サイモン・シンおすすめ作品5選!世界が読んだ『フェルマーの最終定理』作者

更新:2017.2.27

サイモン・シンは、サイエンス・ライターとしても活躍しているテレビ・プロデューサー。科学、数学、医学の知識を武器に、新しい観点から追求していきます。そんな彼がライターとして書き記した知識の数々を紹介します。

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科学をわかりやすく紹介する、サイモン・シンとは?

サイモン・シンは科学、医学、数学を専門に活動しているライター兼テレビ・プロデューサーです。その豊富な知識と研究家肌な性格で、あらゆる面から科学という難しい世界を噛み砕いてわかりやすく紹介してくれます。科学を身近に提供してくれる人物のひとりです。

彼は1964年、イギリスのサマーセット州にて誕生。父母はインドからの移民です。ケンブリッジ大学大学院に入学して素粒子物理学を専攻し、博士号を取得しています。ジュネーブ研究センターで働いた後に、イギリスの放送局であるBBCに転職しています。

そこでシンは、様々なサイエンス番組を手掛けました。代表作はフェルマーの最終定理を扱ったドキュメンタリー番組で、エミー賞にノミノートされました。また番組制作にあたって行ったインタビューをもとに書かれた『フェルマーの最終定理』という書籍も刊行されています。書籍版も高い評価を受け、ベスセラーとなりました。

サイモン・シンが描き出す、宇宙誕生の謎を追い求めた人々

宇宙には人を惹きつけてやまない魅力があります。様々な人間たちが宇宙の謎について解明しようとしてきました。本書『宇宙創成』では、そんな宇宙に魂を奪われた人類の歴史が綴られています。神話の時代に始まり、アインシュタインの相対性理論を経て現在のビッグ・バン説に至る。そんなこれまでの宇宙研究史をまとめた歴史書です。

著者
サイモン シン
出版日
2009-01-28

本書最大の魅力は、宇宙という神秘に対する答えを求めたロマンあふれる歴史が書かれている点でしょう。宗教によって宇宙が地球中心に考えられていた歴史に始まり、地動説の快進撃など、いまでは考えられないような昔の人々の宇宙に対する考え方から議論を知ることができます。

また「宇宙論」に触れるための入門書として、本書は重要な役割を担っています。理由はその膨大な知識量と反比例して、驚くほどわかりやすい作品に仕上がっているからです。難しい漢字にルビが振ってあるので、中学生、高校生でも読める仕様になっています。また難解な数式も出てきますが、図やグラフなどで補足説明がしてあって、その数式にどのような意味があるのか理解できるようになっている点もありがたいですね。

科学という難しい題材と専門用語なども登場する本書。しかし、著者であるサイモン・シンはわかりやすい例えとユーモアあふれるエピソードを盛りこみ、読者を飽きさせることなく、最後まで置いてけぼりにしない工夫を施しています。宇宙に興味がある人は、手始めに本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。

宗教に挑んだビッグバンという科学

最新の研究で覆りそうなビッグバン=宇宙誕生説ではありますが、長きに渡って宇宙論を支え続けてきたビッグバン。それを中心とした宇宙論の歴史を『ビッグバン宇宙論』は書き記しています。神による世界創造から天動説を唱えたプトレマイオス、そして地動説を唱えたガリレオからアインシュタインの相対性理論に至るまで、様々な歴史の中で宇宙論を支えてきた人々の物語が描き出されていきます。

著者
サイモン・シン
出版日
2006-06-22

本書にはニューントンやアインシュタインなど有名な人物が多数登場。彼らを扱った本は数あれど、そういった有名な研究家だけでなく、無名な人物たちも取り上げているところが本書の魅力です。そういったいわゆる日陰者たちが宇宙論に貢献する様子を読めるのも、楽しみのひとつとなっているのです。

いまでこそ定説となったビッグバン論ですが、神の存在が当たり前だった昔には異端扱いされていました。そんな当時にビッグバン派と論争を繰り広げていた定常宇宙論の観点からも書かれている点が面白い作品です。定常宇宙論を支え続けたフレッド・ホイルの物語も、本書の魅力を色濃くしている要因なのでしょう。

サイモン・シンが探る、民間療法の有用性

カイロプラクティック、針治療、ホメオパシーなど通常の病院以外で症状の緩和をしてくれる治療法が流行っています。こうした治療法を差す言葉が代替医療です。日常生活にちょっとだけ支障をきたす症状で病院に行くのが煩わしいなどの理由により、用いられてきた代替医療。『代替医療解剖』では、本当にこうした代替医療が有効なのか解剖していきます。

著者
["サイモン シン", "エツァート エルンスト"]
出版日
2013-08-28

本書では代替医療の背景として、病気に対する臨床などの歴史が綴られています。壊血病の研究やナイチンゲールから始まる医療と衛生面の発展や、現代の癌と煙草の関係性の研究など、病気に向き合ってきた人たちの歴史が読める点が面白い作品です。

本書を読むにあたって忘れてはいけないのが、代替医療に対する臨床と考察。鍼や灸などの悪い感部に対して行われてきた治療に対して、プラセボ効果(偽薬を意味する思いこみ効果)以外に科学的根拠はないなど、衝撃的な内容が書かれています。科学で証明できなければ効果が皆無と言い切れるわけではないですが、こうした代替医療の有用性を覆すような内容は、読者の興味を誘うことでしょう。

秘密を「守る」暗号と秘密を「探る」解読

エニグマ(暗号機)や暗号通信など、暗号といえば軍事や映画のだけの話であるような気がします。しかし私たちの生活と暗号は、いまや密接な関係にあります。ネットショッピングでの金銭のやり取りや、携帯電話の電波など、生活や大切な情報は暗号によって守られているのです。シンによって書かれた『暗号解読』には、そんな暗号の歴史が綴られています。

著者
サイモン シン
出版日
2007-06-28

暗号の歴史は古く、紀元前から使われていたという事実には驚かされます。他にも第二次世界大戦中にドイツが開発した最強の暗号機エニグマの登場や、それを解読しようとした人々の闘いなど、暗号にまつわる面白いエピソードが満載です。

暗号という難しいテーマながら、本書は誰にでもわかるように噛み砕いて書かれています。電子の網で個人情報が世界中を漂うようになった世の中で、暗号に触れておくのは必要なことになりつつあります。そんな暗号に触れることのできるやさしい入門書となっています。

サイモン・シンの代表作にして最高傑作

フェルマーが残した定理は数学者たちにとって夢でした。それはフェルマー自身が「証明はできるがこのノートの余白には収まりきらない」と言い残して、この世から旅立ってしまったからです。数学者たちはその定理を証明する式を必死になって導き出そうとしました。本書『フェルマーの最終定理』には、定理が完全に証明される300年の歴史が書かれています。

著者
サイモン シン
出版日
2006-05-30

本書には、フェルマーの最終定理を証明したアンドリュー・ワイルズの半生が中心に描かれています。また、その証明に関わった日本人のエピソードも書かれている点も興味深いです。学術的に見ても一読しておきたい内容になっています。

シンの著書の魅力は、なんといってもそのわかりやすさ。数学者の中でも10%程度しか理解できないという定理の証明。そんな難しい内容にも関わらず、数学に知識がなくても面白く読むことができます。シンの卓越したストーリー・テラーとしての才能が炸裂した本作、ぜひお手に取ってみてくださいね。

科学には未知の領域を知るという魅力があります。そこには難しい数式もあって、理解するのは容易ではないでしょう。しかしサイモン・シンはその難しさに、歴史や人間の挑戦などのストーリーを盛り込むことで、わかりやすく面白い内容に仕上げているのです。