrrls Club
出版日
2012-12-12
これまた高校生のとき、Twee Grrrls ClubのSatomiさんが営むカフェによく行っていた。そこで流れていたのは北欧のインディポップだった。
それらは学校帰りにカウンターでウトウトしちゃうほど少し浮かんだ気持ちになるのに、どこかの国の男の子の声には私の知らない気持ちがあった。
知らない国の音楽、Satomiさんにスウェーデンのことについて聞いたとき、私はどうしてもそこに行ってみたくなった。高三の夏に訪れたストックホルム。
今やその旅が当時の自分を一番驚かせた気がする。

この本を開くと様々な気持ちのジャンル別で紹介されていて、愛のこもった紹介文がなんとも音源を手に入れたくなる!
Summer TwinsやCat walk、インディポップ12曲のプレイリストダウンロードコード付き。

帰ってきたらレコードを探しに行こう!
あちらでも道端にはギターとレコードを探して拾おう!

映画のはじまり

著者
村上 龍
出版日
いつか誰かと空港で待ち合わせてどこかへ行くのだろうか。
チケットはあの人が持っているから空港で待ち合わせをして。
あの人はこないかもしれない。また電車で長い時間をかけて帰らないといけないのだろうか。いや、もしも来なくても、私は、私でなくてもきっと無理やりチケットを取ってどこかへ行ってしまうだろう。

空港の雰囲気は、ひとつひとつがやっぱり少し特別な気持ちであふれている。
一人でいるとなおさら、周りにいる人たちを気にしてしまう。
格好とか、話とか、椅子に見つけた落し物とか、キャビンアテンダントとか。
映画のはじまり。
だってこれから空を飛ぶのだから。

あ、去年ライブで神戸に行くときバンドメンバーと羽田空港で待ち合わせしたことを思い出しちゃった。空港で待ち合わせ、あったね。