実は中学生になるまで読書が嫌いだった。漫画ばかり読んでいたし、小学校の朝の読書の時間では大きな本を広げてページを凝視しつつも、文字は読まずそのまま思考停止してただ15分が過ぎるのを待つこともしょっちゅうあった。でも中学高校時代に自分を変える沢山の本との出会いがあった。何冊か本を紹介した森絵都や、大好きな映画「パプリカ」の原作者である筒井康隆、そして誰より江國香織の本との出会いは私の「小説」の認識を大きく変えてくれた。
8年付き合った恋人と別れた梨果は、彼の新しい意中の人である不思議な女性の華子に押しかけられ、また彼に会えるかもしれないという不純な思いで彼女と二人の生活を始める。どうしようもなく歪なのにあたりまえみたいに淡々と描き出される登場人物たちの心の動きにつられそうになる。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
忘れられない夏ってあるじゃないですか甘酸っぱい恋や青春の光とかそういう話してるんじゃなくて、一つくらいみんなきっとある、もっと何気ないこと。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 2000-06-28
半年間同棲したひとと別れたあとの日々を描く表題作「ぬるい眠り」のほか8編を含む短編集。ある意味作者らしい作品が多く入っているので、江國香織読みたいけどあんまり長いのはちょっと…とかどれから手を付ければいいのか…とかいう人に特にお勧めしたい。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 2007-02-28
来週21歳になる主人公栞。「神様に選ばれた、特別な人」のような兄の幸祐。美しい兄の妻、アルバイト先のバーのママ、やどかりを探す男の子、マンションの不気味な双子、自称兄の妻の女性、やどかりのナポレオン。各々色が強い登場人物たちが織り成す、夢かうつつか、白昼夢のような夏の日々を描いた作品。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 1999-05-20
本とアイドル
アイドルが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、詩集に写真集に絵本。幅広い本と出会えます。インタビューも。