毎月「プレゼントしたい本」を選んでご紹介していこうと思っています。今月は「将来を見通す」をテーマに選んでみました。ひとくちに「将来」といっても、様々な角度があります。あなたはどんな将来を思い描きますか?
野村総合研究所による近未来予測。予測が当たるかどうかはさておき、この本の良いところは「どうやって将来を見通すか」というHowを提供してくれるところです。 プレゼントに野村総研の本かよ!と無粋に思われるかもしれませんが、相手が誰であれ、一緒に未来を考えることができるとしたら素敵なことだと思います。
そして、大事なのは数ある未来予測の中で、本書が2020年という近未来を題材にしていることです 。というのも、当たるかどうかはさておきと言いつつも、結局当たったのかどうかをすぐ検証できるところも魅力なのです。
- 著者
- 野村総合研究所 野村総研=
- 出版日
- 2013-06-07
これは『2020年の産業』とは逆に、過去についての本。江戸時代以来、日本でどのような食文化が流行してきたのかを可愛らしい装幀でまとめた1冊です。
いきなり過去の本かよと思われるかも知れませんが、故きを温ねて新しきを知るとも言いますし、過去を知ることで未来が見えてくるのです。少なくとも過去の流行の遺物が街中にあふれている現在、これからがどうなるのかを考えるのに助けになることは断言できます。
- 著者
- 畑中 三応子
- 出版日
- 2013-03-01
『ファッションフードあります』と同じく、過去を知ることで未来について考えようという理由で選びました。20世紀後半、どのような雑誌が刊行されてきたのかを、その背景とともに紹介しまとめている1冊。この本も見て楽しいデザインになっています。
21世紀になって世の中が変化し、出版の状況も変化してきています。それは流行の変化であり、同時に流行を仕掛ける人たちの側の変化でもあります。紙の比率が減り、デジタルデバイスからの情報の割合が増えることで今後何が変わっていくのでしょうか。
- 著者
- 赤田 祐一 ばるぼら
- 出版日
- 2014-04-21
「このマンガがすごい!2014年版」で大賞に輝いた本作は、ちょっとバカな女子中学生2人の日々を描いた作品。短編を得意とする作者が1冊完結の中編を描いており、内容の密度が強烈です。
ネットでも後味が悪いと評判の作品ですが、それは作中で登場人物たちの弱さ、愚かさや心の醜さが抉り出されるように描かれているから。未来の世界を作っていくのは、このように弱く愚かで心の醜い人々です。そこから目を逸らしては何も見えないでしょう。
- 著者
- 阿部 共実
- 出版日
- 2014-05-08
フランス産の翻訳コミックですが、厚みがなく可愛らしいフルカラーなので、まるで絵本のように読むことができます。そこだけ挙げればいかにもプレゼントに無難に最適なんですが、内容は上掲の『ちーちゃんはちょっと足りない』とはまた違った意味で暗黒。
本書をプレゼントで贈ったりしたら常識を疑われてしまうかも知れません。何せ、森の中に捨てられた幼女の死体が1冊を通してどんどん腐敗していく横で、小さな子供たちが殺し合うという内容。本書は、諸行無常な自然のなかで、愚かな人々が殺し合い生き抜こうとする様子をこそ描いているのです。
- 著者
- マリー ポムピュイ ファビアン ヴェルマン ケラスコエット
- 出版日
- 2014-06-23
さて、ちょっといやだいぶ変則的なセレクションで「将来を見通すためにプレゼントした本5冊」を選んでみました。とりわけ4冊目と5冊目は贈る相手を選ぶと思いますが、もしこんな過激な作品を贈って喜んでくれる人が身近にいるのだとしたら、楽しい将来があなたを待っているのかもしれません。それではまた。