昭和初期の暮らしや流行を描写
昭和の文化に興味があっても政治や歴史となるとなかなか難しい……というか、なかなか文化と暮らしと、政治って結びつかない。と思っていた矢先この本を見つけました。関東大震災~満州事変までの史実が描かれるとともにその頃の暮らしっぷりや生活の中で流行っていたことなどが一緒にわかるようになっていたりと退屈しない工夫がされていて、歴史の勉強もできるので実用的というだけでなく、本当に面白いです。
水木しげるが解説する戦前の歴史
こちらは満州事変~日中全面戦争までの本。人口取りという遊び(順番に都市を取り地理の本で人口を調べて多い方が勝つ)が流行れば日本全国の都市の人口を暗記し、遊びがすたった頃には世界の人口を書物に表すところまで及んでしまう。
水木しげるさん幼少期のエピソード。ドーナツというのが外国から渡ってきたのを食べに炎天下20キロ歩いたり当時がリアルに感じられる。そして昭和7年当時の内閣総理大臣犬養毅が暗殺された五・一五事件を象徴する流行語となった「話せばわかる」と「問答無用」。これも是非絵付きで見ていただきたい。感動します。
昭和歌謡曲の礎を築いた作者のエッセイ
作詞家・阿久悠さんの、新聞に連載されていた文章を一冊にまとめた本。
「地球がおかしいよねと感じ始めたのは、もうずいぶん昔になる。ぼくらは感覚だけで花の咲き方、雨の降り方、風の吹き方を、どうも本来とは違っているようだ、これは異変ではないだろうかと感じていたわけだ」
「シトシトとザアザアは動態の違いではなく、季節への信頼のようなもので、どこかで安心する。こういう安心が日本人を微妙に、そして、やさしく育てていた」
歌謡曲の歌詞というのは一曲4分ほどの、小説などと比べればとても短い言葉の連なりの中に、ドラマ、情景、哲学などが含まれている凄いものだと思います。昭和歌謡曲の一時代を築かれた阿久悠さんの言葉は一つ一つの密度がとても濃い。
まともに影響を受ければ人生を変えられてしまうほどの、強烈さを持っています。