「アタリ」「ハズレ」も覚悟のうち。本のジャケ買いが止められない。
駅前の書店や古本屋に立ち寄ると、特に目当ての本がなくてもウロウロと店内を徘徊し、2時間くらいは平気で過ごしてしまいます。
私はもっぱら「ジャケ買い」派なので、購入する本は、見た目やタイトルでさっさと決めてしまいます。装丁のデザインや、フォント、タイトルの引きの強さは、重要な手がかりです。
ジャケ買いは賭けなので、もちろん「失敗した……読んだ時間返せ」と後悔することもたまにあります。けれど、アタリに出会ったときの「やっと出会えたね感」みたいなものが癖になってしまい、当分ジャケ買いを止められそうにありません。
今回は、これまでにジャケ買いした本をご紹介しましょう。
夏と花火と私の死体
- 著者
- 乙一
- 出版日
完全にタイトル勝ちです。作者は乙一さん。どぎついタイトルなのに、「部屋とワイシャツと私」くらいドライで爽やかな雰囲気を醸している。
ここまで堂々と「死体」と掲げちゃっているし、もしかしたら大ハズレもあるかも知れない……と不安になりながらも、気になり過ぎて購入。しかし、この出会いをキッカケに、私は乙一さんの作品をジャケ買いではなく、積極的にチェックして手に取るようになりました。
まず、一人称である「私」の正体が驚きでした。この物語をナビゲートするのは、他でもない「死体」の私なのです。
死んでしまった女の子が、全体を俯瞰しているという斬新な語り口が面白かったです。ホラーがお好きな方は是非。
銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件
- 著者
- アンドリュー・カウフマン
- 出版日
- 2013-09-11
これもタイトルが気になって購入。
東京に住み始めてから、楽園(某大型書店)を見つけました。一度入ると、時間の感覚を失って日が暮れるまで遊んでしまいます。この本はそこで見つけた一冊。鮮やかな黄色の装丁で、ひときわ目立っていました。
あと、やっぱりタイトルの意味不明さ。とりあえず購入。
内容は、ちょっと絵本っぽいというか、ファンタジーのようにも感じるお話。銀行強盗にあって、妻が縮んだ、というタイトル通りの展開です。しかし、謎めいているし、これは何かのメタファー、比喩なんじゃないかな?というところから、読書の面白さが始まる気もしてます。
「妻が縮む」が何を暗示しているのか、それから、どうして「妻が縮まざるを得なかったのか」について考えてみるのも楽しかったです。