サバイバル本おすすめ5選!厳しい時代を、生き抜く力。

更新:2021.12.16

現代社会において私達が忘れがちなのが「生き残る方法」です。ある生物は擬態を、ある生物は高い繁殖能力でそれを実践します。人である私達が生き残るには一体どんな方法があるのでしょうか。それはここでご紹介する本を読めば答えが出るに違いありません。

ブックカルテ リンク

1:ワールドワイドな人気者、ベアさんが伝授!

『究極のサバイバルテクニック』は、英国陸軍特殊部隊(SAS)元隊員の冒険家ベア・グリルスがその経験に基づき、夏山、雪山、ジャングル、砂漠、海など過酷な環境下でも生き延びられる方法を伝授してくれる、まさに究極のサバイバル指南書です。

まずは軽く著者の紹介をしましょう。英国の元SAS隊員で冒険家でもあるベア・グリルスは、ディスカバリーチャンネルの超人気番組「Man vs.Wild」(邦題は「サバイバルゲーム MAN vs. WILD」)に出演している人物です。この番組は全世界10億人以上に視聴されている人気番組で、出演しているベア・グリルスは日本のファンの間でベアさんの愛称で親しまれています。

そんな人気サバイバル番組の内容は、過酷な環境下に降り立ったベア・グリルスが、ナイフや水筒などのわずかな装備のみで安全地帯まで到達するというもの。自身の置かれている状況や行動を解説しつつ、経験による危機への対処法や時には過去の遭難例なども語りながら番組が続いてきます。しかも彼はかなりのユーモアの持ち主で、独特の名言や、現地調達した、いわゆるゲテモノを食べるときの表情なども人気の秘密のようです。

そんなベア・グリルスが、普通じゃ絶対あり得ないだろう!というほどの過酷な状況下であっても、あらゆる知識と技術を用いて生き延びるサバイバル術を伝授してくれるのがこの書籍なのです。

著者
ベア・グリルス
出版日
2014-04-18

本の内容は、サバイバルの基本的な知識から極限の状況下での対処法まで幅広く網羅されています。まずは火を起こす方法に始まり、食物の調理法、気象の予想などを解説。そこから徐々に実際の状況を踏まえながら具体的な技術の応用などが解説されていきます。磁石を使わず方角を知る方法や天気の変化を予測する方法などは、サバイバルでなくとも、普通に役立つ知識といえるでしょう。

正直なところ、日本だけでなく世界的に見ても普通ではまずありえない状況で解説される内容も多いので、実用性があるとは言い難いところもあるのですが、そんな突拍子もない内容もこの本の魅力といえますし、過酷な冒険に挑戦しようとする人にとっては心強い味方となってくれることは間違いありません。そういう意味では、冒険をする、しないに関わらず読む価値のあるサバイバル本でしょう。

2:冒険心をくすぐってくれる懐かしい一冊

『冒険図鑑―野外で生活するために (Do!図鑑シリーズ)』は全6章からなっており、歩く、食べる、寝る、作って遊ぶ、動・植物との出会い、危険への対応と、野外で生活するための基本的な知識が詰め込まれているサバイバル本です。松岡達英によるイラストで解説される内容は、子どもにも非常に分かりやすく書かれており、学校の図書館などに置いてあることも多いそうです。

発売から30年以上経ってもなお愛される続けるこのサバイバル本は、子どもの頃に図書館や書店で見たことがあるという方も多いでしょう。この図鑑で解説されている内容は、一般的な野外活動による注意点や技術指南であって、決して厳しい環境化でのサバイバル指南などではありません。しかしそれだけに、小学生や中学生の林間学校などには最適の本といえる内容になっています。実際に学校などでは、野外活動においての教本としても活躍しているようです。

注目すべきは本書のタイトルです。子供であればついつい反応してしまうのがこの「冒険」という言葉。子どもの頃、そのタイトルに惹かれて本書を手に取ってしまったという感想も多く見かけます。そして一度手に取るとわくわくする内容に目が離せなくなるという声も多いのです。

著者
さとうち 藍
出版日
1985-06-20

冒頭でも触れましたが、本書には実に3000点以上のイラストが丁寧に描かれています。一つひとつの絵に、その植物や動物がどんな性質を持っているかなどが詳しく解説されているのです。子ども心をくすぐるだけでなく、野外において注意すべき動植物などを、絵を見てしっかりと覚えることができますし、それに対する対処なども詳しく学ぶことができます。目で見て楽しみ、知識も得ることができる、まさに一石二鳥の本なのです。

真新しい表現などはなく古臭い印象を受けるかもしれませんが、終始真面目に野外でサバイバル生活をするための方法がつづられる内容と、冒険心をかき立ててくれるイラストは、お子様に贈る本としてもおすすめです。

3:あらゆる災害への危機意識を高めよう!

天災のみならず、犯罪などの日常に潜む危険を回避するための対処マニュアル『21世紀サバイバル・バイブル』。あらゆる危機に対しての対処法が解説された本書には、わたしたちに不足している「危機意識」を高めてくれるという効用もある1冊です。

著者である柘植久慶は作家であり軍事評論家です。過去に傭兵隊の一員としてコンゴ動乱に参加した経歴をもつ彼は、ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、いわゆる平和ボケした我々とは違った危機意識を持っている人物といえるでしょう。そんな彼が筆をとったこのサバイバル本には、少々ハードな危機回避術が解説されています。

この本に記される内容は、「自分が生き残る」ための危機回避術、生存術です。著者の経歴が物語っている通り、我々の一般的な考え方に沿ったものとはいえないもので、あくまで「1人で生き残るとすれば」という考え方を前提として読み進める必要があるかもしれません。なぜなら、我々が実際に災害や犯罪に遭遇した際には、他の市民や公的機関と協力するという場面が一般的でしょうから。

著者
柘植 久慶
出版日

しかしながら、あらゆる天災や犯罪に対して著者の独特の対処法が語られる本書の内容は、他に類をなすものがないといえるほど個性的で、サバイバル指南書としてだけでなく、読み物としても面白いと評判が高いのが特徴です。

台風、洪水、火災などの天災から、航空事故、海難事故、ハイジャックなどの人的災害まで幅広く網羅された本書は、危機に備えるという意味では最適の書籍ではないでしょうか。あらゆる災害を想定した解説は、我々の危機意識を高めてくれる効用もありますし、そうやって危機意識が高まれば、実際に災害に備えるための行動力を奮い起こすことにも繋がるのです。

この書籍以外にも、サバイバルや危機管理に対する多数の書籍が同じ著者により発表されていますので、興味のある方は一度調べてみるのをおすすめします。災害に備えるなら、この本を読んでからでも遅くはありません。

4:現代災害への対処を追記。冒険手帳の改訂版!

ロングセラーを誇る人気書籍『新冒険手帳』に、現代型災害のサバイバル術32ページを加えた本書『新冒険手帳 【決定版】』は、読んだ人から生きる力と勇気が身につく本だといわれています。基本だからこそ大事な「生きていくための技術」がつづられているサバイバル本なのです。

平和な日常を過ごす私たちには、命を左右するような危機的状況というものはなかなか身近に感じられるものではありません。もちろん、そうならない方が一番いいのですが、いつ危機的状況に陥ってもいいように最低限の知識や技術は身につけておきたいものです。

この本で解説されるのは、そんな生きていくための基本的な知識や技術です。ケガや病気になったときの応急手当の方法や、助けがない状況での火や水などのライフラインの確保といった実用的な知識ばかり。挿絵付きでわかり易く解説してありますので、専門的な知識がなくともスッと頭に入ってくる内容でしっかりと学ぶことが出来ます。

著者
かざま りんぺい
出版日
2016-02-26

刺激を求め、キャンプや登山、サバイバル生活を行う人も多くいる現代。しかしそんな時に万が一、実際に過酷な環境に身をおかれてしまった場合、わたしたちは果たしてどれだけの危険への対処ができるのでしょうか。災害時だけでなく、安全にアウトドアライフを楽しむためにも、サバイバルの基本的な知識を得ることができる本書は、非常に有用な1冊といえます。

長く愛好される、初代『新冒険手帳』を現代に合う内容へと改定し、新しくなった本書は、解説される内容の割に低価格なのもポイントで、気軽に手が出しやすい本でもあります。

5:国が国民へ配布。平和を獲得するためのマニュアル本

スイス政府が、国民・国土を戦争や災害から守るため、各家庭に1冊ずつ配布したサバイバルマニュアルの翻訳本『民間防衛―あらゆる危険から身をまもる』。国が国民のために作っただけのことはあり、その内容は危機的状況を乗り越えるための知識の宝庫です。

まず書籍の目次を見るとこの本の概要を知ることができます。本に書かれているのは「平和」や「戦争」がどういうものなのか。それがありとあらゆる視点から見た細かい項目に分けられ、どれも具体的な解説がなされています。

大見出し「平和」の小見出しとしては「われわれは危険な状態にあるのだろうか」「国の自由と国民それぞれの自由」「全面戦争には全面防衛を」「民間防災体制における連絡」「心理的な国土防衛」(『民間防衛―あらゆる危険から身をまもる』より引用)。

また、大見出し「戦争」の小見出しとしては、「戦時国際法」「戦いか、死か」「戦争のもう一つの様相」「敵は同調者を求めている」「政治生活の混乱」(同書より引用)などが掲げられます。ほんの一例をあげただけでも、これだけの文量なんて驚きではありませんか。

著者
出版日
2003-07-04

上記の見出しからもわかる通り、平和や戦争を多角的にとらえ細かく分析した内容は、災害時、戦争時の対策マニュアルとしてだけでなく、平和や戦争をテーマにした読み物としての価値があるのではないでしょうか。また現実的な敵を想定したうえでの災害対策術、実際に国防のため国民一人ひとりが危機に対処する方法なども記載されていますので、戦争以外のあらゆる場面に応用が効く内容なのです。

これほど充実した内容は、他に類を見ないものですから、必読ですよ。まさにサバイバルのためのバイブルといっても過言ではないでしょう。

ここにご紹介したサバイバル本は、個性の強いものばかり。一般的な知識を得るための本もありますが、イラストが豊富であるなど読み物として面白い書籍を中心にご紹介してきました。知識を身につけるということは、決して杓子定規的なことではありません。楽しみながらサバイバル術を身につけるというのも、ひとつの良い方法でしょう。ぜひここにご紹介した本を熟読し、サバイバルの達人となっていただきたいです。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る