映画『ヴァージン・スーサイズ』で自殺未遂を起こした少女は精神科医に「先生にはわからないわ。先生は13歳の女の子じゃないもの」と言う。このセリフは、作品の核であると思う。「少女」という曖昧であり且つ核心的な存在が常に大人を翻弄するのだ。そして少女たちが巻き起こす数々の理不尽は、世界の何物にも邪魔できないこの世の不条理なのだ。
17歳から18歳という、少女が少女というカテゴリから切り離され一人置いてけぼりにされる時期、わたしは永遠に少女でありたい、そうあるにはどうすればいいのか…と少女についての書物を片っ端から読み漁っていた。それが救いであり、ある意味ではわたしを大人にさせた。この本は、そんな時期に少女趣味の大人である知人の溢れかえる本棚の中でみつけた。他の本よりもいっそう日に焼け付箋がたくさんついたこの本には、凄みがあったことを覚えている。四谷シモン作の人形写真の表紙、巻頭、そしてこの悪趣味なまでにまっすぐなタイトルに惹かれたのだ。
- 著者
- 澁澤 龍彦
- 出版日
- 1985-03-10
大切にしていたものがあったような、なかったような。ただ一つ言えることがあるとすれば、いまここにはないということだ。成長していくにつれて忘れてゆく様々な感情と、小さくも果てしない愛が巧みなレトリックで綴られた寺山修司の詩集である。
- 著者
- 寺山 修司
- 出版日
十七歳の誕生日にvivienne westwoodの黒いロッキンホースバレリーナを買った。足が痛い、痛いと言いながらもどこまでもかかとを鳴らして歩いていた。わたしの少女時代はすべてここに詰まっている。
- 著者
- 大槻 ケンヂ
- 出版日
- 2007-09-25
本とアイドル
アイドルが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、詩集に写真集に絵本。幅広い本と出会えます。インタビューも。